Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

レオンのプラド家(Prados de León, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1597-1608年

種類:歴史劇

補足:8世紀末のレオンが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 レオン国王ベルムード(ベルムード1世)は、王位を甥のアルフォンソ(アルフォンソ2世)に譲って修道院へ入ろうと考える。アルフォンソは本来は正統な王位継承者であったが、叔父マウレガートとの王位争いに敗れてナバーラに亡命していた。ベルムードはナバーラからアルフォンソを呼び寄せる。

 

 レオンの草原(プラド)にあるフロール村では、村人のヌーニョニーセが愛を誓いあっている。しかしシルベリオという男性もニーセに恋をしており、ヌーニョとシルベリオは対立する。

 

 レオンの王宮にやってきたアルフォンソに、ベルムードは王位を譲る決意を伝える。ベルムードはアルフォンソに、ある頼み事をする。「昔、私は草原でひとりの赤ん坊を発見し、それを村人に託して育ててもらった。その子どもを王宮につれてきて、兄弟のように扱ってやってほしい」。アルフォンソはベルムードの頼みを引き受け、サルダーニャ伯ドン・サンチョに命じてその子どもを探しに行かせる。

 

 フロール村で、ヌーニョとシルベリオがニーセをめぐって決闘しようとしていた時、サンチョが現れる。ベルムードが昔草原で発見した赤ん坊とはヌーニョのことであった。サンチョは事情を説明し、ヌーニョを王宮へつれていく。ニーセはヌーニョとの別れを悲しむ。

 

 アルフォンソはヌーニョに会い、彼を騎士にするために、モーロ人との戦いで手柄を立てることを命じる。ヌーニョはそれに従う。

 

 王宮の人々は「ヌーニョはおそらく先王ベルムードの息子なのだろう。そしてアルフォンソ王は彼を従妹のドニャ・ブランカと結婚させるつもりなのだろう」と噂していた。ヌーニョを見たブランカは、彼を粗野で無礼な男だと感じ、軽蔑する。

 

 その後、ヌーニョはモーロ人との戦いで手柄を立て、アルフォンソの最も重要な側近となる。初めはヌーニョを軽蔑していたブランカも、彼に恋心を抱くようになる。廷臣のドン・アリアストリスタンはヌーニョに嫉妬し、偽の手紙を作って彼を失脚させようと企む。

 

 フロール村に、ヌーニョとブランカが結婚するという噂が流れる。心配したニーセは王宮へ行き、ヌーニョに会う。ヌーニョは「ぼくはまだきみを愛しているし、国王はぼくが望まない相手と無理に結婚させたりはしないだろう」と言って彼女を安心させる。二人が抱き合っているところへブランカが現れる。ヌーニョとニーセは自分たちが愛し合っていることをブランカに伝えるが、ブランカは立腹する。

 

 アリアスとトリスタンは、偽の手紙をアルフォンソに見せ、オルドーニョという偽の証人を立てて、ヌーニョがモーロ人と通じていると訴える。アルフォンソに呼び出されたヌーニョは、それが彼らの妬みからのはかりごとであると訴える。アルフォンソはヌーニョとオルドーニョをともに投獄するよう命じる。オルドーニョが口を割ることを恐れたアリアスとトリスタンは、オルドーニョを殺そうと決意する。

 

 オルドーニョは牢へ運ばれる途中で刺客に襲われ、「私よりも、その裏切り者(ヌーニョ)を殺せ」と言い残して死ぬ。その知らせをきいたアルフォンソはヌーニョの有罪を確信し、アリアスに彼の処罰について相談する。アリアスは「彼はおそらく先王ベルムードの息子なので、殺すのは得策ではありません」と助言する。ヌーニョに恨みを抱くブランカは、彼を辱めるため村人の服を着せてフロール村へ帰すのが良いと提案し、アルフォンソはそれに同意する。

 

