Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

マドリードの祭り(Ferias de Madrid, las)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1585-88年

種類:都会的な同時代劇

補足:多くの人物が登場する群像劇。夫に愛されていない女性が別の男性に恋し、夫の死によって恋人と結ばれるという筋書きにピカレスク(悪者)小説的な要素が認められる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 マドリードで、聖マタイの祭りが行われる。通りには様々な店が出る。

 

 貧しい騎士のルクレシオアドリアーンにとって、祭りで女性に贈物をするのはかなりの負担になる。二人はそのことについて愚痴を言い合う。

 

 クラウディオロベルトは、通りすがりの女性エウヘニアに贈物をして口説こうとするが、彼女の姿を見失ってしまう。彼らにルクレシオとアドリアーンが加わり、4人はエウヘニアの後を追う。

 

 既婚者のエウフラシアと侍女のテオドラは、自分たちの行動を監視している従者に現金を渡して追い払い、祭りを楽しむ。二人は、男性たちから贈物をもらうべきか否かを議論するが、そのときエウフラシアの夫アルベルトがやってくるのが目に入る。嫉妬深いアルベルトに見つからないよう、エウフラシアとテオドラは顔をマントで覆う。

 

 アルベルトと従者のイシドロは、エウフラシアとテオドラの正体に気づかず、彼女たちを口説く。アルベルトはエウフラシアに「顔を見せてほしい」と頼むが、エウフラシアは拒否し続ける。

 

 エウヘニアは、恋人に雇われた使用人に監視されるのをわずらわしく思い、「私が男性たちから贈物をもらうのを見逃してくれれば、もうけの半分をあなたにあげる」と使用人にもちかける。そこへクラウディオ、ロベルト、ルクレシオ、アドリアーンが現れ、エウヘニアを見つけて口説き始める。クラウディオが彼女に贈物を差し出している間に、アドリアーンは彼女の指輪を盗もうとする。

 

 クラウディオはエウヘニアを口説いて、彼女の顔を自分だけに見せてもらうことに成功するが、彼女は醜かった。クラウディオは彼女に贈物をする気がうせてしまう。ロベルトは彼に「かばんをスリに盗られたと言えばいい」と忠告する。しかしそのとき、本当のスリが現れてクラウディオはかばんを盗まれてしまう。

 

 アドリアーンは「彼女への贈物はぼくが出すから、その代わりに彼女をぼくにゆずってくれ」とクラウディオに提案する。クラウディオはそれを受け入れ、アドリアーンはエウヘニアとともに去る。

 

 エウヘニアはアドリアーンを自宅へ案内すると言いながら、彼を一軒の家の扉の前で待たせる。アドリアーンがようやくエウヘニアの家に入れると思って扉を開けると、それは家の入口ではなく別の場所への出口であった。アドリアーンはエウヘニアにだまされたことを知る。

 

 ビオランテは、農家の娘に変装して祭りに行く。レアンドロが彼女を口説くが、ビオランテは機知に富んだ言葉で彼の誘いを巧みにかわす。レアンドロは彼女に魅せられ、「貧しいぼくが買うことのできる精一杯の贈物をする」と言って彼女に筆記具を渡す。ビオランテは心を動かされ、彼の贈物を受け取る。レアンドロビオランテを自宅に招く。

 

 アルベルトはエウフラシアを口説きながら、妻に対する不満を口にする。エウフラシアは怒ってマントを脱ぎ、正体を明かして去る。イシドロとテオドラにも同様のことが起き、アルベルトとイシドロはともに、贈物に大金を使ってしまったことを嘆き合う。

 

 レアンドロがやってきて、ビオランテに恋をしたことをアルベルトに話す。二人はイシドロに命じて、ビオランテの家がどこにあるのかを調べさせる。

 

  夜中に遊び歩いていたルクレシオ、レアンドロ、アドリアーン、クラウディオ、ロベルトは、女性を口説きに行くことを思いつく。レアンドロだけはビオランテに恋い焦がれていて、うわの空である。

 

 彼らは一軒の家の前で女性を呼ぶが、窓を開けたのは使用人の女であった。彼女は若者たちの騒ぎに腹を立て、ロベルトの頭の上に汚水をぶちまける。

 

 若者たちは、流行の服装についておしゃべりをした後、食事をするために一軒の店に入っていく。レアンドロだけは店の外で待つ。

 

 レアンドロは、通りすがりのパトリシオという男性に話しかけられ、意気投合する。レアンドロは、ビオランテに求愛していること、彼女がマントをとって顔を見せてくれたこと、これから彼女に会って手紙をもらうつもりであることをパトリシオに話す。ビオランテが窓を開けると、レアンドロは「彼女との密会を人に見られないように、あたりを見張っていてほしい」とパトリシオに頼む。

 

 パトリシオはビオランテの夫であった。彼はレアンドロの頼みを引き受けつつ、ひそかに復讐を決意する。

 

 ビオランテは、夫に愛されていないことを伝える手紙をレアンドロに渡す。レアンドロが去った後、パトリシオは他の女性と浮気をしていた自分のことを棚に上げ、ビオランテを非難して大げんかをする。

 

 ビオランテは家を出る。たまたまエウフラシアの従者が彼女に手紙を届けに来ていたので、彼女はエウフラシアの家へ行く。エウフラシアは彼女を受け入れる。

 

 ビオランテはエウフラシアの家でレアンドロと密会をする。その途中でパトリシオが乗り込んでくる。ビオランテはひそかにレアンドロを逃がす。パトリシオとビオランテは口論するが、エウフラシアの仲裁によって表向きは仲直りをし、ともに家へ帰る。しかしパトリシオは自分を裏切った妻とその愛人を殺そうと考えていた。

 

 クラウディオ、ロベルト、ルクレシオ、アドリアーンは、仮面をつけて結婚式に参加する計画を話し合う。レアンドロも話に加わるが、彼はその夜ビオランテに会いに行く約束のことを考えている。

 

 パトリシオがレアンドロの前に現れる。まだ彼がビオランテの夫だと気づいていないレアンドロは、彼にビオランテとの密会のことを打ち明ける。パトリシオは、ビオランテに見つからないように隠れて彼らの密会の場に立ち会う。

 

 パトリシオは、ビオランテの父親ベラルドに娘の浮気を知らせ、自分がビオランテレアンドロを殺すのを手伝わせようと考える。

 

 ベラルドは、ビオランテを妻として大切にしなかったパトリシオに良い印象を持っておらず、彼の話を聞いても娘の浮気を信じようとしない。パトリシオは、レアンドロビオランテのもとを訪れるところをベラルドに見せる。ベラルドは娘の浮気が事実だと知り、落胆する。彼はパトリシオの前にひざまずき、娘とともに自分も殺してほしいと頼む。

 

 パトリシオは英雄気取りで自身の名誉を守る行為の正当性を滔々と語った後、ベラルドを無力な老人とののしり、ビオランテの浮気を彼のせいにする。それを聞いたベラルドは剣を抜き、パトリシオを斬り殺す。彼は「娘を殺さずして我が身の名誉を守った」と言ってその場を去る。

 

 仮面をつけたクラウディオたちは結婚式場で顰蹙を買い、叩き出される。警吏ややじ馬たちが集まり、彼らはパトリシオの死体につまずく。ビオランテレアンドロは、パトリシオがなぜ死んだのだろうかと思いをめぐらす。レアンドロは喪が明けたら結婚してほしいとビオランテに告げ、ビオランテが喜んでそれを受け入れ、幕となる。