Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

罪の物的証拠(En los indicios, la culpa)

ロペへの帰属:ほぼ確実

執筆年代:1596?-1603年

種類:都会的な同時代劇

補足:マドリードが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ドン・ルイスドニャ・クララに熱心に求愛しているが、全く相手にされない。それもそのはず、クララはルイスの友人ドン・フアンの妻なのである。フアンは2か月前から家を留守にしており、クララは「自分の名誉にかかわるので、つきまとうのはやめてほしい」とルイスに告げる。ルイスの従者グスマンも主人をいさめる。

 

 クララの元に、彼女の従妹のドニャ・イネスが病気だという知らせが届く。クララは急いでイネスに会いに出かける。ルイスはひそかに彼女の後を追跡する。

 

 クララの夫のフアンが、バルセロナ出身の友人フェリーペを連れて突然帰宅する。フアンは家の中に誰もいないのを見て不審に思うが、隣人が現れてクララがイネスの家へ行ったことを説明する。フアンはひとりでイネスの家へ向かう。

 

 フェリーペと彼の従者ゴンサーロがフアンの帰りを待っていると、フアンと入れ違いにクララが戻ってくる。クララの後を追ってきたルイスがしつこく彼女に付きまとうのを見たフェリーペは、クララを助けにとびだして行き、ルイスに傷を負わせて追い払う。

 

 クララはフェリーペに感謝するが、彼がフアンの友人だと聞かされると「夫には今の出来事を知らせないでほしい」とフェリーペに懇願する。その後、クララと入れ違いになったことに気づいたフアンが戻ってきて、3人は家の中に入る。

 

 ルイスがひそかに戻ってきて、フェリーペがクララとともに家に入っていくのを目撃する。彼をクララの愛人だと勘違いしたルイスは、嫉妬にかられて家の扉を激しく叩く。何事かと思ったフアンが扉を開ける。フアンの姿を見たルイスはとっさに気絶したふりをする。

 

 フアンはルイスが傷を負っているのを見て家の中に運び、手当てをする。フェリーペとクララはルイスが嫉妬にかられて戻ってきたことを察する。

 

 しばらく座を外したフェリーペは、戻ってきて皆の前で「ルイスを襲った連中と話をしてきた。ルイスは友情を裏切って友人の留守中にその妻を口説いたらしい。ぼくが『ルイスには自分のしたことを償わせる』と連中を説得した」と語る。ルイスは恥じ入って帰っていき、クララはひそかにフェリーペの機転を賞賛する。

 

 数日後、病から回復したイネスがクララを訪ねてくる。イネスはクララからフェリーペの見事な機転について聞かされ、フェリーペに憧れを抱く。クララはイネスの恋を応援する。

 

 フェリーペはかつてバルセロナで既婚者の女性と恋に落ち、その女性の夫の怒りを買ったため逃亡してきたのだった。それを知ったイネスは、フェリーペ宛てに届いたその女性の手紙をひそかにゴンサーロから奪う。手紙がなくなったことを知ったフェリーペは、女性の夫が自分の居場所をつきとめたのではないかと恐れる。

 

 クララは夫の許可を得て、フェリーペに「しばらく私の家に隠れていた方がいい」と勧める。フェリーペはそれに従う。

 

 ルイスはイネスに求愛するふりをしてフアンの警戒心を解き、一方でフェリーペがクララを口説いているという告発文をわざとフアンに読ませる。フアンはフェリーペとクララに疑いを抱く。

 

 イネスとクララは、フェリーペがバルセロナの女性にあてて書いた手紙をひそかに盗み読みする。それを見たフアンは、フェリーペがクララに手紙で求愛しているのだと勘違いして嫉妬する。

 

 ゴンサーロは主人のフェリーペに、「いっそ意中の女性の夫を殺してはどうか」と提案する。それを耳にしたフアンは、フェリーペが自分を殺害しようとしているのだと思いこみ、フェリーペとクララを殺して逃亡しようと決心する。

 

 フェリーペはゴンサーロに、自分のバルセロナの女性への気もちはなくなり、今はイネスに恋をしていることを告白する。

 

 ルイスはフアンの疑念を利用し、わざとフアンとフェリーペを別々に決闘の場へ呼び出す。フアンはフェリーペを見るなり斬りかかろうとするが、フェリーペはその理由が分からず、フアンを問いただす。フアンは、クララの机の上で発見した手紙を彼に見せる。フェリーペは「それは自分がバルセロナの女性にあてて書いた手紙であり、なぜそれをきみが持っていたのかわからない」と告げる。二人はルイスにだまされたことに気づく。

 

 ルイスは二人の不在中を狙ってクララを奪おうとするが、戻ってきたフアンとフェリーペに見つかり、逃亡する。グスマンが皆の前で、主人の悪だくみをすべて告白する。フアンはわずかな物的証拠だけを頼りに友人と妻を疑ったことを謝罪する。イネスはフェリーペの手紙を奪ったことを白状するが、フェリーペはそれを許し、彼女への愛を告白する。ゴンサーロはクララの侍女テオドラから求愛されるが、彼女との結婚を拒みトルコへ行く決意を表明して幕となる。