Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

セラウロの虚言(Embustes de Celauro, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1600年

種類:都会的な同時代劇

補足:イタリアが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 息子のルペルシオが貧しい家の娘とひそかに結婚しているという噂を聞いたヘラルドは、ルペルシオを呼び出して非難する。ルペルシオはその噂をきっぱりと否定し、両者は和解する。ヘラルドはルペルシオに金を贈る。

 

 しかしルペルシオは父に嘘をついていた。彼は本当は10年も前からフルヘンシアという貧しい娘と秘密の結婚関係を続けていて、子どももすでに二人いた。ルペルシオから命じられて妻子に食べ物を届けているのは従者のサビーノである。

 

 ルペルシオの友人セラウロは、フルヘンシアに横恋慕をしている。彼はフルヘンシアに、ルペルシオが別の女性とも交際していると嘘を言い、「真実を確かめたいなら、きみが男装して夜にその女の家へ行ってみればいい。ぼくの従者が案内するだろう」とそそのかす。

 

 フルヘンシアの元へ来たルペルシオは「父の態度から判断して、ぼくたちの関係はやはり秘密にしておいたほうがいい」と彼女に告げる。夫が自分たちの関係を隠そうとしているのを見たフルヘンシアは、セラウロの言葉が本当かもしれないと考え、夫の浮気を疑う。

 

 セラウロはルペルシオを家から誘い出し、賭博をさせる。ルペルシオは、父からもらった金を賭博で使い果たしてしまう。

 

 セラウロは、妹のレオネーラに、ルペルシオとフルヘンシアを仲違いさせて自分がフルヘンシアを手に入れようと思っていることを話し、協力を依頼する。レオネーラは、自分に危険が及ぶことを心配しながらもそれを承諾する。

 

 ルペルシオは、セラウロから「自分が言い寄っている女がいるのだが、親戚の非難をそらすために今夜はきみが彼女の家を訪ねて行ってほしい」と頼まれて承諾する。セラウロはルペルシオをレオネーラのもとへつれていく。

 

 フルヘンシアはセラウロの従者に案内を頼み、ルペルシオがレオネーラのもとを訪れているのを目撃する。怒ったフルヘンシアは男性のふりをしたまま、ルペルシオに決闘を挑む。しかしセラウロと彼の従者が両者をなだめて帰らせる。

 

 レオネーラに求愛しているオタービオもその場にいて、彼らの様子を陰から観察していた。彼はレオネーラが別の男性と会っていたことに腹を立て、彼女の説明を聞かず去る。

 

 その後、フルヘンシアはルペルシオと喧嘩し、二人の子どもを連れてセラウロの叔父の家に居候する。フルヘンシアとレオネーラは親しくなる。

 

 セラウロはフルヘンシアに求愛するが、彼女の心はなびかない。ひと月が経過し、ルペルシオがフルヘンシアを連れ戻しにやってくると、二人はよりを戻す。

 

 セラウロは、計画が失敗に終わったことを嘆く。レオネーラは彼に「フルヘンシアの左胸の上にほくろがある」ことを教える。

 

 オタービオは、「きみに失恋したから修道院に入る」という手紙をレオネーラに送る。レオネーラは絶望して自殺を考える。その様子を見たオタービオは彼女の潔白を信じ、あらためて彼女に求婚する。

 

 しかしセラウロはオタービオがレオネーラの夫として不適格だと考え、怒って彼に戦いを挑む。ルペルシオがそれを目撃し、オタービオを追い払う。セラウロは「オタービオはフルヘンシアの愛人になり、彼女を連れ去ろうとした。ぼくはきみの名誉のために彼と戦ったのだ」と嘘をつく。彼がオタービオから聞いた話としてフルヘンシアのほくろの位置のことを告げたので、ルペルシオは彼の話を信用する。

 

 ルペルシオは怒り、自身の名誉が傷つけられたと思ってフルヘンシアを殺そうとするが、もともと二人の関係が公になっていないことに気づく。彼は彼女を非難しながら二人の子どもを連れ去る。フルヘンシアは泣いて無実を誓う。

 

 フルヘンシアは夫と子どもを探して歩き、夫の父であるヘラルドの領地へやってくる。村人のベラルドに出会ったフルヘンシアは、妻の花嫁衣裳が必要だという彼に自分の服を与え、代わりに質素な服をもらう。

 

 サビーノはヘラルドに、ルペルシオがひそかに貧しい娘と結婚して二人の子どもをもうけたこと、セラウロの悪だくみのせいで二人が仲違いし、ルペルシオが子どもたちをつれて行方をくらましたことを告白する。ヘラルドは嘆き、息子と孫たちを探す決心をする。彼は、村人の服を着たフルヘンシアと出会う。フルヘンシアは「私は息子さん夫婦に仕えていた者です」と嘘をつき、ヘラルドの従者として雇われる。

 

 ルペルシオもまた、ヘラルドの領地へやってくる。彼はベラルドがフルヘンシアの服を持っているのを見て、彼を問い詰める。怯えたベラルドは、事故で死んだ女性の服だと嘘をつく。ルペルシオはフルヘンシアが死んだと思って悲しみ、ベラルドから服を奪って去る。

 

 ルペルシオは子どもを連れてヘラルドの家のそばへ来る。彼はフルヘンシアに再会する。ルペルシオは彼女が生きていたことを喜ぶが、まだ彼女を許せず、子どもたちを残して立ち去る。

 

 ヘラルドが現れ、フルヘンシアのそばにいる子どもたちは誰かと尋ねる。フルヘンシアは「知り合いの子どもを預かった」と嘘をつく。

 

 ヘラルドはフルヘンシアに求婚し、「息子が見つからなかったら、きみに財産を譲る」と彼女に告げる。フルヘンシアは、ルペルシオが再び現れることを期待しながらそれを承諾する。

 

 ベラルドから服を奪った人物を探していた村人たちは、偶然通りかかったセラウロを見つけ、犯人だと誤解する。彼らはセラウロを木に縛り付けて殴り、去る。傷を負ったセラウロは死を予感し、それまでの自分の行動を悔いる。

 

 ルペルシオがセラウロを見つける。セラウロは自分のしたことを白状し、殺してほしいと彼に頼む。ルペルシオはセラウロが改心している様子を見て、彼を許す。

 

  ヘラルドはフルヘンシアとの結婚式の準備を終え、レオネーラとオタービオに立会人になってくれるよう依頼する。

 

 ルペルシオが村人たちに殺されたという誤報がヘラルドの家に届く。フルヘンシアは絶望し、自分が彼の妻であったことをヘラルドに打ち明けて子どもたちを託す。

 

 フルヘンシアは自ら命を断とうとするが、そのときセラウロを背負ったルペルシオが現れる。ヘラルドが息子たち一家を受け入れ、彼らに祝福を与えて幕となる。