Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

執着の果ての恐怖(Porfía hasta el temor, la)

ロペへの帰属:議論の余地あり

執筆年代:1595?-1604?年

種類:歴史劇

補足:アラゴン王国が舞台となっているが、時代設定は曖昧である。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  アラゴンの貴族ドン・ロペ・デ・カルドナは、ドニャ・レオノール・デ・モンカダに恋をしている。しかしレオノールが愛しているのは、ロペよりもずっと貧しい騎士ドン・フアン・デ・アセベドである。ロペは報われぬ恋に悩み、妹のラウラは彼を心配する。

 

 アラゴン国王の弟であるドン・フェルナンドがロペを訪問する。フェルナンドはロペを過剰なほど寵愛しており、ロペはフェルナンドを信頼して自分の恋の悩みを告白する。するとフェルナンドは、自分も報われない恋に悩んでいると話す。(後で判明するが、フェルナンドが恋しているのはラウラである。)

 

 フェルナンドは、ロペをレオノールと結婚させようと考える。そうとは知らないフアンはレオノールとの結婚を国王から許可され、喜んでそのことをレオノールに伝えに行く。王は、結婚式の立会人の一人をフェルナンドに決める。

 

 フアンとレオノールが喜び合っていると、突然フェルナンドがレオノールの家を訪問する。フアンはレオノールの名誉を傷つけることを恐れ、フェルナンドに見つからないよう身を隠す。

 

 フェルナンドはレオノールに会い、ロペとの結婚を命じる。驚いたレオノールは、フアンとの婚約を理由にその命令を拒む。フェルナンドは怒り、レオノールとフアンを非難して去っていく。

 

 騎士のドン・ペドロは、前日に自分を川に投げ込んだフェルナンドの暴力的な行為を国王に訴えようとする。フアンは彼に賛成するが、ロペはフェルナンドをかばってペドロやフアンと対立する。

 

 ペドロとフアンが国王に謁見しに行こうとしたとき、フェルナンドが二人の前に姿を現す。フェルナンドはフアンに「私に歯向かおうとした者がどうなるか、ペドロを使ってお前に思い知らせてやる」と言う。その後、ペドロは王宮の廊下から中庭に投げ落とされて命を落とす。廷臣たちはフェルナンドを恐れて誰も真実を王に言うことができない。しかし王はフェルナンドに疑いを抱く。

 

 王はフェルナンドに、フアンとレオノールの結婚式の立会人になるよう命じる。フェルナンドは、ペドロを殺した犯人と王に疑われていることを察知し、怪しまれないようにその命令を受け入れる。しかし彼はひそかにフアンに向かって「レオノールを妻にするつもりなら、お前を殺す」と宣言する。

 

 フアンはフェルナンドの脅しを恐れず、理不尽な死を甘んじて受け入れる覚悟を決める。

 

 フアンの毅然とした態度はかえってフェルナンドを怒らせ、フェルナンドはフアンを殺す決心を固める。ロペは彼を思いとどまらせようとするが無駄に終わる。ロペは、フェルナンドが異常なまでの執念で自分とレオノールの結婚を実現させようとするのは、別の理由の為ではないかと疑い始める。

 

 フアンは、フェルナンドに脅されたことを国王に報告する。国王は、フアンの結婚式の立会人を自ら引き受けることにする。フアンはそのことをレオノールに伝え、その夜のうちに彼らの結婚式が行われることになる。

 

 フアンが去った後、ロペの従者グスマンがレオノールを訪問し、フェルナンドがフアンを殺すつもりでいると伝える。レオノールの侍女テオドラは「フアン様の命を助けたいなら、フェルナンド様の気もちを鎮めるために、わざとフアン様を愛していないふりをするべきです」とレオノールに忠告する。

 

 レオノールはテオドラの忠告に従い、その夜彼女の家にやってきた国王やフェルナンドの前で、フアンではなくロペを愛しているふりをする。国王は機嫌を損ねて去り、フアンは彼女に裏切られたと感じる。フェルナンドはフアンに恥をかかせて苦しめるために、わざと彼を殺さずにおこうと決心する。

 

 フェルナンドはラウラの元へ行き、彼女の兄ロペを寵愛した見返りとして自分と結婚するようラウラに要求する。しかしラウラは、「兄とレオノール様との結婚が実現しない限りはできません」と答えて彼の要求をかわす。その会話を聞いていたロペは、フェルナンドが自分を寵愛したのはラウラを手に入れるためであったと悟り、恐怖を覚える。

 

 ロペは、レオノールが本心ではフアンを愛していることを彼女自身の口から聞き出し、自分の恋をあきらめる決心をしたとフェルナンドに告げる。しかしフェルナンドは、自分がラウラと結婚するためになんとしてもロペとレオノールを結婚させようと考え、無理やり彼をレオノールの家に連れて行く。

 

 テオドラはフアンに、レオノールが彼を助けるための芝居をしていたのだと説明して、彼の誤解を解く。フアンはレオノールに再会し、二人は喜び合う。そこへフェルナンドとロペがやってくる。

 

 フアンは再び身を隠し、レオノールは再びロペを愛しているふりをする。フェルナンドはロペとレオノールを二人だけにして部屋に閉じ込め、鍵をかける。そして彼はラウラを手に入れるために彼女の家へ向かう。

 

 フェルナンドが去った後、隠れていたフアンが姿を現す。ロペは、フアンとレオノールの仲を邪魔することはしないと二人に誓う。彼らは庭園へ面した扉から外に出る。ロペはフェルナンドからラウラを守るため、家へ向かう。

 

 フェルナンドはラウラを言いくるめて彼女の家に入ろうとするが、ラウラは抵抗する。そこへロペが到着し、フェルナンドを公然と非難する。

 

 計画に失敗したフェルナンドは、フアンに復讐をしようとする。彼はロペを同伴させて、その夜レオノールの家に忍び込もうと計画する。彼とロペはレオノールの家に隣接する聖堂に隠れるが、その聖堂は、フェルナンドに殺された騎士ペドロが埋葬されている場所であった。

 

 フェルナンドの悪しき企てを阻止しようと思うロペは、ひそかにグスマンに命じて国王にフェルナンドの企みを報告させる。

 

 聖堂に潜んでいたフェルナンドは、死んだペドロの声を聞く。彼はかまわずレオノールの家に潜入しようとするが、手にした灯りが消えてしまう。すると何者かが、別の灯りを持って彼の方へ近づく。

 

 血まみれの姿のペドロの亡霊が現れる。フェルナンドは恐怖のあまり気絶する。

 

 意識を取り戻したフェルナンドは、ラウラへの執着を捨てる決心をする。グスマンの知らせを受けて駆け付けた王に、フェルナンドはフアンとレオノールの結婚式の立会人を引き受けると宣言する。フェルナンドからフアンとラウラへの謝罪が述べられて幕となる。