Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

アレクサンドロスの偉業(Grandezas de Alejandro, las)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1604-1612年

種類:歴史劇

補足:古代マケドニアの国王アレクサンドロス3世(アレクサンドロス大王)の生涯を描いたもの。二部構成の戯曲であったと思われる。現存するのは第一部のみである。

男装の女性と、その女性に恋する女性が登場する。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 マケドニア国王フィリッポスは息子のアレクサンドロスとともに、アジア遠征の準備をする。

 

 国王の軍隊に所属する兵士パウサニアスは、国王の義兄弟にあたる隊長の態度に不満を持ち、王にそれを訴える。しかし王はそれを無視し、パウサニアスは王に恨みを抱く。

 

 アレクサンドロスは、母親のオリュンピアスから、自分がフィリッポスの息子ではなくユピテル神の息子であることを知らされる。フィリッポスを憎むオリュンピアスは、夫を殺すようパウサニアスを促す。

 

 フィリッポスはパウサニアスによって殺される。アレクサンドロスマケドニアの新しい王となる。

 

 アレクサンドロスの愛人カンパスペは、フィリッポスの死の知らせを受けて、自分が王妃になれると喜ぶ。アレクサンドロスは画家のアペレスを呼び、カンパスペの肖像画を描かせようとする。

 

 アペレスは美しいカンパスペに恋し、彼女の肖像をうまく描くことができなくなってしまう。事情を察したアレクサンドロスは、肖像画の報酬としてカンパスペをアペレスに妻として与える。当てが外れたカンパスペは嘆く。

 

 村娘のアミンタは、アレクサンドロスに恋をする。アミンタは男装して兵士となり、村人のビテーロとともにアレクサンドロスの軍隊に入る。

 

 アレクサンドロスは、アミンタが女性であることに気づく。彼はアミンタが自分に仕えることを許可する。

 

 アレクサンドロスの軍はアジアへ向けて出発し、ギリシャのテーバイの近くを通る。

 

 哲学者のディオゲネスは、野人のように動物の毛皮をまとい、椀だけを所有物として思索に身を捧げていた。彼は泉から手で水をすくって飲んでいる人を見て、椀さえも所有する必要はないのだと気づき、それを手放す。

 

 アレクサンドロスディオゲネスを訪問する。彼はディオゲネスに「何か私に望むことはあるか」と尋ねる。ディオゲネスは彼に「あなたが太陽の光を遮っているので、そこからどいてもらいたい」と頼む。アレクサンドロスは無欲なディオゲネスを賞賛する。

 

 ペルシャの王ダレイオスは、アレクサンドロスが攻めてくるという知らせを受け取る。しかし彼は若いアレクサンドロスには大したことはできないだろうとたかをくくり、部下メノンに彼と対戦するよう命じる。

 

 アレクサンドロスの軍はペルシャに上陸する。ビテーロはダレイオスの息子アリオバルサーノを捕え、アレクサンドロスの前に引き出す。アレクサンドロスは敵に対する寛大さを見せ、アリオバルサーノを解放する。感謝したアリオバルサーノは、父を裏切ってアレクサンドロス側につく決心をする。

 

 アレクサンドロスは、女神ミネルヴァの神殿に祈りを捧げる。ミネルヴァは彼に盾を与え、神々の加護を約束する。

 

 アマゾン族の女王ロクサーネアレクサンドロスの強さと美貌の評判を聞き、彼との間に子どもをもうけたいと望む。

 

 アレクサンドロスは、トロイア戦争の英雄アキレウスの墓に詣でる。彼は英雄の偉業を後世に伝えるホメロスのような詩人が自分の周りにいないことを嘆く。ビテーロは、アレクサンドロスの偉業を詩に書き残している詩人デモフォンを彼に紹介し、喜んだアレクサンドロスはデモフォンに褒賞を与える。

 

 アリオバルサーノは、父ダレイオスを暗殺しようとするが、アレクサンドロスからの使者リュシマコスが先手を打ってダレイオスにそのことを知らせる。ダレイオスはリュシマコスを去らせてから自らの手で息子を殺し、彼がリュシマコスに殺されたことにする。

 

 アレクサンドロスはメノンの軍を破り、ゴルディオンの街に入る。そこには縄で束ねられたくびきがあった。ビテーロから「『ゴルディオスの結び目』を解いた者はアジアを支配すると言われている」と聞いたアレクサンドロスは、剣で縄の結び目を切断する。(そのくびきと縄は後にスペイン王室の紋章となることが、舞台上で歌われる歌によって示される)

 

 ロクサーネが現れ、アレクサンドロスに自分の望みを伝える。アレクサンドロスは、彼女との間に子どもを作ることを承諾する。男装しているアミンタは、アマゾン族の女性から求愛される。

 

  3年後、川での水浴が原因でアレクサンドロスは病気になる。彼は医師のフィリポが彼に毒を盛っているという密告を受け取るが、彼はフィリポを信頼し、彼から渡された薬を飲み干す。

 

 フィリポはアレクサンドロスに「ダレイオス王から『娘と結婚させてやるかわりにアレクサンドロス王を毒殺してほしい』と頼まれたのですが、断りました」と告げる。フィリポの薬によってアレクサンドロスは快復する。

 

 ダレイオスは使者をアレクサンドロスに送り、三つの贈物(馬の手綱、ボール、現金)を渡す。それは「男になって、他の少年たちとボールで遊び、家に帰れ」というメッセージであった。アレクサンドロスは怒り、ペルシャへの攻撃を決意する。

 

 ペルシャ軍はアレクサンドロスの軍の前に敗れ、ダレイオスは二人の娘を残して逃亡する。

 

 ダレイオスの娘たちは捕らえられてアレクサンドロスの前に引き出される。アレクサンドロスは、彼女たちの美しさに魅了されることを恐れ、わざと彼女たちに背を向ける。皆はアレクサンドロスの高潔さを賞賛する。

 

 逃亡したダレイオスは、偶然出会った羊飼いに助けを求める。羊飼いは、廃墟となった神殿で見つけたという黄金の板を彼に見せる。その板には「マケドニアの国王がやってきて、アジア全土を支配するであろう」という予言が書かれていた。

 

 アレクサンドロスはシドンの街を征服する。彼は宿を提供してくれたテポレモをそこの王に任命しようとするが、テポレモは自分よりも王にふさわしい人物として、別の村人ドロミーノを推薦する。

 

 別の村人ティレーノは、アレクサンドロスのために育てていた仔馬が、世話人の不注意のために死んでしまったことを告げる。アレクサンドロスはそれを咎めず、あらたに二頭の仔馬と現金を彼に渡す。

 

 エルサレムに住むユダヤ人たちは、アレクサンドロスを王と認めることを拒否する。アレクサンドロスは怒り、エルサレムを攻める準備をする。

 

 エルサレムでは、イルカーノ公爵聖職者ハードアレクサンドロスからどのように街を守るかを話し合う。女性たちは涙ながらに彼らに庇護を求める。ハードが神に助けを求めると、天使が現れ「エルサレムの全市民は棕櫚の葉を持ち、音楽とともにアレクサンドロスの到着を迎えよ」と彼らに命じる。

 

 エルサレムに到着したアレクサンドロスは、イルカーノ公爵、ハード、女性たちから、音楽とともに迎え入れられる。アレクサンドロスは、かつて彼の夢に現れて「アジアを支配せよ」と命じた神の姿をハードの中に認める。アレクサンドロスエルサレムの人々と和解し、「(この劇が)第二部に続く」ことを観客に告げて神殿へ向かう場面で幕となる。