Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ムルシアのポルセル家(Porceles de Murcia, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599-1608年

種類:歴史劇

補足:1509年のスペインによるオラン占領が歴史的背景として言及される。トレドとムルシアが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 トレドの騎士ドン・ルイスは、ドニャ・アンヘラとひそかに愛し合う仲になり、アンヘラは妊娠する。

 

 妊娠中のアンヘラは気分が不安定である。彼女はルイスに手紙を送り、王宮の庭園での逢引と贈物を要求する。しかしルイスは貧しいので贈物を買う余裕がない。彼は従者のカリーリョと金の工面について話し合う。

 

 ルイスは、裕福な友人ドン・バスコに借金を依頼する。バスコは快く彼に金を貸す。

 

 アンヘラは父親からバスコとの結婚を求められていること、妊娠を隠しきれなくなってきたこと、ルイスが貧しいことなどに不安を感じている。王宮の庭園で彼女がルイスを待っていると、バスコがやってきて、ルイスに金を貸したことを彼女に話す。アンヘラは怒り、バスコの後にやってきたルイスに文句を言う。

 

 ルイスは、バスコがアンヘラに真実を話してしまったことを非難する。両者は言い争った末に剣を抜いて戦い、バスコは失神してしまう。彼が死んだと思い込んだルイスは、身重のアンヘラをつれて逃亡する。

 

 ある村にさしかかった時、アンヘラは産気づき、双子を出産する。ルイスは警吏の追跡を恐れ、アンヘラと双子の赤ん坊の世話を村人のベラルドに依頼する。ベラルドはそれを引き受けるが、実は彼はバスコの従者であった。ルイスが去った後、バスコがルイスに殺されたと聞いたベラルドは、アンヘラと赤ん坊を見捨ててしまう。

 

 アンヘラはルイスの後を追い、ムルシアに着く。そこでは聖母にささげる祭りが行われていた。

 

 ムルシアの貴族ドン・ロペとその妻ドニャ・ルクレシアは、子どもをさずけてくれるよう聖母に祈りをささげる。アンヘラが双子の赤ん坊を抱いているのを見たルクレシアは、彼女をねたましく思う。

 

 ルクレシアは、一度に二人の子どもを産むのははしたないことだと言ってアンヘラを侮辱し、もし自分が一度に二人以上の子どもを産んだら自分を殺してもよいと夫に告げる。アンヘラは傷つき、ルクレシアに呪いの言葉を吐く。

 

 アンヘラはテレサと名を変え、ムルシア近郊で養蚕を営む農夫のファビオに雇われて働く。一方、ルイスは兵士となってオラン占領に参加したのち、スペインへ戻ってムルシアに到着する。

 

 バスコが、従姉に当たるルクレシアとその夫ロペのもとを訪問する。ルクレシアは出産を控えている。

 

 アンヘラとルイスは偶然農家の近くで再会し、互いの無事を喜び合う。

 

 ロペが出かけている間にルクレシアは7つ子を出産する。多胎児を出産したことを恥じたルクレシアは、奴隷のベアトリスに6人の赤ん坊を籠に入れて川に流すよう命じる。

 

 帰宅しようとしたロペは、籠を持ったベアトリスに遭遇し、籠の中身を尋ねる。隠し通せなくなったベアトリスは真実を話す。ロペは6人の我が子の命を助けられたことを神に感謝する。ロペはルクレシアには秘密にしたまま、子どもたちの世話を近郊の農家に委ねることにする。

 

 10年が経過する。アンヘラとルイスは結婚して、さらに3人の娘をもうけている。そして彼らは、ロペから託された子ども二人も育てている。

 

 カリーリョはロペの従者となっており、アンヘラと偶然に再会する。カリーリョは、バスコは死んでいなかったのでアンヘラとルイスの心配の原因はなくなったと告げる。

しかしアンヘラはロペの長男サンチョの誕生祝に招待されていたため、それに出席するつもりでいる。

 

 オランに行っていたバスコが帰国し、ロペに挨拶に行く。バスコはルイスの妹ドニャ・アナと結婚する決意を彼に伝える。ロペは、ルイスとバスコが和解するよい機会になると喜ぶ。

 

 サンチョの誕生祝の宴が開かれる。ロペ、ルクレシア、バスコ、ルイス、アンヘラ、そしてロペの子どもたちと彼らを育てた農夫たちが集まる。ムルシアの行政官もロペに招待されて出席する。バスコはルイスとアンヘラの姿を認めて驚く。

 

 サンチョの誕生日を祝った後、ロペは皆の前で、ひそかに農家で育てられていた他の子どもたちのことを明かし、彼らにポルセルという家名を与える。バスコは、アナと結婚することを告げ、ルイスと和解する。アンヘラは、自分がかつてルクレシアを呪った女性であることを打ち明ける。ルクレシアは彼女を許し、ポルセル家の子どもたちとアンヘラの娘たちを結婚させることを提案する。カリーリョとベアトリスも結ばれて幕となる。