Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

定められたこと(Lo que está determinado)

ロペへの帰属:ほぼ確実

執筆年代:1613?-1619?年

種類:架空の宮廷劇

補足:ドイツのクレーヴェが舞台となる

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  ドイツのクレーヴェに住む農夫カルロスは、羊飼いの娘ロサウラに恋をしている。ある日、森の中で獰猛な猪を仕留めたカルロスは仲間たちから賞賛され、「牧人たちの王」と名付けられる。

 

 農夫や羊飼いたちはカルロスを囲んで祝宴を開く。しかしロサウラはカルロスを軽蔑し、無視しようとする。カルロスはロサウラの態度を見て、フェニーサを王妃に選ぶ。ロサウラはそれを見て嫉妬する。

 

 祝宴では闘牛が行なわれる予定になっていたが、牛に襲われたティンブレオは身を守るため牛を殺してしまう。カルロスは牛の代金を払うまでティンブレオを捕えておくよう命じ、ティンブレオはカルロスの態度に不満を持つ。

 

 ドイツの皇帝エンリケは獰猛な猪の噂を聞き、ロドルフォ伯爵とともに森へ狩りに出かける。しかし彼らは、すでにカルロスが猪を仕留めたということを知らされる。そのとき伯爵は、かつて皇帝が自分の孫を殺してくるようにと彼に命じた場所がその森であったことを思い出す。「皇帝の娘レオノーラが産んだ赤ん坊はいずれ皇帝の位を脅かすであろう」という占星術師の予言を恐れた皇帝は、その赤ん坊を殺すよう彼に命じた。しかし伯爵は赤ん坊を不憫に思い、殺さずに羊飼いに養育させたのであった。

 

 ティンブレオに出会った皇帝と伯爵は、カルロスが農夫たちから王と呼ばれていることを聞き、彼らの祝宴が行なわれている場所へ行く。農夫や羊飼いたちは皇帝に謝罪する。カルロスを見た皇帝は、彼が娘のレオノーラそっくりであることに驚き、カルロスを宮廷へつれて帰る。

 

 ロサウラは森を出て、カルロスに会いに行く。彼女はカルロスが優美な若者になっているのを見て驚く。ロサウラはカルロスに愛情を抱いているにもかかわらず、彼を馬鹿にした態度を取り、彼からもらった贈物をつき返してしまう。

 

 皇帝は、かつて自分の孫を殺すようにと伯爵に命じた際、伯爵がそれに従わなかったことへの罰として、ひそかに伯爵の息子を殺し、その肉を料理して伯爵の食卓に出させる。伯爵は皇帝の残忍な仕打ちを恨む。

 

 伯爵はカルロスに、自分に起きた出来事を話す。彼はカルロスが皇帝の孫であることを明かし、皇帝はなおもカルロスを亡きものにしようとしている可能性があると告げる。

 

 皇帝の娘レオノーラはハンガリー国王ラディスラオのもとへ嫁いでいた。皇帝はカルロスに、ハンガリーへ大使として赴くよう命じる。カルロスは承知し、ハンガリーへ向かう。

 

 皇帝はカルロスがハンガリーへ到着する前にラディスラオとレオノーラに手紙を送り、「そちらへ大使として行かせた男は裏切り者なので、到着したらただちに殺すように」と命じる。

 

 しかし、カルロスに対面したラディスラオとレオノーラは、深い親愛の情を覚え、殺すことをためらう。カルロスは自分が彼らの息子であることを打ち明けようとするが、その前にラディスラオから部屋へ下がるようにと言い渡される。

 

 翌日、ラディスラオは意を決してカルロスを殺そうと試みる。そのとき、男装したロサウラが使者のふりをして介入し、カルロスを助ける。ロサウラはラディスラオに手紙を渡す。そこには「皇帝から送られた使者は、レオノーラの息子である」と記されていた。

 

 ロサウラはカルロスに自分の正体を明かし、事情を説明する。「あなたの不在を嘆いて泣いていた時、伯爵がラディスラオに送った使者が瀕死の状態でいるところに遭遇した。彼は『ハンガリー国王へ送られた使者は、彼の息子である』と書かれた手紙を持っていた。彼が死んでしまったので、私は彼の代わりに手紙を届けることにした」

 

 ロサウラはカルロスを愛していることを、初めて素直に告白する。彼女は高貴な身分であることがわかったカルロスが彼女を受け入れないのではないかと心配するが、カルロスは彼女への変わらぬ愛を誓う。

 

 カルロスは、ラディスラオと協力して皇帝と戦う決意をする。

 

 カルロスの友人ファビオは、ロサウラが行方をくらましたことを伯爵に報告する。伯爵は、ロサウラが自分の妹であることを告白する。ロサウラは、伯爵の母とスコットランドの大使との間に生まれた庶子であった。

 

 伯爵とカルロスは互いに軍を率いて皇帝の軍と戦う。

 

 王宮に攻め込まれた皇帝は、庭師に変装して逃れようとするが見つかってしまう。皇帝は降伏し、「定められたこと」としてカルロスに全ての権力を譲ると告げる。

 

 カルロスは伯爵に感謝の言葉を述べる。伯爵はロサウラが自分の妹であることを明かす。カルロスとロサウラ、ファビオとフェニーサが結ばれて幕となる。