Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

恩知らずの改悛(Ingrato arrepentido, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1598-1603年

種類:都会的な同時代劇

補足:イタリアのフィレンツェが舞台となる。男装の女性と、その女性に恋する女性が登場する。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 騎士のアルバーノは、従者のタンクレードをつれて10か月ぶりにフィレンツェに帰ってくる。

 

 彼は以前、ある女性とひそかに結婚の約束を交わしていたが、彼女の両親は彼女を別の男性と結婚させようとした。アルバーノは自分と一緒に駆け落ちすることを恋人に提案したが、恋人がそれを拒否したため、彼は腹を立てて独りでフィレンツェから別の街へ去ったのであった。

 

 フィレンツェに到着したアルバーノは友人のリサルドの家へ行き、しばらく泊めてほしいと頼む。アルバーノはリサルドに「かなわぬ恋が原因で、しばらくこの街を離れていた」と説明する。

 

 リサルドはアルバーノに「きみが不在の間にぼくは結婚した。相手は聡明で美しくて控えめな女性だ」と説明する。

 

 リサルドの妻フルヘンシアが姿を現すと、アルバーノはショックで失神してしまう。彼女こそ彼のかつての恋人だった。

 

 リサルドが驚いて医者を呼びに行っている間、意識を回復したアルバーノとフルヘンシアは、それぞれ相手が自分にした仕打ちを非難し合う。フルヘンシアは「あなたがフィレンツェから去ってしまったから、私は親の薦める結婚に従うよりほかなかった」と主張する。

 

 二人はともに相手をまだ愛していることを確認するが、フルヘンシアの名誉を守るため、過ちを犯さずひそかに精神的な愛情を持ち続けていくことを約束する。

 

 リサルドの妹レオニーダは、アルバーノを見て彼に興味を示す。フルヘンシアは嫉妬する。

 

 リサルドの家に、ローマから来たフロレーロとフェリシアーノという兄弟がやってくる。二人は「妹の名誉を汚した男を見つけ出して復讐したい」と話す。

 

 フロレーロの正体はフロレーラという女性である。アルバーノはフィレンツェを離れていた時にローマで彼女と結婚の約束をしたにもかかわらず、彼女を捨てた。フロレーラはアルバーノの子どもを妊娠しており、彼を探すために男装して、兄のフェリシアーノとともにフィレンツェにやってきたのであった。さらに、フロレーラに恋をしているオラシオという騎士も、ローマから彼女を追ってリサルドの家にやってくる。

 

 アルバーノを発見したフェリシアーノは、妹フロレーラの名誉のため彼と戦って傷を負わせ、その場から逃走する。三人の関係を知らないリサルドはフロレーロ(フロレーラ)をフェリシアーノの仲間とみなし、塔の一室に幽閉する。しかし彼はフロレーロ(フロレーラ)の正体が女性であることに勘付き、心が揺らぐ。

 

 レオニーダはフロレーロ(フロレーラ)を美しい男性と思い、恋心を抱く。フロレーロ(フロレーラ)は彼女の気持ちに応えるふりをして、アルバーノとフェリシアーノの情報を聞き出す。

 

 タンクレードがフロレーロ(フロレーラ)のもとへやってきて、アルバーノの手紙を渡す。手紙には「しばらくの間は、きみの正体を明かさないでほしい」と書いてあった。フロレーロ(フロレーラ)は、アルバーノの恋する女性がリサルドの家の中にいるに違いないと推測する。フルヘンシアはすでに結婚しているので、おそらくレオニーダが彼の愛する女性だとフロレーロ(フロレーラ)は考える。

 

 リサルドはフロレーロ(フロレーラ)の正体を確かめようとタンクレードに質問するが、タンクレードは「彼は男性です」と断言し、リサルドは自分の思い違いであったかと考える。

 

 アルバーノの傷が回復し、リサルドはフロレーロ(フロレーラ)に謝罪して塔から解放する。リサルドはアルバーノとフロレーロ(フロレーラ)を和解させようとする。アルバーノは「ローマにいたとき、ぼくが彼らの妹を弄んだことは事実だ」と認めながらも、自分の命を奪おうとしたフェリシアーノとフロレーロ(フロレーラ)を許すことはできないと主張し、フロレーロ(フロレーラ)はリサルドの家から追い出される。

 

 フロレーロ(フロレーラ)がアルバーノの仕打ちを嘆いていると、レオニーダが彼を呼び止め、自分の部屋にかくまう。

 

 オラシオはフロレーロ(フロレーラ)の正体が女性であることをリサルドに打ち明け、彼女と結婚したいと告げる。リサルドはアルバーノが彼女を家から追い出したことを伝える。

 

 リサルドとレオニーダの父親が重傷を負ったという知らせが入り、二人は急いで父親を見舞いに行く。フルヘンシアが留守宅を守っている間、レオニーダの部屋にかくまわれていたフロレーロ(フロレーラ)が急に産気づき、赤ん坊を産む。

 

  フルヘンシアはフロレーロ(フロレーラ)の正体と、彼女がこの家に来たいきさつを聞く。彼女はフロレーラとその子どもの世話をしてやり、フロレーラは彼女に感謝する。何も知らないアルバーノは、フルヘンシアの気を引くためにレオニーダに偽の恋文を書くことを思いつく。

 

 アルバーノの書いた手紙を発見したフルヘンシアは怒り、アルバーノがフロレーラを弄び、妊娠させたことを話して彼を非難する。

 

 男装してアルバーノの従者のあとを追跡していたフロレーラは、オラシオとフェリシアーノに発見される。フロレーラがまだアルバーノを愛していることを知ったオラシオは彼女との結婚をあきらめ、彼女の名誉のためにアルバーノと彼女を結婚させようと考える。

 

 帰宅したレオニーダと話をして、アルバーノが彼女に書いた恋文が偽物だったことを知ったフルヘンシアはアルバーノに愛想を尽かし、フロレーラが産んだ赤ん坊をアルバーノに押しつけて彼を家から追い出す。

 

 帰宅したリサルドは、初めはレオニーダがアルバーノとの間の赤ん坊を産んだものと誤解して妹を叱責するが、フルヘンシアの口から真実を聞かされる。アルバーノは自分の不誠実な行いを悔い、フロレーラと結婚する意思をリサルドの前で表明する。

 

 オラシオ、フェリシアーノ、男装したフロレーラ、彼らの従者がアルバーノの前に現れる。フロレーラはピストルでアルバーノを撃ち殺そうとするが、リサルドが彼女を制止し、二人を仲裁する。アルバーノとフロレーラ、オラシオとレオニーダとの結婚が宣言されて幕となる。