Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

獅子の息子(Hijo de los leones, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1620-1622年

種類:架空の宮廷劇

補足:エジプトのアレクサンドリアが舞台となる。ライオンに養育された主人公が登場する。サンティアゴ騎士団の騎士ドン・フアン・ヘルドレに献呈されている。舞台にライオンが登場する。女性を凌辱した男性が罰せられずにその女性と結婚するという結末はロペの戯曲としては珍しく、凌辱の結果生まれた子どもである主人公の苦難を描いている点でも異色であると言える。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 アレクサンドリアの宮廷に仕える老人のテバンドロは、全財産を投じて造った船を嵐で失ってしまう。破産した彼は、娘のフェニーサに結婚の持参金さえ用意してやれないことを悲観し、自殺しようと考える。

 

 貴族の若者ペルセオはテバンドロを慰め、自分がフェニーサの夫になると申し出る。テバンドロは喜ぶ。

 

 ペルセオの元に、彼の領地に住む村人ファキンがやってくる。ファキンは、ライオンたちを従えた怪物が村人たちを脅かしているとペルセオに報告する。ペルセオは驚き、国王に助けを求めようと考える。

 

 テバンドロは、フェニーサにペルセオとの結婚を勧めるが、フェニーサはもっともらしい理由をつけてそれを拒む。フェニーサは自分が12歳の時に王子リサルドに凌辱されたこと、それによって生まれた赤ん坊を山に捨てたことを友人のクラベーラに告白する。王子はその後結婚したが子どもはなく、戦争に行って勝利を収め、近いうちにアレクサンドリアに戻ってくる予定になっていた。

 

 ペルセオの領地の村で、村人たちの結婚式が行われる。しかし式の最中に怪物(レオニード)が現れ、人々は怯えて逃げ去る。

 

 独り残されたレオニードの元に隠者のフィレーノが現れる。自分の死期が近づいたことを知ったフィレーノは、レオニードに身の上話をする。

 

 「私は以前は宮廷に仕えていたが、その生活に嫌気がさし、山に引きこもって隠者となった。狩人の罠にかかっていた雌ライオンを助けたところ、ライオンは私に感謝して食物を持ってきてくれるようになった。20年前、そのライオンが人間の赤ん坊をどこかから持ってきて、自分の乳を飲ませ始めた。私はその子に洗礼を授けてレオニードと名付けた。その子はライオンたちによって育てられた。それがおまえだ」

 

 フィレーノは、レオニードが発見された時に彼を包んでいた毛布を渡し、それによって彼の身元が明らかになるかもしれないと告げる。フィレーノはまた、人間たちの元で暮らすようにとレオニードに忠告してこの世を去る。レオニードは深く悲しむ。

 

 アテネとの戦いで勝利を収めた王子リサルドが、アレクサンドリアに凱旋する。国王は王子を賞賛する。

 

 ペルセオとファキンはリサルドに、村を脅かす怪物の話をする。リサルドは怪物を退治するため彼らとともに村へ行く。

 

  フェニーサは「ペルセオと結婚はできない」と父のテバンドロに告げる。困窮したテバンドロはやむを得ず、宮廷から逃れて田舎でフェニーサとともに暮らす道を選ぶ。

 

 テバンドロとフェニーサは、偶然にもペルセオの領地の村で暮らすことになり、それぞれルシンドとラウラという偽名を名乗る。そこへ王子リサルドが怪物を退治するためにやってくる。

 

 村人たちは、村で生まれた赤ん坊の名付け親として王子とラウラ(フェニーサ)を選ぶ。ラウラ(フェニーサ)は王子が村に来ていることを知り、自分の不運を嘆く。

 

 ラウラ(フェニーサ)と村人たちがいるところへ、突然レオニードが現れる。ラウラ(フェニーサ)は失神し、村人たちは逃げる。レオニードは倒れているラウラ(フェニーサ)の顔を見て、その美しさに胸を打たれる。

 

 王子と狩人たちが、レオニードを捕えようとやってくる。レオニードは逃げる。意識を回復したラウラ(フェニーサ)は、少女の頃に王子に凌辱されたことは秘密にしたまま、王子に皮肉を言って去る。王子はラウラ(フェニーサ)の美しさと賢さに惹かれる。

 

