Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

与えられるべき幸運(Fortuna merecida, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1604-1615年

種類:歴史劇

補足:カスティーリャ国王アルフォンソ11世の寵臣となり、その後反逆を企てた疑いで殺されたアルバル・ヌーニェス・デ・オソリオ(Álvar Núñez de Osorio)の生涯を描く。全二部のうちの第一部とみられる(第二部は現存せず)。14世紀前半のバリャドリードが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ガリシア(スペイン北部の地域)の貧しい騎士ドン・アルバル・ヌーニェスは、従者のゴンサロとともにバリャドリードに到着する。彼は親類のドニャ・イネスに書いてもらった推薦状をレモス伯爵に渡す。

 

 レモス伯爵はアルバルに好感を持ち、自分の家臣にする。伯爵は執事のレオナルドに、アルバルの世話をするよう命じる。

 

 アルバルは、レオナルドの家に住むことになる。レオナルドの娘フアナはアルバルに興味を持つ。侍女のルシアは、レオナルドがフアナをアルバルと結婚させるつもりなのではないかとフアナに告げる。好奇心を抑えきれないフアナは壁に穴をあけさせ、アルバルを観察する。

 

 レモス伯爵の妹は国王アルフォンソ11世の愛人である。国王は伯爵の留守をねらって彼女を訪問しようとするが、王位を狙う親類のドン・フアンに襲われる。アルバルが国王を救う。国王は「今は正体を明かせないが、明日には名を明かす」とアルバルに告げて去る。

 

 翌日、アルバルを王宮に呼び出した国王は彼に正体を明かし、命を助けてもらったことを感謝する。国王はアルバルを王宮の廷臣にする。

 

  フアナとアルバルは愛し合うようになるが、アルバルがあまりに出世してしまったために、フアナは自分と彼との社会的立場の違いが結婚の障害になるのではないかと恐れる。

 

 アルバルは、従兄弟のサンチョ・ヌーニェスから頼まれ、彼を聖ヨハネ騎士修道団の団長にするよう便宜を図る。サンチョと同じ地位を狙っていたドン・テーリョは激しく怒り、アルバルに決闘を申し込む。

 

 アルバルは、決闘でテーリョに勝利する。彼はテーリョの命を助けてやるが、テーリョはむしろアルバルへの憎悪の念を募らせる。決闘の様子をバルコニーから見ていた国王の妹ドニャ・レオノールと女官のドニャ・イサベルは、アルバルのとった行動を国王に知らせる。

 

 アルバルは国王に、決闘で命を助けられたのは自分の方であると告げ、テーリョをかばおうとする。国王はアルバルにトラスタマラ伯爵の位を与え、「自分を侮辱した者のために名誉を譲ってはならない」と諭す。

 

 テーリョとその義弟ドン・グティエレは、アルバルを失脚させるため「ドン・フアンがアルバルを買収し、アルバルは反乱軍を組織しつつあります」と国王に告げる。国王は反乱軍の存在を自分の眼で確かめようとする。テーリョたちは国王を欺くために、アルバルの管理する砦に兵士を送り込もうとするが間に合わず、国王はアルバルの無実を知って彼をサンティアゴ騎士団の団長に任命する。

 

 アルバルはフアナに次のような内容の手紙を送る。「国王が私とドニャ・イサベルとの結婚を望んだため、私はあなたと結婚できなくなりました。その償いとして、私の縁者との結婚と、私が王から贈られたいくつかの邸宅の提供をお約束いたします」。フアナは最終的にアルバルの提案を受け入れる。

 

 異例の昇進を約束されたアルバルは、王宮の廷臣たちから激しい妬みを買う。アルバルは国王に事情を説明し、騎士団長の地位を辞退する。国王は息子のファドリーケにその地位を与えることにする。

 

 テーリョたちは再びアルバルを陥れようと、「アルバルがレオノール様との結婚を狙っています」と国王に嘘を言う。しかしそれに気づいたレオノールの機転によって、作戦は失敗する。

 

 アルバルはイサベルと結婚し、フアナはアルバルの従兄弟バスコ・ディアスと結婚する。テーリョが観客に「第二部ではアルバルの失脚が描かれる」ことを予告して幕となる。