Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

郷士ベンセラーヘ(Hidalgo Bencerraje, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599-1608年

種類:歴史劇

補足:カトリック両王時代のアンダルシアが舞台となる。「ベンセラーヘ」という名はグラナダ王国のアベンセラーヘ一族から取られており、キリスト教徒の恋人たちを助ける慈悲深いイスラム教徒が主人公となっている。男装の女性が登場する。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 

 ドン・フアン・デ・メンドーサは、男装したドニャ・エルビラをつれて駆け落ちをする。

 

 二人は、国王の執事でエルビラの伯父にあたるドン・ルイス・デ・ビベーロに見つかる。しかしルイスは二人の恋に理解を示し、グラナダへ逃げてモーロ人の王に仕え、その地で結婚することを勧める。

 

 グラナダアルハンブラ宮殿では、モーロ人の王マオマッドと妻のファティマのもとへ、結婚したばかりのファティマの弟ハシミーンが新妻ダラーハを連れて現れる。ファティマとハシミーンはベンセラーヘ家の出身である。

 

 そこへフアンとエルビラが現れ、マオマッドに庇護を求める。フアンは「ある郷士と決闘をして殺してしまい、弟のルイス(エルビラ)とともに逃げてきました」と説明する。マオマッドはフアンがメンドーサ家の人間であると知って二人を庇護するが、ルイス(エルビラ)の正体が女性であることを見抜く。

 

 アラゴン国王フェルナンドは、フアンを捕えるようマオマッドに手紙で依頼する。ハシミーンは反対するが、マオマッドはフアンを捕えるようハシミーンに命じる。

 

 ハシミーンはフアンの家柄に敬意を払い、危害を加えないことを約束して彼を捕える。しかしエルビラの美しさに惹かれているマオマッドは、邪魔なフアンを殺すようハシミーンに命じる。

 

 ハシミーンはフアンを助けようと考え、従者のスレーマに命じてフアンをモーロ人に変装させ、グラナダ市外へ逃がす。

 

 マオマッドはエルビラを口説くが、エルビラは応じない。ハシミーンはマオマッドにフアンを殺したと伝え、エルビラにはひそかに彼が生きていることを教える。エルビラはフアンの死を悲しむふりをしてマオマッドを欺く。

 

  マオマッドはエルビラに夢中になり、政務をないがしろにするようになる。家臣たちはマオマッドに「せめて行政官を任命してほしい」と懇願し、マオマッドはハシミーンを行政官に任命する。

 

 ハシミーンはフアンを農園にかくまう。そのことを知らされたエルビラは喜ぶ。

 

 ハシミーンは、手紙を二通書くようにエルビラに指示を出す。一通はフアンに宛てた手紙で、彼女の愛を告げるものである。もう一通はマオマッドに見つかったときに見せるための手紙で、求愛を拒否する内容である。

 

 しかしながら二通の手紙は誤って入れ替わってしまい、マオマッドはフアンに宛てた手紙を読む。マオマッドはエルビラが自分の求愛を受け入れてくれたと思って喜び、取り持ち役であったハシミーンをねぎらう。ハシミーンは、エルビラが心変わりをしてマオマッドを選んだのだと思いこみ、がっかりする。

 

 ハシミーンの妻ダラーハは、気晴らしに外出しようと夫を誘う。しかしハシミーンは行政官としての仕事があると言ってそれを断る。ダラーハはひとりで外出する。

 

 スレーマを通じてフアンに届けられたエルビラの手紙は、求愛を拒否する内容のものであった。フアンは絶望し、自暴自棄になる。

 

 マオマッドが政務をおろそかにしていることを知ったキリスト教徒たちは、好機と見てグラナダを攻めようと考える。

 

 ハシミーンはエルビラに会い、彼女の心変わりを非難する。エルビラは、自分が二通の手紙を渡す相手を間違えてしまったことに気づく。そこへ怒りに我を忘れたフアンが現れ、エルビラを殺そうとするが、ハシミーンが間に入って彼を止める。

 

 ダラーハがキリスト教徒に捕らえられたという知らせが入る。ハシミーンはマオマッドの無能さがこの事態を招いたのだと嘆く。

 

 エルビラの伯父ルイスが、フェルナンド王の使者としてマオマッドを訪問する。ルイスはエルビラとダラーハの交換を提案するが、マオマッドはそれを拒否する。ハシミーンはルイスに、「いずれエルビラとフアンを解放する」とひそかに告げる。

 

 ハシミーンはフアンに会いに行く。彼はキリスト教に改宗する覚悟を表明し、妻を助けてほしいと訴える。スレーマが名案を思いつき、フアンとハシミーンはその指示に従う。

 

 ハシミーンはキリスト教徒に変装し、ダラーハが捕えられている塔に潜入する。彼は塔の番人に偽の手紙を渡し、エルビラとダラーハとの交換が決まったと伝える。番人はダラーハを解放する。

 

 マオマッドは、エルビラが自分の求愛を拒み続けることに業を煮やし、彼女を幽閉する。ハシミーンはマオマッドに、エルビラのいる塔へ入る許可を求める。マオマッドは、自分の要求に従うようハシミーンが彼女を説得してくれることを期待してそれを受け入れる。

 

 ハシミーンはエルビラに自分の服を着せて塔から逃がす。塔の外で待機していたスレーマがエルビラを保護する。ハシミーンも塔から逃げようとするが、番兵に止められる。そこへフアンが来て番兵と戦い、ハシミーンを救出する。

 

 グラナダから逃れた一行は、コルドバにいるカトリック両王の元に逃れ、庇護を求める。ルイスは姪のエルビラとフアンとの結婚を許す。寛大な両王の判断により、ダラーハを逃がしたハシミーンの罪は不問とされ、フアンもエルビラと駆け落ちした罪を許される。ハシミーンたちはキリスト教に改宗し、王のフェルナンドが喜びの言葉を述べて幕となる。

 

 

 

lopedevega.hatenablog.com

 

 

lopedevega.hatenablog.com