Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

パードレ・ロハスの幼年時代(Niñez del Padre Rojas, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1625年

種類:宗教劇

補足:ロペの同時代人であるスペインの聖人シモン・デ・ロハス幼年時代を描いたもの。本作は彼の死の直後に書かれたものである。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 少年のシモンには吃音がある。「美徳」「悪徳」は、どちらがシモンを支配することができるかを競うことにする。

 

 シモンがあまりにも信心深いので、兄のグレゴリオは母のコンスタンサに「シモンは教会へ行くよりも勉強に集中するべきだ」と訴える。コンスタンサは、信心深さによって勉学も上達するはずだとシモンを弁護する。

 

 シモンはラテン語をうまく読めず、グレゴリオに批判される。シモンは、自分の欠点を治してほしいと聖母マリアに祈る。すると天使が現れ、「アヴェ・マリア」と書かれた矢を差し出してシモンの口にくわえさせる。天使は、聖母によってシモンの吃音が治ったことを告げる。

 

 従者のクリスピンがシモンの前に現れ、彼の恋人マリーナの嫉妬について面白おかしく語って聞かせる。その後、マリーナがやってきて、クリスピンと仲直りをする。

 

 シモンは聖母マリアに感謝の言葉をささげる。彼は自分の信仰の導き手が欲しいと望む。すると大天使ガブリエルが現れ、シモンの導き手となることを約束する。ガブリエルはシモンに、聖母マリアの無原罪の御宿りについて話す。

 

 シモンとグレゴリオの両親は、「子どもたちの勉強を監視し、良い教師を探すように」とクリスピンに命じる。

 

 「悪徳」は神学生に変装し、シモンの教師になろうとする。しかし、ガブリエルの忠告を聞いたシモンは「悪徳」を拒絶する。

 

 クリスピンはカード賭博に手を出す。シモンはそれを叱る。ガブリエルは、クリスピンを遠ざけるようシモンに忠告する。

 

 神学生の姿をした「悪徳」が、グレゴリオとともに現れる。「悪徳」は恋愛詩を作って聞かせる。シモンはそれを批判する。グレゴリオは、ただ詩作の練習をしているだけだと話す。シモンは「悪徳」に聖母マリアの絵を見せ、聖母の美しさを語るよう依頼するが、「悪徳」は、宗教詩の作り方は知らないと答えてその場から逃げ出す。

 

 シモンは聖母を賛美する詩を作って聞かせる。グレゴリオとクリスピンは彼を賞賛する。

 

 シモンの父親は、クリスピンが勉強を怠けていることを叱る。クリスピンは、自分は田舎で暮らす方が向いているのだと告白する。シモンの父親は、彼がマリーナと結婚して田舎へ移住することを許可する。

 

 「悪徳」は、シモンを支配するために、「七つの大罪」である「高慢」「憤怒」「好色」「強欲」「大食」「怠惰」「貪欲」に援助を求める。

 

 「七つの大罪」は、シモンを誘惑しようと試みる。しかし信心深いシモンは、謙遜と忍耐、貞節と敬虔さをもって彼らに返答する。敗北した「悪徳」と「七つの大罪」は、シモンの家に火をつけようと企む。

 

 シモンは、聖母マリアへささげる歌を両親に聴かせる。「悪徳」はシモンの家に放火する。シモンは聖母に助けを求め、聖母は奇跡を起こして火を消す。

 

 クリスピンとマリーナの結婚式が行われる。シモンの両親が彼らの立会人になり、賑やかな祝宴が開かれる。

 

 シモンは、聖母マリアに奉仕する人生を送ろうと決心する。その後、聖堂の前で泣いている赤ん坊の世話をしたシモンは、無垢な赤ん坊に心をひかれる。

 

 聖堂のサクリスタン(聖具室の管理人)が現れ、シモンを泥棒と間違えて非難する。しかしクリスピンがやってきてシモンをかばう。シモンは赤ん坊をクリスピンに委ねる。

 

 シモンの親戚たちは、彼をトレド大聖堂の参事会員にしようと提案する。しかしシモンは修道士になりたいと希望する。

 

 マリーナは、突然クリスピンが赤ん坊をつれてきたのを見て怒る。シモンはマリーナに、その赤ん坊が孤児であることを伝える。マリーナとクリスピンは仲直りをする。

 

 大天使ガブリエルは、シモンの聖母マリアへの信心が向上していることを賞賛する。勇気づけられたシモンは、トリニダード(三位一体)会の修道士になりたいと両親に告げる。

 

 ガブリエルは「悪徳」と「怠惰」に、シモンが優れた聖職者となることを予言する。彼は、「受胎告知」の聖像の前で、8本の百合を口にくわえてひざまずく修道士シモン・デ・ロハスを表した絵を見せる。「悪徳」と「怠惰」は自分たちの敗北を認める。

 

 シモンの家族は、シモンの決意を祝福し、彼に別れを告げる。トリニダード会の修道服を着たシモンが現れる。シモンの父が、劇の第一部が終わったことを告げて幕となる(第二部は現存せず)。