Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

賢者の愚かさ(Necedad del discreto, la)

ロペへの帰属:ほぼ確実

執筆年代:不明

種類:架空の宮廷劇

補足:イタリアのフェラーラが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  騎士のラウレアーノと彼の秘書セリオは、ともにボローニャ大学出身の秀才である。彼らは夜のボローニャの街にくり出し、バルコニーにいる女性たちを口説く。

 

 ラウレアーノは恋愛において気まぐれで、熱しやすく冷めやすい性格である。女性たちはみな彼に魅了されるが、彼はすぐに相手に興味を失ってしまう。

 

 フェラーラ公国の公爵は、ラウレアーノが優秀な人物であるという評判を聞き、彼をフェラーラの行政官に任命しようと考える。ラウレアーノは公爵の招きに応じ、ボローニャの人々に別れを告げる。

 

 ラウレアーノは、恋人のコンスタンシアに別れを告げる。しかしコンスタンシアは、ラウレアーノのいないところでひそかにセリオに愛を告白し、彼にフェラーラへ行かないでほしいと懇願する。セリオは驚き、コンスタンシアの求愛を拒む。コンスタンシアはそれを見て、自分は冗談を言ったのだとごまかす。従者たちは、女性の心は変わりやすいものだと語り合う。

 

 フェラーラの騎士リサルドは、従者のオタービオをつれて夜の街にくり出し、公爵の姪のファビアを口説く。しかしファビアは全くリサルドを相手にしない。

 

 翌日、ラウレアーノとセリオがフェラーラに到着する。セリオはフェラーラ公爵に「ラウレアーノ様の唯一の欠点は、惚れっぽいことです」と話す。それを聞いた公爵は、ラウレアーノとファビアを結婚させようと考える。

 

 ラウレアーノはファビアを見て、たちまち彼女に魅了されてしまう。セリオは彼に、コンスタンシアの心変わりについて語る。ラウレアーノは「すべての女は移り気だ」と断言しながらも、ファビアとの結婚を喜ぶ。

 

 しかし、ファビアと結婚してもラウレアーノは夜の外出を繰り返し、そのことはフェラーラの街に知れ渡ってしまう。リサルドもその噂を耳にする。

 

 一方でラウレアーノは嫉妬深い夫であり、妻のファビアが貞淑であるかどうかを見極めようとする。彼はセリオに、わざとファビアを口説くように命令する。

 

 セリオは、そのようなことをするのは良い考えではないと主張するが、ラウレアーノは聞き入れない。セリオは仕方なく、ファビアにラウレアーノの夜遊びのことを教え、自分を愛人として受け入れてもらおうとする。

 

 しかし誠実な妻であるファビアはセリオを拒絶し、すぐにラウレアーノの夜遊びを調査する。ファビアの侍女は、ラウレアーノの従者モンヒルから、ラウレアーノの行動を聞き出す。

 

 ラウレアーノは、自分で自分の首を絞めることになるとも気づかず、もっとファビアを口説くようセリオに促す。セリオは仕方なく、再びファビアを口説くが、ファビアはラウレアーノにセリオを裏切り者として追い出すよう要求する。

 

 ファビアはまた、夜遊びのことが公爵の耳に入ればラウレアーノもただではすまないことを彼に警告する。しかしラウレアーノは全く意に介さず、今度はセリオに、ファビア宛の恋文を書くよう命令する。

 

 ファビアは、かつて自分に求愛したリサルドに、「私には、殺したい人間(セリオ)がいる。今夜、私の家のバルコニーに来てくれたら、その人間の名前を教える」と伝える。リサルドは、ファビアが夫を殺そうとしているのだろうと思い、自分に害が及ぶのを恐れて公爵に庇護を求める。

 

  セリオはファビアを本気で愛するようになり、その夜、彼女のバルコニーの前に行って恋文を渡そうとする。そこへ、モンヒルがファビアの侍女に求愛しに来る。二人は互いを恋敵と勘違いして対立するが、最終的に誤解は解ける。

 

 ファビアが、セリオの名前を書いた紙を持って現れる。彼女は暗がりの中でそれをリサルドに渡したつもりで、誤ってセリオ本人に渡してしまう。その結果、セリオはファビアに殺される運命を免れる。

 

 リサルドもその場に現れ、モンヒルと鉢合わせをする。モンヒルは罰せられることを恐れ、自分は公爵の秘書ポリビオだと嘘を言う。リサルドはそれを信じる。

 

 翌朝、フェラーラ公爵はラウレアーノを呼び出し、夜遊びを繰り返してファビアの名誉を傷つけたことを咎めて、彼にフェラーラから出ていくよう命じる。ラウレアーノは後悔し、自分の行いを恥じる。

 

 そこへリサルドが現れ、公爵に「悪いのは秘書のポリビオです。彼はファビア様と不義密通をしていました」と報告する。公爵はポリビオを呼び出して質問するが、ポリビオはそのような事実はないと否定する。

 

 セリオは、ファビアが自分を殺そうとしていたと知り、彼女に仕返しをしようとする。彼はラウレアーノに「ファビア様は、かつての恋人リサルドを使ってあなたを殺そうとしていました」と嘘を言う。ラウレアーノは、ますます疑心暗鬼に陥る。

 

 さらにセリオは、ファビアを説得して共にラウレアーノを殺そうと考える。しかしファビアは彼を拒否し、ラウレアーノとの和解を望む。

 

 ラウレアーノは公爵に、ファビアとリサルドが自分を殺そうとしていると報告する。公爵はリサルドやポリビオを尋問するが、要領を得ない結果に終わる。公爵はラウレアーノを信用できなくなり、彼がファビアとの間に子どもを作らず、自分だけで公国を治めようと企んでいるのではないかと考える。

 

 公爵はラウレアーノを捕え、フェラーラの統治をセリオに委ねる。その後、賢者と呼ばれたラウレアーノの裁判が行われる。彼は結局のところあまり賢明ではなかったことが証人たちの言葉によって明らかになる。公爵はラウレアーノの処刑を命じ、ラウレアーノは正気を失って泣き叫ぶ。セリオの弁護によってラウレアーノは処刑を免れ、精神病院で治療を受けることになる。セリオが公爵の姪のカミーラと結ばれて幕となる。