Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

セビーリャの星(Estrella de Sevilla, la)

ロペへの帰属:否定されている

執筆年代:1626年以前?

種類:歴史劇

補足:すぐれた悲劇として高い評価を受けているが、作者が誰であるかという判断の難しい作品である。『故国巡礼』の作品リストや出版されたロペの戯曲集にはこの作品が含まれていない。現存する写しの草稿が複数あり、内容に若干の相違がある。写しには著者としてロペの名が示されているが、近年はロペ作と認めない傾向が強く、研究者によってアンドレス・デ・クララモンテの作とする説、ロペの原作をクララモンテが改作したとする説、一部の写しにその名があるカルデニオという人物が作者だとする説などがある。

 2014年にセビーリャ古典演劇劇団(la Compañía de Teatro Clásico de Sevilla)によって、ロペの作品として上演されている。

 13世紀後半のセビーリャが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 カスティーリャ王ドン・サンチョ(サンチョ4世)はセビーリャに入り、同市を占領する。セビーリャの人々は王への服従を表明する。

 

 セビーリャの女性たちの美しさは王の関心をひく。王はその中でもセビーリャの行政官ブスト・タベーラの妹で「セビーリャの星(エストレーリャ)」と呼ばれるエストレーリャ・タベーラに強く魅かれ、彼女を手に入れたいと望む。

 

 王の相談役アリアスは、王の望みをかなえると約束し、そのためには彼女の兄ブストに名誉を与えるのが得策であろうと進言する。

 

 王とアリアスはブストを呼び出し、盛大にもてなして彼に高い軍事的地位を与えると告げる。ブストは自分には不相応だと感じ、王に対してモラルと名誉の重要さを説く。王はブストの態度に苛立つが、彼を私室付き侍従に任命し、自身がエストレーリャの結婚式の立会人になると約束する。

 

 エストレーリャにはサンチョ・オルティスという恋人がいた。サンチョはブストに彼女との結婚式を早く挙げたいと伝えるが、ブストは憂鬱そうに「王は、自分の気に入った相手とエストレーリャを結婚させるつもりだろう」と彼に告げる。サンチョは嘆き悲しむ。ブストは彼をなだめ、「王には、妹がすでに婚約したと話す」と約束する。

 

 性急な王は、アリアスをつれて突然タベーラ家を訪問する。王は強引にエストレーリャに会おうとするが、ブストは妹の名誉のためにそれを制止する。アリアスはひそかにエストレーリャに会い、王の名を使って彼女を説得しようとする。エストレーリャは王との密会をきっぱりと拒絶する。

 

 エストレーリャを手に入れることに失敗した王とアリアスは、タベーラ家の奴隷ナティルデに「王をエストレーリャの寝室へ入れるよう手引きすれば自由の身分を与える」と約束する。ナティルデはその要求をのむ。

 

 ナティルデは、ブストの留守をねらって王を家に招き入れる。しかし王が家に侵入したとき、折悪しくブストが帰ってくる。王は隠れようとするがブストに見つかり、やむをえず身分を明かす。権力を盾にしてエストレーリャを奪おうとする王に対し、ブストはそのような行動は王にふさわしくないと断言する。やがてブストの従者たちが集まってきたために、王はその場から逃げる。

 

 アリアスは王に、「アンダルシアのエル・シッド」と呼ばれている勇敢なサンチョ・オルティスを使ってブストを暗殺することを提案する。彼らが窓の外を見た時、主人を裏切った罪で処刑されたナティルデの死体が塔からぶらさがっているのが目に入る。王は激怒する。

 

 ブストは身の危険が迫っていることを察知し、一刻も早くエストレーリャをサンチョと結婚させようと考える。彼はエストレーリャに事情を話し、サンチョを探しに行く。

 

 王はサンチョを呼び出し、ある人物を殺してほしいと依頼する。サンチョは王に逆らえずに承諾するが、だまし討ちではなく正々堂々と戦いたいと申し出る。見返りとして彼は「自分の選んだ女性との結婚」を要求する。王はそれを承諾し、殺す相手の名を書いた手紙を彼に渡して去る。

 

 ブストの従者が、エストレーリャとの結婚の許可を知らせる手紙をサンチョに届ける。サンチョは喜び、ブストに会いに行こうとするが、その前に任務のことを思い出して王の手紙を読む。彼は、殺せと命じられた相手が婚約者の兄であることを知って苦悩する。

 

 サンチョを探しに来たブストが彼と対面する。二人は王への忠誠と名誉との板挟みになり、苦悩しながらも剣を交えて戦う。ブストは妹のことをサンチョに託して死ぬ。

 

 サンチョはブストを殺した罪で捕らえられる。サンチョはその理由について話すことを拒む。

 

 結婚式の準備をしていたエストレーリャのもとに、ブストの遺体が運ばれてくる。ブストを殺した犯人がサンチョであると聞かされたエストレーリャは悲嘆する。

 

 セビーリャの高官たちから、サンチョがブストを殺した理由について口を閉ざしていることを聞いた王は驚き、彼に真実を言うよう説得しろと高官たちに命じる。高官たちは牢獄を訪れてサンチョを説得しようとするが、サンチョは応じない。

 

 エストレーリャが王の許可を得て牢獄に入り、サンチョと対面する。エストレーリャはサンチョを逃がそうとするが、サンチョはそれを拒否し、自らの死を望む。

 

 王は自らの行いを恥じるが、真実を公にすることはできず、アリアスの助言に従ってサンチョの減刑を高官たちに提案する。しかし高官たちはサンチョを斬首刑にするしかないと結論する。

 

 サンチョとエストレーリャが王の前に引き出された時、王はついに自らの犯した卑劣な行為を皆の前で告白する。サンチョの斬首刑は中止される。

 

 サンチョはエストレーリャとの結婚を王に願い出る。王はそれを承諾する。しかし、ブストの死は恋人たちの心に暗い影を落とし、二人は結局結婚をあきらめることになる。サンチョとエストレーリャが別れを告げる場面で幕となる。

 

 

 

 


LA ESTRELLA DE SEVILLA de Teatro Clásico de Sevilla. Vídeo promocional