Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ペルセウスの寓話(Fábula de Perseo, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1611-1615年

種類:文学作品にもとづく神話劇

補足:おそらく宮廷で上演されたとみられる。ギリシャ神話の英雄ペルセウスの生涯を扱ったもの。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 古代のギリシャアルゴスアクリシオスの娘ダナエは、テーバイの王子リサルドに求婚されている。ダナエもリサルドを愛しているが、アクリシオスは彼女をリサルドから引き離すため、塔に幽閉してしまう。

 

 リサルドはアクリシオスの仕打ちを嘆く。彼の友人アルミンドはダナエの誘拐を勧める。二人は神殿を訪れ、アポロの神託を求める。神託は「黄金がダナエの囲みを越えるであろう」というものであった。リサルドはその曖昧な言葉に困惑しつつも、自分の所有する財産によってダナエを手に入れよという意味だと解釈する。

 

 神であるユピテルメルクリウスが登場する。ユピテルはダナエに恋をしており、彼女と結ばれるために黄金の雨に姿を変えて塔の中へ侵入するつもりだとメルクリウスに告げる。

 

 塔の中にいるダナエは、リサルドから矢文を受け取る。手紙には「アポロが黄金によってきみの愛を勝ち取ることができると預言したので、ぼくの全ての財産をきみに譲る」と書かれていた。その時、ダナエの部屋の中に雲が出現して黄金の雨(ユピテル)を降らせる。

 

 アクリシオス王が戦に出かけている間に、ダナエはユピテルの子どもを身ごもる。ユピテル「時」に頼んで時間を進めさせ、ダナエの出産を早める。その直後にアクリシオスが戦に勝利して戻ってくる。

 

 アクリシオスは、塔の番兵からユピテルとダナエが結ばれたと聞かされる。アクリシオスは名誉を汚された娘を一時は殺そうと考えるが、すでに子どもが生まれている上、ユピテルに復讐される恐れもあるため、やむを得ずダナエと赤ん坊を小舟に乗せて海へ流す。

 

 小舟はアカイア国に流れ着き、ダナエと赤ん坊は牧人たちに救出される。アカイアの王ポリュデクテスは美しいダナエに魅せられ、彼女を王妃にする。

 

 ダナエとユピテルの息子はペルセウスと名付けられ、ポリュデクテスの息子として育てられる。ある日、狩りに出かけたペルセウスが疲れて眠っていると、女神ディアナが彼を見て恋に落ちる。

 

 ディアナはペルセウスに、彼の本当の父親がユピテルであることを伝え、彼とダナエが乗った小舟をアカイアへ運んだのは自分であると教えて去る。ペルセウスはディアナの美しさに魅せられるが、彼の従者セリオは、女神でなく人間の女性を愛するべきだと彼に忠告する。

 

 ポリュデクテスは、成人したペルセウスに王位を奪われることを恐れ、わざと危険な任務を彼に与えて死なせてしまおうと考える。彼はペルセウスを呼び、アタランテ(アトラス)王が支配するマウレタニア国の山中に二人の姉妹とともに住んでいる怪物メドゥーサと対決することを命じる。ペルセウスはセリオをつれて出発する。

 

 メドゥーサの城を守る王子フィネウスは、テュロスの王女アンドロメダに恋をしている。彼はアンドロメダ肖像画をメドゥーサに見せる。

 

 ペルセウスユピテルの加護を祈る。すると天からメルクリウスとパラスミネルウァの別名)が降りてきて、彼に剣と盾を与える。盾の中心には鏡がはめこまれている。

 

 ペルセウスとセリオがメドゥーサの城に到着すると、入口へ通じる橋が崩れ落ち、「羨望」「追従」「忘恩」「嫉妬」という名の騎士たちが現れる。その後ろから巨人の「執着」が姿を現す。ペルセウスはパラスから与えられた盾をかまえて彼らの眼をくらませ、城の中へ突入する。

 

 ペルセウスと対面したメドゥーサは、彼に求愛する。しかしペルセウスは、自分が美徳の化身であり彼女が悪徳の化身であることを理由にそれを退ける。メドゥーサは、最高の美女であるアンドロメダを彼に与えると告げるが、ペルセウスはメドゥーサを剣で殺す。

 

 メドゥーサが死ぬと、彼女の髪の毛は蛇に変化する。彼女の血から天馬ペガソスが誕生する。ペガソスの横でパルナッソス山の泉が湧き、その周りに詩人ウェルギリウスムーサたちが出現して合奏や歌を披露し、スペイン国王フェリーペ4世を礼賛する。

 

 フィネウスは、優れた占星術師でもある王アタランテに、自分がアンドロメダと結婚できるかどうかを尋ねる。アタランテは「ひとりのギリシャ人がアンドロメダを危機から救い、彼女の愛を手に入れるだろう」と予言する。フィネウスは落胆する。

 

 ペガソスにまたがったペルセウスがアタランテのもとに到着する。彼はアンドロメダに会いに行くつもりだと告げ、彼の祖父アクリシオスとアタランテが友人であったことを理由に滞在を許してほしいと頼む。しかしアタランテは、自分の庭園から黄金の枝を盗まれることを恐れ、それを拒む。するとペルセウスは、アタランテを山に変えてしまう。ペルセウスはアタランテの庭園に入り、黄金の枝を盗む。

 

 フィネウスはテュロスに行き、王女アンドロメダに求婚する。しかしアンドロメダは彼に興味を示さない。一方、アンドロメダの友人ラウラフィネウスに恋をする。

 

 アンドロメダの父親であるテュロスが嘆きながらやってきて、海岸に現れる怪物の話をする。神託によれば、怪物を静めるにはアンドロメダをいけにえとして捧げなければならない。怪物は、アンドロメダの母の傲慢さに復讐するためアポロ神の母ラトーナが送りこんだものである。

 

 アンドロメダは自分の運命を受け入れ、いけにえとなる決心をする。フィネウスは彼女とともに死のうとするが、恋心が高じて正気を失う。彼は牧人の娘をアンドロメダと見間違え、棒馬にまたがって彼女を追いかける。

 

 アンドロメダは海岸の岩に鎖でつながれる。そこへペガソスに乗ったペルセウスが現れる。アンドロメダペルセウスに助けを求める。

 

 蛇の姿をした怪物が、口から火を吐きながら現れる。ペルセウスはペガソスに乗って舞い降り、怪物と戦う。

 

 怪物を倒しアンドロメダを解放したペルセウスは、テュロス王から彼女との結婚を許される。ペルセウスの祖父アクリシオスが死んだため、彼は祖国アルゴスへ戻る決心をする。ペルセウスは魔法の盾を使ってフィネウスに正気を取り戻させる。フィネウスはラウラと結ばれる。ペガソスが天へ飛び去る場面で幕となる。