 レオニードは森へ逃げ、自分自身は誰なのかと自問する。考え疲れて眠ってしまったレオニードを見つけた王子は、槍を投げて彼を殺そうとするが、ライオンによって阻まれる。目を覚ましたレオニードは、王子に危害を加えないようにとライオンを諭す。

 

 レオニードと話をした王子は彼の賢さに驚き、彼を宮廷へ招く。レオニードは、ラウラ(フェニーサ)に会えるかもしれないという期待を抱いてそれを承知する。レオニードはフィレーノのように自分を息子として扱ってほしいと王子に懇願し、子どものいない王子も喜んでそれを受け入れる。

 

 宮廷に招かれたレオニードは、ルシンド(テバンドロ)によって教育される。レオニードの賢さは王と王子から賞賛される。

 

 王子の妻が亡くなり、王子はラウラ(フェニーサ)に接近するようになる。ラウラ(フェニーサ)はそれを不快に思うが、レオニードの聡明さが彼女に慰めを与える。ファキンとフローラはラウラ(フェニーサ)とルシンド(テバンドロ)の従者となる。

 

 王子の新しい妻としてテーバイの王女が迎えられることが決まるが、王子はラウラ(フェニーサ)のことがあきらめきれない。王子はレオニードに、ラウラ(フェニーサ)との取り持ち役を頼み、ラウラ(フェニーサ)が自分を拒否するなら無理やりにでも身体を奪うつもりだと告げる。

 

 レオニードは悩み、村人たちを連れて宮廷から逃げようと考える。村人たちは衣類をまとめてレオニードについて行く。ラウラ(フェニーサ)と出会ったレオニードは、初めて彼女を見た時から愛情を感じていたこと、王子が彼女との逢引を望んでいることを伝え、自分は宮廷から去ることにしたと告げる。

 

 ラウラ(フェニーサ)はレオニードを引き止めようとして、衣類の包みをほどくように命じる。衣類の中から毛布が出てくる。ラウラ(フェニーサ)はそれが自分の赤ん坊を捨てた時に使ったものであることに気づき、レオニードが自分の息子であると知る。

 

 ラウラ(フェニーサ)は、自分が彼の母親であることは隠したまま、自分がかつて王子に凌辱されたことをレオニードに話す。その時王子が現れ、ラウラ(フェニーサ)はその場を去る。

 

 レオニードは王子に、ラウラ(フェニーサ)はかつて王子が凌辱した女性だと告げる。王子は「昔、フェニーサという娘を凌辱したことはあった。彼女は子どもを産み、その子を殺したと聞いている」と答える。王子はまた、凌辱の際にフェニーサと結婚することを約束したが、彼女とは身分がつり合わないと思っていることをレオニードに話し、「おまえは野蛮人だから、無礼な振る舞いについては許してやる」と告げる。レオニードは、「野蛮人なのはあなたの方だ」と言い、彼女と結婚しないのなら自分と戦えと王子に迫る。

 

 王子は衛兵を呼び、騒ぎを聞いて王や廷臣たちも駆けつける。ルシンド(テバンドロ)は村人たちを引き止めようとするが、村人たちはレオニードに従う。

 

 レオニードは王子に危害を加えようとしたかどで投獄され、処刑を宣告される。ラウラ(フェニーサ)はルシンド(テバンドロ)に、レオニードが王子と自分との間にできた子どもであることを告白する。

 

 ペルセオに付き添われてテーバイの王女が到着する。レオニードの処刑が行なわれようとしているのを見た王女は「人の血を踏みながらこの国に入りたくありません」と告げ、レオニードに話しかける。レオニードは処刑人から剣を奪って抵抗する。

 

 王は速やかにレオニードを処刑するよう命令するが、王女はレオニードをかばう。ルシンド(テバンドロ)が王に向かって自分の正体を明かし、レオニードが王の孫であることを教える。王子はかつて自分がフェニーサを凌辱したことを王に告白し、彼女に会いたいと告げる。そこへラウラ(フェニーサ)が現れ、王子に自分の正体を明かす。

 

 王子はフェニーサの名誉を守るため、彼女との結婚を決意する。テーバイの王女はレオニードと結婚することになる。レオニードが国王の許可を得てフローラとファキンに名誉ある地位を与えて幕となる。

 

 

lopedevega.hatenablog.com

 

 

lopedevega.hatenablog.com