Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ガルシラーソ・デ・ラ・ベガの偉業とモーロ人タルフェ(Hechos de Garcilaso de la Vega y Moro Tarfe, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1579-1583?年

種類:歴史劇

補足:現存するロペのコメディアの中で最も古いものとみなされており、四幕構成になっている。『サンタ・フェの攻略とガルシラーソ・デ・ラ・ベガの名高き武勲』と内容に類似点がある。男装の女性が登場する。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  モーロ人のタルフェは、グラナダ王アルマンソールの弟である。タルフェはファティマという女性に求愛するが、すげなくはねつけられる。ファティマはグラナダの城塞主グアルカノの娘である。

 

 ファティマが恋しているのは、彼女の従兄にあたるアベンセラーヘ家のガスルであった。ファティマとガスルは、狩猟に出かける王妃随行する。嫉妬にかられたタルフェも随員に加わる。

 

 狩りの合間に、ファティマとガスルは互いに愛の言葉を交わす。タルフェも負けじとファティマに近づき、「アベンセラーヘ一族は裏切り者だ」とガスルを非難する。タルフェとガスルは剣を抜いて対峙する。

 

 騒ぎを聞きつけた王妃とグアルカノが現れる。タルフェは「ガスルがファティマを襲おうとしていた」と主張し、ガスルとファティマはそれを否定する。王妃は裁判で問題を解決すると宣言する。

 

 裁判の結果、ガスルは自由の身となりタルフェは投獄される。ガスルとファティマの結婚が決まる。タルフェは牢獄の管理人フアン・レネガードに自分の身の上を話して嘆く。フアンも自分の身の上話をする。もとはキリスト教徒だったフアンは失恋の悲しみから自暴自棄になり、イスラム教に改宗したのであった。

 

 ひとりの青年(アラーマという名の女性が男装している)がタルフェに近づく。青年(アラーマ)は「ある騎士が私の妹の名誉を汚したので、復讐してほしい」とタルフェに嘆願する。タルフェは自由の身にしてくれることを条件にその頼みを引き受ける。タルフェの独白で、彼自身も2年前にひとりの女性の名誉を傷つけて捨てたことがあきらかになる。

 

 国王がタルフェの前に現れ、彼の行動を非難する。国王はタルフェの前でガスルとファティマを結婚させ、自ら立会人をつとめる。タルフェは兄である国王の仕打ちに怒り、その場を去る。

 

 アラーマは正体を隠したまま、タルフェに決闘を挑む。タルフェの一撃によってアラーマは倒れる。タルフェは友人のレオカーンから、アラーマが女性であることを知らされる。

 

 アラーマは自分がタルフェにかつて捨てられた女性であることを告白する。自分の行いを悔いたタルフェはアラーマに求婚する。

 

 タルフェはアラーマと結婚し、国王と和解する。そこへフアンがやってきて「キリスト教徒の王ドン・フェルナンドグラナダを征服しに来た」と告げる。

 

 フェルナンドの軍隊がサンタ・フェに集まる。若き兵士ガルシラーソ・デ・ラ・ベガは手柄を立てようと張り切る。彼が眠りに落ちると、夢の中にトランペットを吹く「名声」が現れ、彼が成し遂げるであろう偉業を予言する。

 

 タルフェもまた戦場で手柄を立てたいという望みを抱く。アラーマは「結婚式の翌日に戦場へ行くなんて」と彼を責めるが、タルフェは彼女との別れを惜しみつつ戦場へ向かう。

 

 タルフェはキリスト教徒を挑発するため、「アヴェ・マリア」の祈りを書いた帯を馬の尻尾に結びつけて敵の陣営へ出向く。一騎打ちを申し出るタルフェに対し、ガルシラーソは自分が行きたいと国王フェルナンドに志願するが、国王は彼が若く経験が浅いことを理由にそれを拒む。

 

 ガルシラーソは王の命に背き、ひそかに武装してタルフェとの一騎打ちに臨む。激しい戦いの末、ガルシラーソは勝利してタルフェの首をかかげる。

 

 ガルシラーソは命令に背いたことを王に詫び、王は彼の勇気を称える。ガルシラーソの勝利を祝福する王の言葉で幕となる。

 

 

lopedevega.hatenablog.com