Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

不運における強さ(Firmeza en la desdicha, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1610-12年

種類:架空の宮廷劇

補足:シチリア島メッシーナが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 

 シチリアの王ロヘリオは、家臣のレオナルドサルデーニャ島の反乱を収めるよう命令する。軍の指揮官に任命されたレオナルドは王の命令を遂行すべく出発する。

 

 オクタビオ伯爵は、レオナルドの妹テオドラと秘密の夫婦関係にあり、二人の子どもをもうけている。彼らは幼い子どもたちを田舎で養育させた後、ひそかに宮廷に引き取っているが、レオナルドはそのことを知らない。

 

 ロヘリオがレオナルドをサルデーニャに行かせたのは、彼が留守の間にテオドラを手に入れようと企んでのことであった。ロヘリオは、テオドラとの仲介役をオクタビオに依頼する。オクタビオは危機感を抱く。

 

 オクタビオとテオドラは、王の企みを阻止するため計画を練る。彼らは、テオドラに言い寄っているリカルドという青年を利用する。

 

 テオドラは王に、リカルドと婚約していると嘘を言う。王は表向きはテオドラの意思を尊重して引き下がるふりをする。何も知らないリカルドは、自分の思いがかなえられたと勘違いをして喜ぶ。

 

 王が去った後、テオドラはリカルドに「私の名誉が汚されるのを防ぐために、あなたを使って王をだます必要があった」と説明する。リカルドは自分が侮辱されたと感じる。さらにリカルドはテオドラとオクタビオとの関係に勘付き、テオドラの家にリドーロルドビコという少年がいることをつきとめる。

 

 リカルドはテオドラとオクタビオに復讐するため、彼らの関係を王に暴露する。王は立腹し、オクタビオの父親のフルヘンシオを呼び出す。「廷臣の妹と正式に結婚もせずに関係を持ち、子どもをもうけるような男は死刑に処されるべきです」と王に断言したフルヘンシオは、それが実の息子のことであったと知らされて驚愕する。王はオクタビオを捕える。

 

 サルデーニャから戻ってきたレオナルドは、オクタビオが妹と秘密の関係を結んでいたことを知って怒る。しかし彼は、王が自分をサルデーニャに送った理由が妹の身体を奪うためであったことをフルヘンシオから聞かされると、オクタビオを許そうと考える。

 

 レオナルドは王に、オクタビオの助命を嘆願する。王はリカルドの入れ知恵によって、オクタビオの処刑を免除しテオドラと結婚させる代わりに、関係者を全員シチリアから追放すると宣言する。

 

 テオドラ、オクタビオ、フルヘンシオは王の命令に従ってシチリアから出ようとするが、王はリドーロとルドビコを王宮の牢獄に幽閉してしまう。レオナルドは怒り、王と敵対してシチリアを去る。フルヘンシオは孫たちのために、ひそかに王宮にとどまる。

 

 海岸でオクタビオを待っていたテオドラは、モーロ人に変装したリカルドに拉致される。リカルドはテオドラの身体を奪おうとするが、彼女の悲鳴を聞きつけた村人たちがリカルドを本当のモーロ人だと思いこみ、彼を捕える。

 

 王は、シチリアの対岸にあるカラブリアの女公爵フローラと婚約していた。しかしレオナルドが率いる艦隊によって海路が封鎖され、王はフローラとの結婚式に行くことができなくなる。

 

 テオドラがモーロ人にさらわれたと思ったオクタビオは、カラブリアへ彼女を探しに行く。そこでフローラに会った彼は、自分の息子がシチリア王に捕らわれていることを教える。王が婚約期間中もテオドラを口説いていたことをオクタビオから聞かされたフローラは、王に幻滅し、結婚する意思をなくす。

 

 フローラはレオナルドに協力し、艦隊を送ってシチリアを包囲する。レオナルドはフローラに求婚し、フローラはそれを受け入れる。

 

 オクタビオは、息子たちを解放するよう王と交渉する。しかし王はフルヘンシオを人質にとる。オクタビオは苦悩の末、父親の命を優先させる。

 

 リカルドは王によって解放され、再びテオドラを拉致する。子どもたちを助けるかわりに自分のものになれと要求するリカルドに、テオドラは「たとえ子どもたちを死なせることになっても、私の名誉は守る」と告げる。

 

 フローラがシチリアへ上陸し、王と会見する。フローラは「私の夫となるレオナルドと、義妹となるテオドラ、義弟となるオクタビオ、彼らの息子たちとオクタビオの父フルヘンシオを許し、怒りから彼らを陥れたリカルドを罰すること」を王に要求する。王がそれらに同意し、フローラとレオナルドの結婚式の立会人になることを申し出る場面で幕となる。