Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

トレドの夜(Noche toledana, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1605年

種類:都会的な同時代劇

補足:トレドが舞台となる。国王フェリペ3世の息子(後のフェリペ4世)の誕生に言及する箇所がある。2013年に国立古典劇団(Compañía Nacional de Teatro Clásico)によって上演されている。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 騎士フロレンシオは、リセーナという女性をめぐってトラブルに巻き込まれ、友人のベルトラン、従者のフリオとともにグラナダから逃亡してトレドへやってくる。トレドではその頃、皇太子の誕生を記念する祝祭が催されていた。フロレンシオ、ベルトラン、フリオは皆で同じ宿屋へ泊ることにする。

 

 トレドの街へ出たフロレンシオとベルトランは、マドリードから来たヘラルダルクレシアに出会う。彼女たちはイリェスカスの親戚の家へ行く途中に、トレドへ立ち寄ったところである。ヘラルダはマドリードにいたとき、フィネオという青年から求愛されていたが、彼に気づかれないようにトレドで祝祭を楽しみたいと考えている。

 

 フロレンシオはヘラルダに魅かれ、「ぼくの泊まっている宿屋のバルコニーに来て祝祭を楽しんではどうか」と彼女を誘う。ヘラルダは自分がフロレンシオの妹ということにして、ルクレシアとともにその宿屋へ泊ることにする。

 

 リセーナは、フロレンシオがマドリードへ行ったのだろうと推測し、グラナダから彼を追いかけてくる。トレドに到着したリセーナは偶然にも彼と同じ宿屋へ行く。リセーナは農家の娘に変装してイネスと名乗り、宿屋で皿洗いの娘として働くことになる。

 

 フリオは宿の主人に「私の主人(フロレンシオ)が妹と従妹に出会ったので、皆で一緒に闘牛を見物したい。バルコニーのある部屋を用意してほしい」と頼む。その後、軍人のアセベドカリーリョ、騎士のルシンドリセーロなどが続々とやってくる。ルシンドとリセーロは、ヘラルダとルクレシアを口説こうと企んでいる。

 

 宿泊客たちは食堂で夕食を取る。フロレンシオとベルトランが宿に戻ってくる。イネス(リセーナ)はフロレンシオに水を運ぶ。二人は互いに相手が誰であるか気づくが、他の宿泊客たちの目を気にして素知らぬ振りをする。イネス(リセーナ)はフロレンシオが自分を捨て、ヘラルダを口説こうとしていることを知って嘆く。

 

 ルシンドはヘラルダに恋し、アセベドとカリーリョはイネス(リセーナ)に恋をする。イネス(リセーナ)は宿泊客たちの恋心を手玉に取ろうと企む。

 

 イネス(リセーナ)はヘラルダを嫉妬させようと考え、「あなたのお兄様と私は逢引の約束を交わしました」と彼女に嘘を言う。ヘラルダは嫉妬するが、フロレンシオは「彼女の言うお兄様というのは、ベルトランのことだったのだ」とごまかして彼女をなだめる。

 

 ベルトランはイネス(リセーナ)に、「フロレンシオがきみのことを忘れようとしたのは、グラナダできみをめぐって別の男とトラブルをおこしてしまったからだ」と説明する。

 

 フィネオが宿屋に到着する。偶然にも彼はアセベドとカリーリョの知人であった。フィネオは彼らに「マドリードから恋人を追ってきた」と話す。アセベドとカリーリョは彼の恋わずらいに同情し、トレドで気晴らしをするよう忠告する。

 

 フィネオはヘラルダに執着しながらも、イネス(リセーナ)に出会うと彼女にも欲望を抱く。

 

 イネス(リセーナ)はアセベドとカリーリョに、その夜、自分の部屋へ来るようにと招く。その後、フィネオが宿に来ていることを知ったヘラルダが心配してイネス(リセーナ)に相談する。イネス(リセーナ)はヘラルダとルクレシアに、別の部屋へ移動することを勧める。

 

 イネス(リセーナ)はルシンドとリセーロに、「今晩、マドリードから来た二人の娘さんたちとお楽しみになれますよ」とそそのかす。さらに彼女は、フィネオが自分に欲望を抱いていることを見抜き、彼を自分の部屋に誘う。

 

 大審問院から通告を受けたトレドの役人が、グラナダから逃亡したフロレンシオを捜索する。そのことを知ったフロレンシオは、役人の目からかくまってほしいと宿屋の主人に頼む。主人はフロレンシオとベルトランを、脱出用の窓がある部屋へ移す。その部屋とは偶然にも、ヘラルダとルクレシアがいる部屋であった。

 

 イネス(リセーナ)は計画が狂ったことを嘆く。しかし彼女はアセベドに、「役人のふりをしてほしい」と頼む。彼女に恋しているアセベドは承知する。 

 

 フロレンシオとベルトランは、主人に案内された部屋にヘラルダとルクレシアがいるのを見て喜ぶ。しかしその直後、アセベドが役人のふりをして扉をノックする。フロレンシオとベルトランは驚き、窓から脱出する。

 

 フィネオ、アセベド、カリーリョはイネス(リセーナ)を探し求め、ルシンドとリセーロはヘラルダとルクレシアを探し求める。イネス(リセーナ)は混乱を生じさせるために「火事だ!」と大声で叫ぶ。宿屋の主人が駆け付け、宿泊客たちは散り散りに逃げる。

 

 宿屋から脱出したフロレンシオとベルトランは、彼らを泥棒と勘違いした警吏たちによって捕まってしまう。

 

 イネス(リセーナ)はヘラルダとルクレシアに「フロレンシオとベルトランが待っている」と嘘を言って、それぞれ別の薄暗い部屋の中へ案内する。

 

 フロレンシオとベルトランは、なんとか警吏から逃げ出して宿屋へ戻ってくる。イネス(リセーナ)は「ヘラルダとルクレシアが心配して待っている」と言って彼らをそれぞれ別の薄暗い部屋へ案内する。

 

 役人たちが夜更けに宿屋へやってきて、宿泊客たちをすべて起こすようにと主人に命令する。

 

 最初の部屋からは、アセベドとカリーリョが出てくる。二人はそれぞれ、相手がイネス(リセーナ)だと思い込んでいた。

 

 次の部屋からは、ルシンドとルクレシアが出てくる。ルシンドはヘラルダと一緒だと思い込み、ルクレシアはベルトランと一緒だと思い込んでいた。

 

 三つ目の部屋からは、フィネオとヘラルダが出てくる。フィネオはイネス(リセーナ)と一緒だと思い込み、ヘラルダはフロレンシオと一緒だと思い込んでいた。

 

 四つ目の部屋からは、ベルトランとリセーロが抱き合った状態で出てくる。二人とも、ルクレシアと一緒にいると思い込んでいた。

 

 最後の部屋からは、フロレンシオとイネス(リセーナ)が出てくる。フロレンシオはヘラルダと一緒だと思い込んでいた。

 

 イネス(リセーナ)は正体を明かし、フロレンシオを追ってトレドへやってきたこと、この騒動を起こしたのは自分であることを告白する。役人たちは、「投獄されたくなければ、それぞれの男女は愛を誓うように」と要求する。ルシンドとルクレシア、フィネオとヘラルダ、フロレンシオとリセーナが結ばれて幕となる。


La noche toledana - CNTC - (2013)