Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

エル・シッドの偉業とその死、およびバレンシアの攻略(Hazañas del Cid y su muerte, con la toma de Valencia, las)

ロペへの帰属:議論の余地あり

執筆年代:1597-1603年

種類:歴史劇

補足:エル・シッドのバレンシア攻略とその死に関する伝説や文学作品に基づいて書かれている。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 

 11世紀。騎士「エル・シッド」ことルイ・ディアス(*エル・シッドの実際の本名はロドリーゴ・ディアス・デ・ビバールとされている)は、バレンシアを占領するためモーロ人たちと戦う。

 

 エル・シッドの部下マルティン・ペラーエスは、恐怖のあまり戦場から逃亡する。しかし己の臆病さを恥じたペラーエスは、再び戦場へ引き返す。兵士たちはモーロ人たちを負かし、戦勝祝いをしているところであった。

 

 エル・シッドはペラーエスが逃亡した事実を知りながらも彼をかばい、彼を信頼していると兵士たちの前で宣言する。

 

 モーロ人の女性リサーラリーファが捕えられ、エル・シッドの前に引き出される。エル・シッドは彼女たちを妻ヒメーナの元へ送り、キリスト教徒にさせようと考える。

 

 エル・シッドはペラーエスに汚名を返上させるべく、次の戦いでは自分のそばにいて戦うよう彼に命じる。

 

 バレンシアを支配するモーロ人アリベナーハは、リサーラとダリーファが捕えられるのを黙認していたことで軍人のアリスレーマを非難し、彼女たちを取り戻してくるよう命じる。アリとスレーマは、わざと敵に捕らえられるという作戦を立てる。

 

 再び、キリスト教徒とモーロ人たちとの戦闘が起きる。ペラーエスは勇敢に戦い、アリとスレーマを捕えてエル・シッドの前に引き出す。エル・シッドとその部下たちはペラーエスの勇気をたたえる。

 

 リサーラとダリーファの父であるタルフェナミは、エル・シッドに娘たちがアリとスレーマの婚約者であることを伝える。エル・シッドは彼らの結婚を認め、持参金を与える。

 

 バレンシアの支配者となったエル・シッドはモーロ人の住人たちの不満や要求を聞き、彼らとの共存を図る。スレーマは、ペラーエスが自分の婚約者に不躾な視線を送ったと感じ、ペラーエスと言い争う。エル・シッドはペラーエスに、モーロ人の女性と関係を持ってはならないと釘をさす。

 

 エル・シッドの元に彼の妻ヒメーナと娘のエルビラソルがやってくる。エル・シッドは家族との再会を喜ぶ。国王アルフォンソの元から遣わされた吟遊詩人が詩を吟じて皆を楽しませる。

 

 バレンシアを奪還しようと、再びモーロ人たちが戦いを仕掛ける。エル・シッドは軍を率いて戦う。ペラーエスは、今度はわざと逃亡するふりをしてモーロ人を挟み撃ちにする。その際、同朋がモーロ人に捕らえられ、ペラーエスは再び仲間から非難される。しかしエル・シッドはペラーエスをかばう。

 

 エル・シッドはモーロ人の王フネスと戦って勝利し、名剣ティソーナを手に入れる。

 

 ペラーエスの元に、モーロ人の女性からの手紙が届く。何が書かれているのか読むことができないペラーエスは、スレーマとアリに頼んでそれを読んでもらう。それはリサーラがペラーエスに書いた恋文と、ダリーファが別のキリスト教徒の兵士アントリーネスに書いた恋文だった。スレーマとアリは激怒する。

 

 年月が経過する。年老いたエル・シッドがその後の経過を独白で語る。彼の二人の娘はそれぞれカリオン伯爵家の男性と不幸な結婚をしたが、紆余曲折の末、別の立派な男性たちとそれぞれ再婚をした。

 

 リサーラとダリーファはスレーマとアリの眼を盗み、顔を隠してペラーエスとアントリーネスに会って、彼らとの会話をひそかに楽しむ。

 

 フネスの息子ブカル王は、父の仇を討ちティソーナを取り戻すためにバレンシアを攻めようとしていた。自らの死を予感したエル・シッドは部下を呼び、モーロ人たちに勝利するため自分の死体に防腐処置を施し、鎧を着せて愛馬バビエカにのせ、戦いの場へ運ぶようにと命じる。

 

 エル・シッドの遺言に従ったキリスト教徒たちは見事に勝利を収める。その後、エル・シッドの遺体はカスティーリャへ運ばれる。人々はエル・シッドの功績を讃え、彼の遺体を見ようと望む。

 

 ユダヤ人のサムエルは、人々がいない隙をねらってエル・シッドの遺体に近づき、彼のひげに触ろうとする。するとエル・シッドの遺体が動き、剣を鞘から抜こうとする。サムエルは怯えてその場に倒れる。

 

 エル・シッドの部下たちが、床に倒れているサムエルを発見して彼を介抱する。サムエルが自分の目撃した奇跡について皆に語り、キリスト教に改宗する場面で幕となる。

 

 

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