Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ベルナルド・デル・カルピオの青年時代(Mocedades de Bernardo del Carpio, las)

ロペへの帰属:議論の余地あり

執筆年代:1599-1608年

種類:歴史劇

補足:スペインの伝説上の英雄ベルナルド・デル・カルピオの生涯を題材としたもの。ベルナルドはアストゥリアス王アルフォンソ2世の甥で、フランスの叙事詩ローランの歌』で知られる英雄ローラン(イタリア語ではオルランドスペイン語ではロルダンと発音する)をロンスヴォー(スペイン語ではロンセスバーリェス)の戦いで討った人物とされる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 アストゥリアス王アルフォンソの妹ヒメナは、サルダーニャ伯ドン・サンチョとひそかに愛し合う中になり、彼の子どもを妊娠する。しかしそれを知らない王は、ヒメナをバルセロナ伯ドン・ラモンと結婚させようとしている。

 

 王はアストゥリアスの王位継承者としてアラゴン国王の息子を受け入れようと考えるが、サンチョはそれに反対する。サンチョは王に、王国の後継者となる息子を得るために結婚するべきだと進言する。しかし王は、独身を貫く意志を示す。

 

 貴族のドン・ルビオはヒメナに恋をしているが、求愛を拒まれ続けている。ルビオはヒメナとサンチョの関係に気づき、彼らに復讐するために王に二人の関係を密告する。

 

 王とルビオはヒメナの部屋の周りを監視し、夜中にサンチョがヒメナの部屋に忍び込み、赤ん坊を抱えて出て来るところを目撃する。

 

 王に制止されたサンチョは、もはや逃れる道はないと考え、自分とヒメナとの関係を告白する。

 

 王は表向きはサンチョを受け入れたふりをする。王はサンチョに手紙を二通渡し、それぞれドン・ラモンとルーナ城の城代に届けてほしいと依頼する。夜が明けるとすぐにサンチョは出発し、ルーナ城に到着する。サンチョが城代に手紙を渡すと、サンチョは両目をくり抜かれ、投獄されてしまう。

 

 20年が経過する。サンチョとヒメナの息子はベルナルドと名付けられ、ルビオの庇護のもとに村で生活していた。ルビオのもとには、あらゆるものを蹂躙するベルナルドへの村人たちの苦情が寄せられる。ルビオはベルナルドを叱るが、ベルナルドは彼を父とは認めておらず、彼の言葉を無視する。

 

 国王アルフォンソが村へやってきて、ベルナルドが自分の甥であることを告げる。しかし国王は彼の両親が誰であるかは言わずにおく。国王はベルナルドを王宮へつれていく。

 

 ベルナルドの粗野な態度は変わらない。特にルビオに対しては、ベルナルドは理由の分からない反感を覚える。

 

 モーロ人の王アルマンソールから送られた使者ベンユセフが到着する。ベンユセフは、モーロ人とキリスト教徒との平和を維持するための政略結婚を提案する。アルマンソールはルビオの娘ドニャ・フロールとの結婚を望み、そのかわり、アルフォンソの後継者に自分の妹サラシーナを妻に与えようと考えている。

 

 アルフォンソが返事をするよりも早く、ベルナルドは立腹してベンユセフに暴力を振るう。そこへ、王のもう一人の甥であるドン・ラミロが到着する。ラミロは王の後継者と認められている人物であり、フロールの婚約者でもあった。

 

 王はベルナルドに立ったままでいるように命じ、ラミロとともにテーブルに座って食事をとる。ベルナルドはラミロよりも自分の方が優れていると感じ、テーブルをひっくり返して王と対立する。ラミロは王に、ベルナルドを殺し、彼の父親に毒を盛るよう忠告する。

 

 ベルナルドは、従者のオルドゥーニョをつれて、エル・カルピオの砦へ行く。ベンユセフに会ったベルナルドは、彼に暴力を振るったことを謝罪し、自分が王と口論したことを話す。ベルナルドはベンユセフに、「トレドへ行って、アルマンソールに仲裁を頼んでほしい」と言う。

 

 アルマンソールは、ベンユセフにベルナルドを捕えるよう命じる。しかしベルナルドは逃亡し、エル・カルピオ広場を占領してキリスト教徒の捕虜たちを解放する。

 

 ベルナルドはその後もモーロ人たちと戦い、数々の城を陥落させる。

 

 ルーナでは、間近に迫ったラミロとフロールの結婚を祝う催しが行われていた。ルーナへ到着したベルナルドは、国王に謝罪し、自分が征服した19の城を忠誠の証として献上する。ベンユセフと彼の妻フェリックス・アルバは捕虜として王に献上される。

 

 ベルナルドは、献上品への報酬として、自分の父親の名前を教えてほしいと王に願い出る。しかし王は、「彼は生きている」とだけ言う。

 

 王は、ベルナルドがルーナ城へ行くのを阻止するため、「あそこは荒廃していて、呪われている」と嘘をつく。しかしベルナルドはかえって好奇心をそそられ、夜中に城へ忍びこむ。

 

 ベルナルドは、鎖につながれた盲目の老人(サンチョ)を城の中で発見する。老人は自分が20年前に投獄されたいきさつを話し、「私の息子は軍人となり、エル・カルピオ広場を占領したそうだ」と告げる。ベルナルドは、老人が自分の父親であることを知る。

 

 ベルナルドは兵士たちをつれて国王の前へ行き、サンチョとヒメナとの結婚を認めてほしいと告げる。ベルナルドは、両親の失われた名誉の回復と、自分が庶子扱いされなくなることを望んでいるだけであり、国王とラミロを非難するつもりはないと断言する。ベルナルドの望みは聞き入れられる。

 

 ベンユセフと彼の妻はキリスト教の洗礼を受けたいと望む。アルフォンソはそれを受け入れ、代父母としてベルナルドの両親を任命する。オルドゥーニョにも褒賞が与えられて幕となる。

 

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