Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

法の執行(Ley ejecutada, la)

ロペへの帰属:議論の余地あり

執筆年代:1626-1630年

種類:架空の宮廷劇

補足:複数の著者によって書かれた可能性がある。ハンガリーが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 舞台はハンガリーオタービオ公爵は王女のリサルダに興味を持ち、王宮の庭園で彼女を待ち伏せする。彼は野心家であり、国王の座を狙っている。

 

 ルシンド伯爵も同じようにリサルダを待ち伏せする。国王はルシンドを気に入っており、彼とリサルダと結婚させようと考えている。

 

 しかしリサルダはオタービオにもルシンドにも興味を示していない。一方、フェデリーコという若者も彼女に魅力を感じている。フェデリーコは宮廷で育ったが、素性の不確かな人物である。

 

 国王は、リサルダに接近して王家の名誉を汚そうとした男性はすべて捕らえるよう命じている。しかし三人の若者は、リサルダがブランカフェデリーコの妹)をつれて早朝に庭園に現れる機会を待つ。

 

 オタービオとルシンドは鉢合わせをして、互いに言い争う。フェデリーコが現れて彼らを仲裁しようとするが、事態は悪化する。

 

 リサルダとブランカが現れる。ブランカはルシンドに好意を抱いている。

 

 ブランカの兄で庭園にしばしば出入りしているフェデリーコは、怪しまれることなく二人の女性に挨拶をする。フェデリーコはオタービオとルシンドが来ていることをリサルダに伝える。リサルダはブランカの恋を取りもってやろうと考え、ルシンドと会うと答える。フェデリーコは嫉妬する。しかしリサルダが恋しているのはフェデリーコである。

 

 宰相のファブリシオは、二つの請願書を王に渡す。一つは幽閉されている王の弟エドゥアルドからのもので、息子のフェデリーコに名誉ある地位を、娘のブランカに良き結婚相手を与えてほしいという内容である。もう一つは王女リサルダの結婚を成功させてほしいという王国全体からの請願である。

 

 フェデリーコは、リサルダからの手紙をルシンドの従者アルネストに渡す。フェデリーコの独白により、彼とブランカは表向きはスペイン人の騎士の子どもとしてファブリシオに育てられたこと、リサルダと交流するうちに彼とリサルダが恋仲になったことなどがわかる。

 

 王は、リサルダが夜に誰かと庭園で会う約束をしたことを知る。王はそれがオタービオだと思い、彼を捕えるようファブリシオに命じる。

 

 フェデリーコはアルネストを庭園へつれていく。ブランカは兄の姿を認めて彼に近づく。物陰からそれを目撃したオタービオは、ルシンドとリサルダが逢引をしているのだと勘違いする。

 

 ファブリシオがオタービオを見つけて彼を捕える。オタービオは、ルシンドとリサルダが逢引をしているとファブリシオに告げる。たまたま庭園でリサルダと話をしていたフェデリーコはファブリシオに見つかってしまう。ファブリシオはフェデリーコを見て驚き、彼を非難する。

 

 王はフェデリーコとリサルダを投獄し、処刑しようとする。エドゥアルドは牢から嘆願書を王に送るが、無駄に終わる。国の法律によれば、相手を誘惑した者が処刑され、誘惑された者は追放されることになっている。ルシンドはフェデリーコとリサルダの弁護を引き受ける。ルシンドはブランカが自分を愛していることを知り、彼女を愛するようになる。

 

 フェデリーコの従者クラリンは、牢に潜入して主人と王女に会う。フェデリーコとリサルダは、互いに恋人を助けるために死ぬ覚悟をしていると告げる。クラリンは、二人の誠実な愛情を知れば王も心を和らげるはずだと考える。

 

 王の前で裁判が行われることになり、それを知ったリサルダは、自分が渡した肖像画や手紙を返してほしいとフェデリーコにひそかに依頼する。フェデリーコは、リサルダがそれを隠すつもりなのだろうと考えてそれらを彼女に返すが、リサルダはそれらを利用して、自分がフェデリーコを誘惑したのだと王に信じ込ませる。裁判の結果、王はリサルダがフェデリーコを誘惑したのだと結論し、法を適用してリサルダの処刑とフェデリーコ、ブランカの追放を命じる。

 

 アルネストによってリサルダの処刑が告げられる。血に染まったリサルダの身体を見せられたフェデリーコは絶望し、ブランカとともに国を去る。

 

 実はリサルダの処刑はファブリシオによって偽装されていた。ファブリシオはリサルダを男装させて田舎の村へ住まわせる。

 

 ポーランドの女王イサベラハンガリーへ侵攻する。軍を統率しているのはフェデリーコである。リサルダはその噂を一人の農夫から聞く。フェデリーコとイサベラは愛し合っているという。

 

 リサルダはフェデリーコが一年足らずの間に別の女性を愛するようになるとは思えず、彼の心を確かめるため兵士となってポーランド軍に加わる。

 

 王はルシンドを後継者に任命しようとしていた。ハンガリーに攻め込んだイサベラは、幽閉されているエドゥアルドを救出しようと企む。

 

 イサベラはフェデリーコを愛しているが、フェデリーコはリサルダのことを忘れられず苦悩する。彼の前にリサルダが姿を現すが、フェデリーコはそれを幽霊だと思って怯える。リサルダは「私の喪が明けるまでは結婚しないように」と彼に告げる。

 

 イサベラはエドゥアルドを解放し、エドゥアルドと王は和解する。エドゥアルドは、フェデリーコとブランカが自分とスペイン人女性との間に生まれた子どもであり、ファブリシオに育てられたことを王に告白する。

 

 王はリサルダを死なせたことを悔やむ。そこへリサルダが現れ、正体を明かす。リサルダとフェデリーコ、イサベラとルシンド、ブランカとアルネストが結ばれて幕となる。