Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

懲らしめられた伊達男(Galán escarmentado, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1588-1598年

種類:都会的な同時代劇

補足:ピカレスク(悪者)小説的な要素のある作品。マドリードが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 マドリードの街角。テルセイラ島でのフランス軍との戦い(1582年)から戻ってきた青年セリオは、かつての恋人リカルダに会うために教会のミサに行く。リカルダは、セリオが戻ってきたことをまだ知らない。

 

 セリオが聖堂に入ると、リカルダとフリオの結婚公告が行われていた。セリオは絶望してその場を立ち去る。

 

 セリオはリカルダのことをあきらめきれず、彼女を訪問して結婚の理由を問いただす。リカルダは「あなたが私を捨てて軍に入隊し、戦死したものと思っていたからです」と答え、セリオが生きていることを知った今でもフリオとの結婚を中止する気はないと告げる。

 

 セリオは、自分がかつてリカルダの部屋に出入りしていたことを彼女の父タシトに暴露し、二人の署名の入った恋文を証拠として見せる。しかしリカルダは父に向かって、セリオのことなど知らないと断言する。

 

 絶望したセリオは、友人のゴドフレポンピリオ、従者のロベルトに向かって「これからは人妻にしか興味は持たない」と宣言する。

 

 ちょうどそこへ、既婚の女性ドルシーラが通りかかる。セリオはさっそくドルシーラを口説き、多額の金を彼女に贈る。ドルシーラはセリオの愛人になることを受け入れ、夜になったら自分の部屋へ来るようにと彼を誘う。

 

 セリオはロベルトをつれて、その夜ドルシーラの家へ向かう。しかし彼は、別の男がドルシーラに会うために彼女の夫のふりをして家に入っていくのを目撃してしまう。ドルシーラに裏切られたと思ったセリオは、がっかりしてその場を去る。

 

 セリオは「人妻に裏切られたから、同じ女である娼婦にその仕返しをしてやる」とロベルトに宣言し、金の首飾りをちらつかせて娼婦のリセーラを口説く。リセーラの傍にはポリフィロフェセニオというぽん引きがいる。

 

 リセーラは首飾りをつけてみたいとセリオにねだるが、セリオは「これは別の女性への贈物だからだめです」と冷たく断る。リセーラは激怒してセリオをののしり、ロベルトは彼女を黙らせるために短剣を取り出す。リセーラは悲鳴を上げる。

 

 フェセニオがとんできて、ロベルトともみ合いになる。フェセニオは重傷を負ったふりをしてその場に倒れる。驚いたセリオとロベルトは、首飾りをリセーラの元に残したまま逃亡する。

 

 セリオとロベルトは警吏に捕らえられることを恐れ、しばらくセリオの父アンタンドロの家へ身を隠すことにする。

 

 リカルダとフリオは結婚する。しかしフリオはある日、リカルダがかつてセリオにあてて書いた手紙を見つけ、リカルダが浮気をしたのだと誤解して激怒する。リカルダはフリオに事情を説明し、自分に落ち度がないことを主張するが、フリオは彼女の言葉を信用せず、自分の名誉を傷つけた彼女とセリオを殺すと宣言する。

 

 フリオの従者タンクレードはリカルダの潔白を信じ、彼女を自分の兄の家にかくまわせる。

 

 実家に戻ったセリオはあらたに、パン屋の娘ミセーナに恋をする。彼は今度こそ幸福な恋を見つけたと信じるが、ミセーナの正体は既婚者であった。セリオとロベルトはミセーナの夫にしたたかに殴りつけられる。セリオは完全な女性不信に陥る。

 

 リカルダに逃げられたフリオは、彼女の父タシトを訪問し、彼女をかくまっているのではないかと詰問する。タシトはそれを否定し、嫉妬したフリオがリカルダを殺して自宅に隠したのではないかと言い返す。フリオは怒ってタシトを殴るが、タシトの反撃によって命を落とす。タシトは警吏に捕らえられ、投獄される。

 

 セリオは再びマドリードへ戻るが、リカルダを拉致した疑いで彼もまた警吏に捕らえられる。セリオは牢獄の中でタシトに出会う。タシトは「娘はフリオに殺されたに違いない」と証言し、セリオは解放される。

 

 セリオはリカルダを永遠に失ったと思い、絶望してロベルトとともに喪に服す。

 

 タンクレードはリカルダに、「あなたの父親がフリオを殺して投獄されたらしい」と伝える。彼は解決策として、最近死んだある娘の遺体をフリオの家に置いておくことを提案する。「そうすれば、フリオがあなたを殺したのだと皆が信じ、あなたの父親は正当な復讐をしたのだと認められて解放されるでしょう」

 

 タンクレードの計画は功を奏し、リカルダはフリオに殺されたとみなされ、タシトは解放される。

 

 アンタンドロが、息子のセリオの身を案じてマドリードにやってくる。彼は友人ファブリシオの娘フィネアをセリオと結婚させようと計画する。

 

 セリオはリカルダのことを忘れることができない。彼がマンサナーレス川のほとりを歩いていると、リカルダそっくりの娘が洗濯をしているのが目に入る。セリオはその娘がリカルダ本人ではないかと疑うが、娘はそれを否定する。セリオは彼女に自分のかつての恋人が死んだこと、自分が父親に結婚をすすめられていることなどを話す。

 

 セリオはなんとかフィネアとの結婚から逃れようと画策する。フィネアに恋をしているポンピリオが彼に協力する。マンサナーレス川のほとりで会った娘がリカルダに間違いないと信じているセリオは、自分が結婚しようとしているのを見ればリカルダは正体を明かしてくれるはずだと考える。

 

 セリオとフィネアとの結婚式が始まる。セリオの予想通り、リカルダがそこに現れ、皆の前で自分の正体を明かす。セリオとリカルダが結ばれ、タシトはタンクレードに報酬を与え、アンタンドロはロベルトに褒美を与えて幕となる。