Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

男の約束(Hombre por su palabra, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1612-1615年

種類:架空の宮廷劇

補足:古代のマケドニア王国が舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 農家の青年フェデリーコフィネオは、二つの理由からともに兵士として戦争に参加しようと決意する。一つめの理由は世の中の役に立つためであり、二つめの理由はかなわぬ恋をあきらめるためである。

 

 フェデリーコの父アルベルトと妹のセリアは、フェデリーコが兵士に向いていないと思い、彼を引き止めようとする。

 

 マケドニア王リサンドロの娘ルシンダは、庭園を歩きながら王からの手紙を読む。王はダルマチア王国の女王アルミンダと戦争中である。

 

 フェデリーコとフィネオは兵士になるため、庭師になりすましてルシンダに近づき、彼女に力になってほしいと懇願する。ルシンダは二人の事情を尋ねる。

 

 フェデリーコは「私はかなわぬ恋の苦しみから、崖からとびおりて死のうとしました。しかしその時、誰かのかすかな歌声が聞こえてきて、心を慰められた私は自殺をと思いとどまったのです」と語る。フィネオは「私は同じ村の農家の娘と付き合っていたのですが、私が親友のフェデリーコとあまりにも長く時間を過ごしているために恋人から嫉妬されました。恋人はいくらでも作れますが、親友を作るのは難しいことです。私はフェデリーコを選び、彼についていくことにしました」と語る。ルシンダはフェデリーコの人格に高貴さを感じ、王にあてて彼らを兵士に推薦する手紙を書いてやる。

 

 マケドニア王はダルマチアに向けて何度も船を出すが、そのたびに大波が起きて上陸することができない。彼の甥アレハンドロは女王アルミンダが妖術を使っているのではないかと疑い、怯えて祖国へ帰ることを望むが王は引き返すことを拒む。

 

 フェデリーコとフィネオが王の前に現れ、ルシンダからの推薦状を見せる。王は喜んで彼らを兵士にする。フェデリーコとアレハンドロの会話から、彼らが二人ともルシンダに恋をしていることが明かされる。

 

 アルミンダは、ダルマチアの王であった兄が死んだので、王位をマケドニア王に奪われるのを防ぐために戦争をしていた。さらに、アルミンダに恋するリサルド王子(*マケドニアでもダルマチアでもない、第3の王国の王子と思われる)も、艦隊でダルマチアに攻め込んでくる。

 

 マケドニア王の軍は、リサルド王子の軍隊と衝突する。フェデリーコはリサルド王子の艦隊にひそかに火をつける役目を申し出る。王はもし成功すればフェデリーコの希望を何でもかなえると約束する。

 

 フェデリーコの計画は成功し、マケドニア軍はリサルド王子の軍とダルマチアの軍に勝利する。アルミンダは降伏し、アレハンドロと結婚することが決められる。アレハンドロに裏切られたルシンダは悲しむ。

 

 マケドニア王は兵士たちをつれてルシンダのもとを訪れ、戦勝祝いをする。フェデリーコは王に、自分との約束を守ってほしいと告げる。王がそれを承諾すると、フェデリーコはルシンダとの結婚を願い出る。

 

 アレハンドロは怒り、廷臣たちもフェデリーコを身の程知らずの無礼者と非難する。ルシンダはフェデリーコに会い、彼の向こう見ずな行動を批判する。しかしフェデリーコの真剣な愛の告白を聞いたルシンダは気持ちをやわらげ、「アレハンドロの怒りを買うとあなたの身に危険が及ぶでしょうから、結婚の話をいったん白紙に戻しなさい。あとは私に任せて」と忠告する。

 

 フェデリーコはルシンダの忠告を受け入れ、フィネオとともに軍隊を退いて農夫としての生活に戻る。二人が農作業をしているのを見た王は驚き、彼に理由を尋ねる。フェデリーコは「約束を守らない人間は、男とは言えません」と傲然と答える。

 

 フェデリーコの言葉に打撃を受けた王は、約束を守るつもりだと彼に告げて去る。アレハンドロはフェデリーコが農夫に戻ったのを見て彼に気を許し、「自分はほんとうはアルミンダと結婚するつもりはない。ルシンダとともにマケドニアを治めるつもりだ。彼女を説得する手伝いをしてほしい」ともちかける。

 

 ルシンダはフェデリーコに次第に恋心を覚え、それとなく態度で彼に気持ちを伝える。フェデリーコは期待を抱く。

 

 マケドニアに敗れたリサルド王子は、アルミンダへの求愛をあきらめない。アルミンダもリサルドを愛しているが、アレハンドロとの婚約を破棄することはできないとリサルドに告げる。アルミンダは「約束を守ることは、女性にとって特に重要だ。女性は男性よりも移り気だと思われやすいのだから」と話す。

 

 王はフェデリーコを王宮に呼び、彼との約束を守ると宣言する。王は親類を部屋に集め、自分が夢の中で農夫のフェデリーコを次の国王にするようお告げを受けたと説明する。フェデリーコが豪華な服を着て皆の前に姿を現す。皆は王の決定を受け入れるが、アレハンドロだけは納得しない。

 

 アレハンドロはアルミンダに「今後はあなたへの服従を誓うので、フェデリーコから王冠を剥奪し、ルシンダにふさわしい夫として自分が選ばれるよう協力してほしい」と懇願する。しかしアルミンダはそれを拒否する。

 

 リサルドはアレハンドロと取引をする。リサルドがアレハンドロに援軍を提供し、彼がルシンダを取り戻すのを手伝う代わりに、アレハンドロはアルミンダとの結婚をとりやめ、彼女をリサルドに返すというものである。

 

 フェデリーコの父アルベルトがフィネオとともに王宮のフェデリーコを訪問する。フィネオは、自分がフェデリーコの妹セリアと結婚したことを伝える。アルベルトは、自分の死期が迫っていることを悟り、ずっと秘密にしてきた事実をフェデリーコに告白する。アルベルトはかつて王の甥アレハンドロの養育を任せられていたが、自分の息子を王にしたいと考え、息子フェデリーコとアレハンドロをすりかえたのであった。

 

 真実が明るみになり、王はそれまでのアレハンドロの傲慢さへの懲らしめとして、フェデリーコがかつて着ていた服を身にまとい、本来の彼の身分である農夫として生活することを命令する。フェデリーコがルシンダと結婚し、リサルドがアルミンダと結婚して幕となる。