 その時、修道院で死の床にいるアルフォンソの叔母のレオノールから手紙が届く。手紙には「私には、昔カスティーリャ伯爵との間にひそかにもうけた娘がいる。彼女はイネス(Inés)という名だが、アナグラムのニーセ(Nise)に名を変え、フロール村の村人によって育てられている」という内容が書かれていた。

 

 騎士の位を剝奪されたヌーニョは、村人の服を着てフロール村へ戻る。シルベリオが「ヌーニョはブランカと結婚した」と嘘を言ってニーセに接近しようとしているのを見たヌーニョは、怒って彼を追いかける。

 

 サンチョがニーセの前に現れる。彼はニーセが国王の従妹であることを伝える。ヌーニョが騎士の位を剥奪されたことを知らないニーセは、これで自分がヌーニョとつりあう身分になれると喜び、王宮へ行くことを承知する。

 

 ニーセが去った後で、彼女が国王の従妹であることを知らされたヌーニョは、彼女を追って王宮へ向かう。

 

 その後、王宮にいたブランカは、ひとりの女性への恋をめぐってアリアスとトリスタンが争っているのを見る。ブランカは、二人が自分のために争っているのだと思って仲裁しようとする。しかし実際は彼らはイネス(ニーセ)をめぐって争っていたのだった。ブランカは不機嫌になる。

 

 アリアスとトリスタンはともに、イネス(ニーセ)を妻にしたいとアルフォンソに願い出るが、アルフォンソは二人に、しばらく待つようにと命じる。

 

 サンチョはアルフォンソの妹のドニャ・ヒメナに求婚しているが、彼もまたアルフォンソに待つようにと命じられ、苦悩する。

 

 ヌーニョは友人の村人バートをつれて王宮に到着する。王宮の中庭では、誰がイネス(ニーセ)の求婚者となるかをめぐって男性たちが争っていた。仲裁に入ったカスティーリャ伯の大使フェルナン・ヌニェスは、それぞれの男性の名前を紙に書き、第三者の手でその中から一つを引かせて選ばせようと提案する。男性たちは賛成し、たまたまそばにいた村人(ヌーニョ)をつかまえて、彼に紙を引かせることにする。

 

 ヌーニョは、彼らがニーセに求婚しようとしているのだと知り、自分こそが彼女の愛を得るのにふさわしい人間だと主張する。そこへ国王アルフォンソが現れ、追放命令に背いて王宮へやってきたヌーニョを捕える。バートも一緒に捕えられる。

 

 アルフォンソは、イネス(ニーセ)をアリアスと結婚させると宣言する。それに嫉妬したトリスタンは、アリアスがかつてヌーニョを失脚させたことをアルフォンソに暴露する。アルフォンソはアリアスにそれを問いただす。アリアスはトリスタンがそれをやったのだと言う。結局、アリアスとトリスタンはともに有罪となり、ヌーニョは無罪であることが証明される。

 

 その後、メンドという羊飼いが王宮へやってくる。メンドは「ヌーニョは、かつてフロール村に隠棲していた貴族の女性と、アルフォンソ王の父フルエラとの間に生まれた子どもです。その女性は、自分の名誉が傷つくことを恐れ、赤ん坊を茂みに置き去りにしました。それを、フルエラの弟のベルムードが発見したのです」と告白し、証拠としてフルエラ王がその女性に贈った指輪を提出する。

 

 自分とヌーニョが異母兄弟であることを知ったアルフォンソは、ヌーニョを牢から出し、彼の身分を回復させ、イネス(ニーセ)と結婚させる。

 

 フェルナン・ヌニェスは、カスティーリャ伯がブランカに求婚していることをアルフォンソに伝える。アルフォンソは二人の結婚を認める。

 

 アルフォンソは、ヌーニョとイネス(ニーセ)がレオンの草原(プラド)で発見されたことにちなみ、彼らの子孫に「プラド」という姓を与えることを宣言する。バートとメンドに褒美として土地が与えられ、イネス(ニーセ)のとりなしでアリアスとトリスタンに恩赦が与えられて幕となる。