Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

罪なきラウラ(Inocente Laura, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1604-1608年

種類:架空の宮廷劇

補足:サンティアゴ騎士団の団員ディエゴ・ヒメネス・デ・バルガスに献呈されている。イタリアが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 リカルド伯爵は、サンタンヘル公爵ロドゥルフォの家を訪問する。リカルドはナポリの前国王の庶子であり、現国王の異母兄弟にあたる。

 

 リカルドは、ロドゥルフォの妻レオナルダに愛を告白する。しかし貞淑な妻であるレオナルダはそれをきっぱりと拒否する。リカルドはレオナルダが去ろうとするのを引きとめ、彼女の首飾りをつかむ。

 

 そこへロドゥルフォが現れる。リカルドはとっさに「私の恋する女性に奥様と同じような首飾りを送りたいと思い、よく見せていただいていたのです」と嘘をつく。

 

 レオナルダが去った後、ロドゥルフォはリカルドに「あなたが恋している女性とはいったい誰か」と執拗に追求する。リカルドは「あなたの知らない女性です」と言い張る。しかし実は、ロドゥルフォが心配していたのは自分の妻のことではなく、家臣ロベルトの妻ラウラのことであった。

 

 ロドゥルフォはリカルドに、自分がラウラにひそかに恋していることを打ち明ける。リカルドは、ロドゥルフォがラウラを手に入れるための手助けをすると約束する。

 

 その後、ロベルトは急にナポリの王宮へ行くよう命じられる。ロベルトは名誉なことだと思って喜ぶが、不安を感じたラウラは懸命に夫を引きとめる。しかし主君に忠実なロベルトは妻を振り切ってナポリへ出発する。

 

 リカルドはレオナルダに会い、「ロドゥルフォはラウラを手に入れるだけでなく、邪魔者であるロベルトとあなたを殺そうと計画している」と警告する。

 

 リカルドはナポリへ向かうロベルトを追いかけ、彼にも警告する。半信半疑のロベルトは、ロドゥルフォの家へ偵察に行く決心をする。

 

 レオナルダはラウラを家に招く。レオナルダはラウラがロドゥルフォと関係を持っているのではないかと疑う。

 

 ロドゥルフォはラウラを口説こうとするが、きっぱりとはねつけられる。リカルドはロドゥルフォに「今夜、彼女があなたの求愛に応えるようにしてみせます」と告げる。

 

 リカルドはラウラに「ロドゥルフォ様はあなたに恋し、あなたの夫と自分の妻を殺そうとしています。彼の気を静めるため、今夜はとりあえず彼の求愛を受け入れて下さい。明日になればロベルトがあなたを助けに来ます」と言う。彼を信用したラウラは、ロドゥルフォの口説き文句に応えるふりをする。その様子を隠れて見ていたレオナルダとロベルトは嫉妬に身を焦がし、それぞれの伴侶への復讐を誓う。

 

 リカルドはロベルトとレオナルダに「ナポリの国王に手紙を書き、ロドゥルフォが謀反を計画していると伝えましょう」と提案する。レオナルダは夫への復讐ができると喜ぶ。リカルドとレオナルダが親密にしている様子を見たロドゥルフォは嫉妬する。

 

 ロベルトはラウラに「ロドゥルフォ様は謀反を企んでいるので、しばらくここから離れた場所に身を隠そう」と提案する。ラウラは夫が自分の無実を信じてくれているのだと思い、それに従う。しかしロベルトは妻をひそかに殺そうと考えていた。

 

 リカルドは異母兄弟であるナポリ国王のもとに参上し、「ロドゥルフォ公爵が謀反を企てています」と告げる。しかし国王はリカルドの言葉を完全に信頼することができず、ロドゥルフォを呼び寄せて直接に真意を確かめることにする。

 

 ロベルトは山の中にラウラをつれて行き、彼女に刺し傷を負わせて去る。

 

 国王から急な呼び出しを受けたロドゥルフォは不審に思い、そのことをレオナルダに相談する。レオナルダは彼に「万一のことを考えて、ピストルを隠し持っていきなさい」と提案する。ロドゥルフォがナポリへ出発した後、レオナルダは「ロドゥルフォはあなたを暗殺するためにピストルを持って出発しました」という手紙を書いて国王に送る。

 

 羊飼いのベラルドティレーノが、重傷を負ったラウラを発見する。フィリダという女性が彼女を治療し、ラウラは一命をとりとめる。ラウラは殺されそうになったにもかかわらず、ロベルトへの愛を失わずにいる。

 

