Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

名高きアストゥリアスの女たち(Famosas asturianas, las)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1610-1612年

種類:歴史劇

補足:全体が擬古文で書かれている。中世の伝説を扱ったものであり、直接にロペが参照したと考えられるのはロペ・ガルシア・デ・サラサール(Lope García de Salazar)の『繁栄と幸運の本 Libro de las bienandanzas y fortunas』(1471年)とペドロ・デ・ベシーリャ・カステリャーノス(Pedro de la Vezilla Castellanos)の詩(1586年)である。8-9世紀のアストゥリアス(スペイン北部の地方)が舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 アストゥリアス王国のレオン。国王アルフォンソ2世は暴徒たちに襲われ、修道院に逃げ込む。レオンの城代ヌーニョ・オソリオは国王を守り、暴徒たちを追い払う。

 

 国王はヌーニョに感謝する。ヌーニョは国王を称えるための祝祭を計画する。

 

 レオンの高名な貴族ドン・ガルシアには、サンチャという勇猛果敢な娘がいる。彼女は郊外の山中で熊を仕留める。

 

 サンチャは、父親からライン・デ・ラーラという青年との結婚を勧められていることを嘆く。狩りや戦いを好む彼女は、もともと結婚に無関心である。そこへラインがやってきて、彼女の冷淡さを嘆きながらも求愛する。サンチャはラインのしつこさにうんざりする。

 

 サンチャは、従妹のソルからヌーニョ・オソリオが国王を守った話を聞く。彼女はヌーニョに関心を抱き、彼を見るために祝祭に参加する。

 

 コルドバから、モーロ人の使者アウダーリャがレオンにやってくる。彼の目的は、かつてのアストゥリアス国王マウレガートがモーロ人の王アルマンソールと交わした契約を実行することであった。それによればアストゥリアス王国は、定期的に100人の乙女を奴隷としてモーロ人たちに差し出さなければならない。

 

 祝祭の場でヌーニョを見たサンチャは恋に落ちる。しかしその直後、彼女はモーロ人たちが自分の家の家畜を強奪しているという知らせを聞く。

 

 国王アルフォンソ2世はアウダーリャから契約の実行を求められ、嘆きつつも100人の乙女たちを差し出すことに同意する。ヌーニョは反対するが、王は彼に乙女たちを集めてくるよう命じる。

 

 サンチャは山を監視し、モーロ人の襲撃を防ぐ。ガルシアはサンチャにラインとの結婚をせかすが、サンチャは曖昧な返事をして時間稼ぎをする。彼女はソルに、結婚するなら自分の相手はヌーニョしか考えられないと話す。

 

 ヌーニョと彼の従者テーリョがガルシアとサンチャの家を訪問する。父娘は喜んで彼らを迎え入れ、家に泊める。ヌーニョはサンチャに魅力を感じるが、彼女を奴隷としてモーロ人に差し出さなくてはならないことを考え、心を痛める。

 

 ヌーニョは自分がやってきた理由を言い出すことができず「明日の朝、あなたの娘さんのことで話をしましょう」とガルシアに告げて寝室へ去る。ガルシアとサンチャは、ヌーニョがサンチャに求婚しにきたのだと勘違いをする。

 

 ラインが楽師たちをつれて、サンチャの家の窓の下で恋の歌を歌う。サンチャの家を襲撃しようとしていたモーロ人たちは、彼らを兵士と間違えて逃げていく。

 

 翌朝、ガルシアはヌーニョにサンチャを花嫁として引き渡そうとする。ヌーニョは誤解を与えてしまったことに苦悩し、真実を打ち明ける。サンチャは奴隷としてモーロ人に差し出される100人の乙女たちに加えられ、ガルシアは涙ながらにそれを受け入れる。サンチャはヌーニョがモーロ人の横暴さに対して何もしないことを非難する。

 

 ガルシアは別れ際に、サンチャに「モーロ人たちの中で一目置かれる存在になり、高貴な人物と結婚して、子どもにキリスト教の信仰を教え、そのうちの一人を私の元へ送ってほしい」と告げる。

 

 ラインはサンチャが奴隷の乙女たちに加えられたと知り、彼女たちに付き添うことを決意する。

 

 乙女たちの到着を待つアウダーリャは、サンチャの美しさを伝え聞き、自分の妻にしようともくろむ。

 

 サンチャは手足をむき出しにして馬にまたがり、護衛の男性たちを驚かせる。皆はサンチャが正気を失ったものと考える。しかし、モーロ人たちの姿が見えると、サンチャは衣服を着て女性らしい態度に戻る。ヌーニョがその理由を尋ねると、サンチャは「あなたたちと一緒にいても、私たちは女性としての恥じらいを感じません。だってあなたたちは私たちと同じように、臆病でひよわなのですから。でもモーロ人の男性は強いので、私たちは肌を見られたくないのです」と答える。

 

 サンチャの言葉を聞いたキリスト教徒の男性たちは発奮し、国王の命令を無視してモーロ人たちに戦いを挑む。乙女たちも、彼らとともに戦う。キリスト教徒側は、モーロ人の兵士たちに勝利する。

 

 国王アルフォンソ2世は、ヌーニョたちが命令に背いたことを知り、怒ってヌーニョを処刑しようとする。しかしヌーニョの「これは陛下への裏切りではなく、キリスト教徒の男性の勇敢さが問われたことによるものです」という答えを聞いた王は考えを改め、これからはモーロ人たちに対抗し、奴隷を差し出すことをやめると告げる。ヌーニョとサンチャが結ばれ、ラインとヌーニョの妹が結ばれて幕となる。

 

 

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