Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ドン・ゴンサロ・デ・コルドバの新たな勝利(Nueva victoria de don Gonzalo de Córdoba, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1622年

種類:歴史劇

補足:ゴンサロ・デ・コルドバ・イ・カルドナ(Gonzalo de Córdoba y Cardona)率いるスペイン軍がプロテスタントの軍に勝利した1622年のフルーリュスの戦いを描いたもの。ゴンサロ・デ・コルドバ・イ・カルドナは、グラン・カピタン(大総帥)と呼ばれた軍人ゴンサロ・フェルナンデス・デ・コルドバの子孫にあたる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 マドリードからナポリへやってきたドン・フアン・ラミレスは、同地に駐留していたスペイン軍に加わる。彼はリサルダという女性に会い、たちまち恋に落ちるが、数日後には司令官ゴンサロ・デ・コルドバとともに軍がナポリを出発することを知らされる。

 

 別れを嘆くリサルダに、フアンは自分の騎士としての義務を説き、再会する時まで自分を思い続けていてほしいと頼む。

 

 しかし、フアンと彼の従者ベルナベが去った直後、リサルダの侍女フルヘンシアは、隣に住む軍人メドラーノとリサルダとの仲を取り持とうとする。初めはそれを拒んでいたリサルダであるが、結局は軽い気持ちでメドラーノと会うことを受け入れる。

 

 フアンはリサルダの貞節に疑念を抱き始め、ひそかにベルナベとともにナポリへ引き返す。フアンは川辺でリサルダとメドラーノが食事を楽しんでいるところを目撃し、怒りを爆発させる。

 

 プロテスタントの軍を率いるマンスフェルト(エルンスト・フォン・マンスフェルト)とオルスタド司教(実際はハルバーシュタット司教。クリスティアンフォン・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテルのこと)は、かつて自分たちを敗走させたゴンサロ・デ・コルドバへの復讐心をつのらせ、大軍を形成する。

 

 ロレーヌ公ティリー男爵、ゴンサロらによるカトリック連合軍は、マンスフェルトとオルスタド司教のプロテスタント連合軍をフランス東部まで追跡する。フランス国王との交渉に失敗したマンスフェルトは不利な状況になる。

 

 スペイン軍はプロテスタント軍に接近したものの、威力において劣るためゴンサロは突撃を躊躇する。しかし部下のドン・フランシスコ・デ・イバーラは、即位したばかりのフェリペ4世の栄誉のため突撃すべきだと彼を説得する。ゴンサロはカトリックの信仰とスペインの名声、国王の栄誉のため突撃する決意をする。

 

 フアンとベルナベがゴンサロの軍に到着する。ゴンサロは兄のセッサ公爵からの推薦状を読み、フアンが由緒正しい家柄の若者であることを知ると、彼を旗持ちに任命する。ベルナベは気の利いた冗談を言ってゴンサロを喜ばせる。

 

 戦闘が開始されるが、フアンはリサルダへの思いから逃れられずに悩む。

 

 フランドルの女性ラウレータがマンスフェルトに会いに来る。マンスフェルト率いるプロテスタント軍は数の上でカトリック軍にまさっており、マンスフェルトはラウレータを安心させる。

 

 マンスフェルトの軍の近くにいたフアンとベルナベは、ラウレータの従者たちを攻撃する。従者たちは逃げ、ラウレータはベルナベの監視下に置かれる。ベルナベは、ラウレータからマンスフェルトの肖像画入りの首飾りを奪う。ラウレータがベルナベの身分をたずねると、彼は「セバダ(大麦)伯爵にしてアルネロス(ふるい)侯爵なり」とでたらめを言う。ラウレータはベルナベの油断に乗じて逃亡する。

 

 フランドルの農民であるブルピンサビーナは、マンスフェルトの軍が村を荒らしていくのを苦々しく思っており、スペイン軍の到着を歓迎して彼らに食事をふるまう。

 

 兵士に変装したリサルダが、メドラーノとともにスペイン軍に合流する。リサルダは愛するフアンを探し求めている。メドラーノはリサルダの気持ちを知って彼女への恋をあきらめ、リサルダをフアンの元に届けると同時に自分は戦いに身を投じようと考えていた。

 

 マンスフェルトとオルスタド司教は、ゴンサロ率いるスペイン軍の粘り強い抵抗にしびれを切らし、彼らの宿泊するブルピンの家に火をつける。逃げ遅れたリサルダを助けたのはフアンであった。

 

 フアンは、兵士に変装していたリサルダの正体に気づく。リサルダは、メドラーノと会っていたことを彼に謝罪する。フアンはリサルダと和解しそうになるが、彼女がメドラーノとともに来たことを聞いて激しく嫉妬し、態度を硬化させる。

 

 フアンは、プロテスタント側が農村に火をつけたことをゴンサロに報告する。ゴンサロは敵軍への攻撃を決意する。

 

 ラウレータはマンスフェルトに「ゴンサロの首、スペイン王家の軍旗、(ベルナベが彼女から奪った)肖像画」を持ってきてほしいと頼む。マンスフェルトは意気込んで戦場へ向かう。

 

 リサルダは、「私を愛してくれないのならゴンサロの軍に入って戦う」とフアンに宣言する。フアンは「きみがメドラーノの腕に抱かれるのを見るくらいなら、死んでくれた方がいい」と言い返す。リサルダは戦場へ行ってしまい、ベルナベはフアンを非難する。

 

 プロテスタント軍は数の上で優位であることに安心し、スペイン軍が近くに迫っているにもかかわらずぐっすり眠ってしまう。ゴンサロは兵士たちの前で熱弁をふるい、神聖ローマ皇帝フェルディナント2世を擁護するスペイン国王フェリペ4世の正当性を強調したのちに攻撃を開始する。

 

 フルーリュスの戦いが始まる。フランシスコ・デ・イバーラが戦死し、オルスタド司教は瀕死の重傷を負う。

 

 戦場でフアンと遭遇したリサルダは、致命傷を負ったふりをして助けを求める。しかしフアンは無視しようとする。二人は言い争いを始め、ベルナベがそれを茶化す。最終的にフアンはリサルダを愛していることを認め、三人はスペイン軍とともにプロテスタント軍を敗走させる。

 

 敗れたマンスフェルトはラウレータに会い、「ゴンサロの首でなく私の傷ついた首を、スペインの軍旗でなくスペイン軍に奪われた我々の軍旗を、あなたの持っていた肖像画のかわりに、気まぐれな運命の女神の肖像を持ち帰りました」と告げる。ラウレータはオルスタド司教をはじめとする犠牲者をいたみ(史実ではハルバーシュタット司教はここでは戦死していない)、マンスフェルトが生きて戻ってきたことを喜ぶ。

 

 スペイン軍はブリュッセルに凱旋し、大公妃イサベル・クララ・エウヘニアに歓迎される。ゴンサロは敵軍から奪った軍旗をイサベルに贈る。イサベルがゴンサロの栄誉をたたえて幕となる。

 

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