 ロベルトはナポリへ行き、国王やリカルドとともにロドゥルフォを待ち構える。ナポリに入ったロドゥルフォはものものしい警備を見て、国王が暗殺者に狙われているのではないかと推測する。そのとき国王が顔を隠して「おまえは国王を暗殺するつもりか」と彼に尋ねる。ロドゥルフォは暗殺者の正体を確かめるつもりで、わざと一味のふりをする。国王はただちにロドゥルフォを捕え、塔に幽閉する。

 

 二年後、怪我から快復したラウラは、ベラルドとともに道化師に変装し、ナポリへやって来る。ロドゥルフォの処刑は数日後に迫っていた。

 

 ラウラとベラルドは「楽しみと音楽を提供する」と言ってレオナルダの家に迎え入れられる。男装してフェニックスと名乗ったラウラは「罪なきラウラ」をテーマとした歌を歌う。レオナルダはフェニックス(ラウラ)の容貌がラウラに似ていると気づき、心をひかれて彼(彼女)を家に引き留め、よい歌声の持ち主として国王に紹介しようと申し出る。

 

 ロドゥルフォはラウラへのかなわぬ恋を嘆き、国王への謀反に関する無実を訴えながらも、刑死という自らの運命を受け入れようとする。

 

 ロベルトは国王の前でロドゥルフォを呼び、彼に謀反の意志はないこと、自分は妻を奪おうとしたことに対し彼を罰そうとしたのだということを告白する。彼はロドゥルフォの刑死を偽装し、彼を助けようと申し出る。

 

 リカルドは「ロドゥルフォが処刑された後、国王はレオナルダと結婚するつもりだ」という情報を耳にする。彼はこれまでのすべての計画が水の泡になると思い、結婚を阻止しようと決心する。

 

 レオナルダはお気に入りの道化となったフェニックス(ラウラ)に「私が国王の妻になれたら、あなたを私の秘書にしましょう」と告げる。フェニックス(ラウラ)とレオナルダは親愛の情を示して抱擁するが、その様子をリカルドに目撃される。

 

 リカルドはレオナルダに求婚するが、レオナルダはそれを拒絶する。怒ったリカルドは国王に「レオナルダがフェニックスという道化の男と抱き合っていました」と讒言する。

 

 そこへロベルトが入ってきて、ロドゥルフォの処刑が終わったことを告げる。フェニックス(ラウラ)が現れ、レオナルダからの贈物だと言って国王に歌を披露する。ロベルトは、フェニックス(ラウラ)の顔が妻にそっくりであることに驚く。しかしロベルトは国王からフェニックス(ラウラ)の処刑を命じられる。

 

 リカルドは国王に「ロドゥルフォは無実でした。すべてはレオナルダの企みです。彼女は夫を殺し、私とロベルトをだましてナポリを支配しようとしているのです」と嘘を言う。

 

 国王はレオナルダを呼び出し、彼女を非難する。レオナルダはリカルドのたくらみを見抜き「私がリカルドと話をしますから、物陰に隠れて様子を見ていてください」と国王に頼む。

 

 ロベルトはフェニックス(ラウラ)を殺すことができず、従者に処刑を命じてその場を去る。その後、ロドゥルフォがやってきてフェニックス(ラウラ)を助ける。ロドゥルフォは彼の正体がラウラであることに気づき、二人はリカルドがレオナルダを手に入れるために自分たちを陥れたのだと知る。

 

 レオナルダはリカルドを懐柔し、彼を油断させることに成功する。リカルドは「異母兄弟である国王を殺し、きみと一緒にナポリを統治するつもりだ」と告げる。隠れていた国王は姿を現し、彼を非難する。

 

 ロベルトから、フェニックス(ラウラ)の処刑を告げられたレオナルダは悲嘆する。そこへベラルドがやってきて、フェニックスの正体は二年前に山の中で重傷を負って倒れていた女性であることを告白する。ロベルトはそれを聞いて「リカルドのせいで、妻を二度までも殺してしまった」と絶望する。

 

 皆が悲しんでいるところへ、スペイン人の騎士に変装したロドゥルフォとラウラが登場する。二人はリカルドの裏切りがナポリの人々の噂になっていると非難する。国王は不幸な出来事への慰めとして、夫を失ったレオナルダと妻を失ったロベルトを結婚させると宣言する。しかしロドゥルフォとラウラは「二人は生きている」と告げて正体を明かす。

 

 ロドゥルフォとレオナルダ、ロベルトとラウラは再会を喜ぶ。リカルドは死刑を言い渡されるが、レオナルダの慈悲によって減刑され、国外追放となる。