Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

度量の広いジェノヴァ人(Genovés liberal, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599-1608年

種類:歴史劇

補足:史実とフィクションの混交が見られる。1499年におけるフランス国王ルイ12世のジェノヴァ占領が描かれる。男装の女性と、その女性に恋する女性が登場する。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ジェノヴァの貴族オクタビオ・グリマルドは、フランス国王ルイ12世を庇護するという任務のためフランスへ大使として赴いていた。任務を終えたオクタビオは、忠実な従者レオナートと、フランスで雇った小姓マルセーロをつれてジェノヴァへ戻ってくる。

 

 マルセーロの正体は、オクタビオに恋をした女性マルセーラである。彼女はオクタビオの傍にいるために男性のふりをしている。オクタビオはそのことに気づいていない。

 

 オクタビオは、かつてジェノヴァに残した恋人アレハンドラの家を訪問する。しかし、アレハンドラはすでにカミーロという貴族と結婚していた。アレハンドラの言葉を盗み聞きしたオクタビオは、彼女が初めこそ縁談を嫌がっていたものの、今は夫のカミーロを深く愛しているという事実を知り、激しい嫉妬にさいなまれる。

 

 レオナートは、まだ望みはあるとオクタビオを励ます。彼らは、マルセーロ(マルセーラ)をアレハンドラの従者として送り込み、オクタビオとの仲をとりもたせようと計画する。マルセーロ(マルセーラ)は喜んでその任務を引き受ける。彼(彼女)の本当の目的は、オクタビオにアレハンドラへの思いをあきらめさせることである。

 

 ジェノヴァ評議員たちは、フランス王の庇護をめぐって民衆が貴族に不満を抱いていることを懸念する。

 

 オクタビオ評議員たちに、フランス王がジェノヴァ側の庇護の申し出を快諾したことを伝える。フランス王はまた、オクタビオにフランス貴族の女性との縁談をもちかけたが、彼はそれを断っていた。そのフランス人女性こそがマルセーラだったのであるが、オクタビオはそれを知らない。

 

 マルセーロ(マルセーラ)はアレハンドラとカミーロ夫婦の従者として雇われる。侍女のドルシーラはマルセーロ(マルセーラ)に好意を持ち、ドルシーラに恋している従者のブルネートは嫉妬する。

 

 ジェノヴァの民衆は貴族に対する不満をつのらせる。蜂起した民衆はオクタビオを追放しようとする。アレハンドラから離れたくないオクタビオは、民衆に協力することを約束し、追放を免れる。

 

 カミーロは民衆に追われ、ブルネートをつれてジェノヴァから逃げる。アレハンドラと彼女の父フスティーノ、ドルシーラ、マルセーロ(マルセーラ)が残される。

 

 貴族たちが追放された後、民衆は染物屋パウロを指導者に担ぎ上げる。

 

 マルセーロ(マルセーラ)は、アレハンドラがオクタビオとの逢引を望んでいると嘘をつき、自分が彼女のふりをしてオクタビオと結ばれるという作戦を思いつく。

 

 同じ日にアレハンドラの妊娠が発覚する。彼女は民衆を恐れ、家中の扉や窓を閉めるよう従者たちに命じて部屋の中にこもってしまう。

 

 その夜、偽りの逢引の約束を知らされたオクタビオがアレハンドラの部屋のバルコニーの下に現れる。しかしアレハンドラは姿を現さず、オクタビオは失望して去る。

 

 ジェノヴァを追放された貴族たちはフランス王を頼る。フランス王は彼らを歓迎し、「今はイギリスとの戦争で余裕がないが、それが終わればジェノヴァの貴族たちの地位を回復させる」と約束する。

 

 6年が経過し、ジェノヴァパウロによって統治されていた。フランスとイギリスの戦争が終わり、フランス王はジェノヴァを攻撃する準備に入る。

 

 オクタビオの、アレハンドラへの思いは届かないままである。貴族たちが追放された後も、カミーロは何度かジェノヴァへ潜入して妻の元を訪れており、彼らの間にはすでに数名の子どもが生まれていた。

 

 フランス王の軍隊がジェノヴァを包囲する。アレハンドラの家はフランスの兵士たちによって食料を奪われてしまう。

 

 ジェノヴァの貴族たちは、無血開城させるためにジェノヴァ兵糧攻めにするようフランス王に懇願する。カミーロは妻の元へ行こうと試みるが、無駄に終わる。

 

 ドルシーラとマルセーロ(マルセーラ)は危機を感じ、オクタビオの援助を受けるようアレハンドラに勧める。しかしアレハンドラは意地を張って彼の援助を拒む。

 

 

 アレハンドラは、「このままでは子どもたちが餓死する」と侍女や父親に説得され、ついに折れる。彼女は単身でオクタビオの家に赴き、援助を懇願する。オクタビオはアレハンドラへの欲望を押し殺し、彼女に援助を約束して家へ帰す。アレハンドラの家の者たちは、オクタビオの度量の広さを賞賛する。

 

 兵糧攻めに音を上げたジェノヴァの民衆はフランス軍に降伏する。パウロをはじめとする反乱の首謀者たちは処刑される。

 

 フランス軍の指揮官が、マルセーラを返すようオクタビオに要求する。オクタビオが当惑していると、マルセーロ(マルセーラ)が皆の前で正体を明かし、オクタビオに恋していることを告白する。

 

 オクタビオとマルセーラ、ブルネートとドルシーラが結ばれて幕となる。