Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

村の郷士たち(Hidalgos del aldea, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1606-1615年

種類:農村を舞台とした同時代劇

補足:16世紀末のスペインの農村が舞台となる。 

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 アルバーノ伯爵は、新妻のテオドラをつれて自分の領地の村を訪れる。村人たちは突然の領主の訪問に驚き、困惑する。

 

 村には、郷士(貴族と平民の間に位置する階級)の長であるホフレと、農夫たちの長であるセレドンがいる。ホフレにはラウレンシア、セレドンにはフィネアという娘がいる。ラウレンシアは伯爵夫人の豊かな暮らしに憧れている。

 

 フィネアは身の丈に合った結婚をしたいと考えている。しかし彼女の父セレドンは、ドン・ブラスという名の郷士とフィネアを結婚させたいと思っている。ブラスはうぬぼれの強い性格である。

 

 テオドラは、静かな村で暮らすことによって伯爵の放蕩がおさまることを望んでいた。しかしアルバーノ伯爵はフィネアに興味を持ち、ひそかに彼女と夜中に逢引しようと考える。伯爵は、自分に仕える騎士ロベルトにフィネアとの取り持ち役を依頼する。

 

 ブラスが伯爵の元へやってきて、フィネアとの結婚の許可を願い出る。伯爵は表向きはそれを受け入れるが、彼らの結婚を妨害しようと考える。

 

 ロベルトはフィネアを訪問し、伯爵との仲を取り持とうとする。しかしフィネアは逢引を拒否すると同時に、自分がロベルトに好意を持っていることをほのめかす。

 

 ロベルトは伯爵に、フィネアのことはあきらめるしかないと報告する。しかし伯爵はセレドンに「フィネアの結婚式はもっと立派に行うべきだ」と言って結婚式を延期させ、その間にフィネアの身体を奪おうと考える。

 

 フィネアは父親が勝手に取り決めた結婚を拒否しようとするが、セレドンはそれを無視して結婚の準備を進める。

 

 伯爵はマントで顔を隠し、ロベルトを従えてフィネアの家の周りをうろつく。フィネアはロベルトを非難する。ロベルトは伯爵に気づかれないよう、自分もフィネアに恋心を抱いていることを彼女に告白する。

 

 伯爵はフィネアの家へ強引に入ろうとする。しかしブラスが現れたことによってその試みは失敗する。

 

 テオドラはラウレンシアを自分の侍女にする。伯爵がフィネアに興味を抱いていることに勘付いたテオドラは嫉妬し、フィネアとブラスの結婚式を早めようと決意する。ロベルトはそれを聞いて心配する。

 

 ロベルトとフィネアはひそかに会い、互いの気もちを確かめ合う。

 

  フィネアとブラスの結婚式は引き伸ばされたまま、一年が経過する。フィネアはその間、伯爵からのしつこい求愛に抵抗し続ける。

 

 ブラスの弟の兵士ドン・クラロスが、トランシルヴァニア公国とオスマン帝国との戦争から帰還する。彼は戦果を挙げたことにより自分が伯爵と同等になったと考える。

 

 テオドラは自分の嫉妬心をラウレンシアに打ち明ける。ラウレンシアは、フィネアは伯爵を愛していないので心配は無用であるとテオドラを慰める。しかしテオドラは、伯爵の権力と財力の前にいずれはフィネアが屈するのではないかと心配する。

 

 テオドラの嫉妬に気づいたロベルトは、テオドラに敬意を払うよう伯爵に忠告する。しかし伯爵はフィネアのことしか頭にない。

 

 クラロスはブラスが伯爵に媚びへつらっていることを非難し、一人の権力者に支配される社会よりも宮廷の方が良いと言って村を去る。

 

 ロベルトはフィネアが伯爵の求愛に屈したのではないかと疑うが、フィネアは彼が見ている前で伯爵の求愛をきっぱりと拒絶する。ロベルトは感激する。

 

 テオドラが嫉妬にかられてフィネアの家を訪問する。部屋が質素であることに驚いたテオドラは、「伯爵に不快な思いをしてほしくない」と言ってフィネアの部屋に豪華な調度品を運ばせる。テオドラの贈物を受け取ってしまった以上、自分は伯爵の求愛を受け入れざるを得ないと思ったフィネアは悲しむ。

 

 続いてやってきた伯爵は、テオドラが自分のために調度品を整えてくれたことを知り、自分が彼女に敬意を払ってこなかったことに初めて気づく。伯爵は心を入れ替え、フィネアのことをあきらめると宣言して、彼女に全ての調度品を贈物として与える。

 

 伯爵はフィネアとブラスをすぐに結婚させようとするが、一足先にセレドンが彼女とロベルトを結婚させてしまう。ブラスはラウレンシアと結ばれる。伯爵が二組の夫婦を祝福して幕となる。