Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ダンスの先生(Maestro de danzar, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1594年

種類:都会的な同時代劇

補足:初期の作品。スペインのトゥデラが舞台となる。2006年にテアトロ・デフォンド劇団によって上演されている。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  トゥデラで、フェリシアーナテバーノの結婚式が行われる。レリンから来た騎士のアルデマーロは、フェリシアーナの妹フロレーラの美しさに目を奪われ、彼女に恋をする。

 

 アルデマーロの従兄弟のリカレードは、結婚式の祝宴の様子をアルデマーロに報告し、バンダリーノという騎士がフロレーラに求愛していたと話す。アルデマーロはフロレーラに恋したことをリカレードに告白し、彼女と結ばれるまではトゥデラを去るつもりはないと宣言する。

 

 しかしアルデマーロはフランドルの戦役から帰還したばかりで、何の肩書も持っていない。いっぽうフロレーラは裕福で高貴な家の娘である。リカレードはアルデマーロにフロレーラをあきらめるよう諭すが、アルデマーロはダンスの教師としてフロレーラの家に雇われようと考える。

 

 フェリシアーナとフロレーラの父アルベリーゴは、宴会の際に娘たちがダンスを踊れなかったことを嘆く。従者のコルネーホが、ダンスの教師としてアルデマーロをつれてくる。アルデマーロはダンスの知識と腕前を披露し、アルベリーゴとその娘たちを喜ばせる。

 

 アルデマーロはアルベルトと名乗り、フェリシアーナとフロレーラのダンス教師となる。そこへバンダリーノが現れ、アルベルト(アルデマーロ)に「フロレーラ宛ての恋文を、彼女のハサミ入れの中に置いておいた」と話す。アルベルト(アルデマーロ)は自分の恋心を隠し、バンダリーノの恋を手助けしようと申し出る。バンダリーノはフロレーラ宛てのあらたな恋文をアルベルト(アルデマーロ)に渡す。

 

 フロレーラはハサミ入れの中に入っていたバンダリーノの恋文を見つける。恋文には「今夜あなたと話をしたい。バルコニーに出てきてください」と書かれていた。しかし彼女は姉のフェリシアーナに「彼よりもダンス教師の方が好き」と打ち明ける。

 

 すでにテバーノの妻となっているフェリシアーナであるが、望んだ結婚ではなかったため、まだ恋愛を楽しみたい気持ちがある。フェリシアーナは、自分が妹になりすましてバルコニーに行き、バンダリーノをからかってやろうと考える。

 

 その夜、バルコニーにフェリシアーナが出向くと、彼女をフロレーラだと思ったバンダリーノは「ダンス教師を介して、あなたに次の恋文を渡します」と伝える。フェリシアーナは承知する。アルデマーロは物陰に隠れて二人の会話を聞き、フロレーラがバンダリーノの求愛を受け入れたのだと思って落胆する。

 

 翌日、アルベルト(アルデマーロ)はフロレーラに「誰かが私より先にあなたにダンスを教えてしまった」と悲し気な表情で告げる。不思議がるフロレーラに彼は、前日の夜にバルコニーで目撃したことを伝える。アルベルト(アルデマーロ)は音楽の比喩を使って、自分の恋心をフロレーラにほのめかす。フロレーラは彼の本心を察し、自分も彼に恋していることを打ち明ける。

 

 二人が喜び合っているところへ、アルベリーゴ、テバーノ、フェリシアーナが現れる。アルベルト(アルデマーロ)とフロレーラは、仲を怪しまれないようにダンスを踊っているふりをする。フロレーラは音楽の比喩を使って、バルコニーでバンダリーノと話していたのは姉であることをアルベルト(アルデマーロ)に教える。

 

 フェリシアーナは夫と父親を遠ざけてから、アルベルト(アルデマーロ)に近づき、バンダリーノからの恋文を受け取る。

 

 フェリシアーナは、フロレーラの代わりにバンダリーノへの返事を書き、アルベルト(アルデマーロ)はそれを彼に届ける。手紙には「私と婚約してほしい。今夜、庭園へ来てください」と書かれていた。バンダリーノは有頂天になる。

 

 アルデマーロがトゥデラに長居していることを知った彼の父は怒り、従者のアンドロニオをトゥデラに行かせる。リカレードはアンドロニオをつれてアルベリーゴの家に行き、アルデマーロを説得しようとするが、アルデマーロは彼らを無視する。リカレードは怒って去る。

 

 フロレーラの侍女リセーナは、「フェリシアーナ様は、あなたのふりをして今夜、バンダリーノと逢引をするつもりです」と警告する。既婚者である姉の愚かな振舞いは自分自身の不名誉にもなると恐れたフロレーラは、姉の計画を阻止しようと決心する。

 

 アルベルト(アルデマーロ)がバンダリーノからの手紙を持ってくると、フロレーラはそれを破り捨て、彼に「あなたは私の婚約者として、私の名誉を守ってほしい」と頼む。アルベルト(アルデマーロ)は彼女に自分の身分を打ち明け、協力を約束する。

 

 アルデマーロは、「バンダリーノの手紙を偽造してフェリシアーナに渡そう」と提案する。フロレーラは承知する。

 

 しかし、フロレーラが破り捨てた手紙をテバーノが発見し、紙片をつなぎ合わせて内容を知ってしまう。ただし、バンダリーノと逢引を約束したのがフェリシアーナなのかフロレーラなのか分からない。テバーノはそれを確かめるために、自らその夜庭園へ行こうと考える。

 

 アルデマーロとフロレーラが抱き合っていると、フェリシアーナが突然現れる。二人は再び、ダンスの練習をしているふりをする。フロレーラはフェリシアーナに、偽造した手紙を渡す。手紙には「バルコニーの下であなたに会いたい」と書かれていた。フェリシアーナは、バルコニーの下ではフロレーラに化けることができないのでがっかりする。

 

 夜、庭園にやってきたバンダリーノは、フロレーラから「あなたからの手紙のことなど私は何も知らない。きっとあなたは誰かにだまされたのだ」と告げられる。バンダリーノはがっかりして帰っていく。彼らの会話を聞いたテバーノは、妻と義妹はどちらもふしだらな女性ではなかったと思い安心する。

 

 翌日、フェリシアーナはバンダリーノに、前日自分が受け取った手紙を見せる。バンダリーノは、「それは自分が書いたものではない」と告げる。二人はアルベルト(アルデマーロ)にだまされたことを知る。フェリシアーナは、フロレーラが自分に嫉妬してこれを計画したのだと推測する。

 

 フェリシアーナはだまされた腹いせに、今度は自分がバンダリーノと協力してフロレーラをだましてやろうと考える。

 

 フェリシアーナはコルネーホに、アルベルト(アルデマーロ)の枕の下に宝石を隠してくるよう命じる。それはアルベルト(アルデマーロ)に泥棒のぬれぎぬを着せて、家から追い出すためであった。

 

 従者たちが、フェリシアーナの宝石が盗まれたと騒ぎだす。皆は泥棒を探すため、庭園へ出る。そこにバンダリーノが現れ、フロレーラと婚約をしたと言って偽造した結婚誓約書を皆に見せる。

 

 フロレーラは姉の策略に陥ったことに気づくが、真実を言えば姉にとって不名誉になると考え、父に「二人だけで話がしたい」と言ってその場を離れる。そこへリセーナが、アルベルト(アルデマーロ)の枕の下から宝石が出てきたと報告する。

 

 バンダリーノとフロレーラの婚約にショックを受けたアルデマーロは絶望し、彼を泥棒扱いする皆の非難を黙って受け入れる。アルデマーロの従者ベラルドは、この状況から主人を救い出すため、リカレードに助けを求めに行く。

 

 アルベリーゴは怒ってアルベルト(アルデマーロ)を捕える。フロレーラは父親に、彼が無実であること、自分はバンダリーノではなく彼を愛していること、宝石泥棒はフェリシアーナが彼に着せたぬれぎぬであることを訴える。

 

 フロレーラは、姉の名誉を傷つけずにアルデマーロを救うため、一計を案じる。彼女の計画を聞いたアルベリーゴもそれに協力する。

 

 アルベリーゴはバンダリーノに「フロレーラはアルベルト(アルデマーロ)と駆け落ちをしようとたくらんでいた。その準備のため彼女が姉の宝石を盗んだのだ。二人は今夜、家から脱出するつもりだった。しかし今、フロレーラは気が変わり、きみとの結婚を望んでいる」と嘘を言う。バンダリーノは立腹して誓約書を破り、フロレーラとの結婚を拒否する。

 

 リカレード、アンドロニオ、ベラルドは、仮面をつけてアルベリーゴの家に忍び込み、アルデマーロを助けようとする。テバーノは剣を持って彼らを追いかける。アルベリーゴはアルデマーロが無実であることを告げ、彼を制止する。アルベリーゴはフロレーラとアルデマーロとの結婚を許す。フェリシアーナはバンダリーノをあきらめて夫とよりを戻し、ベラルドとリセーナが結ばれて幕となる。

 


EL MAESTRO DE DANZAR, TRAILER