Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

いずれわかる(Ello dirá)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1613-1615年

種類:架空の宮廷劇

補足:原題の直訳は「それが物語るだろう」である。時代や地域は明確に設定されていない。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 軍人のテオドーロは、反乱を鎮圧して従者のファビオや兵士たちとともにアルバ・レアルに帰還する。恋人のオクタビアは、バルコニーで彼を迎える。皇帝のオトンはテオドーロの軍功を称え、ロシア伯爵の位を与える。

 

 オトンの元に、農夫で彼の古い友人であるラウレンシオが死んだという知らせが届く。オトンは、テオドーロとオクタビアに、ラウレンシオの遺児フェデリーコマルセーラを宮廷人として教育するよう依頼する。

 

 フェデリーコはオクタビアにひとめぼれする。テオドーロをそれを見て嫉妬する。マルセーラの方はテオドーロにひとめぼれし、オクタビアはそれを見て嫉妬する。

 

 オトンは美しいマルセーラを眺めて楽しむ。オクタビアはそれを見て、オトンが彼女に恋しているのではないかと推測する。豪胆なフェデリーコは武具を求め、オトンは彼に剣を与える。

 

 トルコのスルタンであるセリンは、休戦協定を打ち切るとオトンに告げる。オトンはテオドーロを呼び、トルコに対抗する軍隊の指揮を命じる。テオドーロは、自分が留守にしている間にオクタビアとフェデリーコが深い仲になるのではないかと案じながら戦地へ向かう。

 

 オクタビアは、皇帝との関係をマルセーラに問いただす。しかしマルセーラは、やましいことはしていないと断言する。いっぽうフェデリーコは、オクタビアへの求愛が報われないことを嘆く。オクタビアは「戦地にいるテオドーロが私のことを忘れるようなことがあれば、あなたを愛しましょう」と彼に告げる。

 

 テオドーロがトルコ軍に捕らわれたという知らせが届く。フェデリーコは皇帝の許しを得て、救援軍に加わる。

 

 捕虜となっていたテオドーロは、スルタンの后となるために連れてこられたトルコの女性ファティマに助けられる。

 

 オトンはマルセーラと仲睦まじく王宮で時を過ごす。オクタビアは、オトンがマルセーラの膝を枕にして眠っているのを見る。オクタビアはマルセーラを非難し、「皇帝のあなたへの寵愛が宮廷のうわさになっている」と告げて去る。眠ったふりをして彼女の話を聞いていたオトンは、マルセーラの評判に傷がついたことに気づき、それを償おうと考える。

 

 皇帝軍はトルコに勝利し、テオドーロが捕虜たちとファティマをつれて帰還する。オクタビアは彼を迎え、マルセーラが皇帝の愛人になったと告げる。

 

 オトンが二人のもとへ現れ、テオドーロとマルセーラを結婚させると公表する。テオドーロは抗うことができずにそれを承諾するが、皇帝の愛人をあてがわれたことに嫌悪を覚える。彼は、良き妻を得たと彼を祝福する皇帝に「いずれわかるでしょう」とそっけなく答える。

 

 オトンはさらに、フェデリーコをポーランドの王女と結婚させようとする。従者のアウレリオは、それは農村の出であるフェデリーコには過ぎた名誉であると警告する。しかしオトンはフェデリーコにはその結婚に見合う価値があると断言する。

 

 テオドーロはマルセーラと結婚した後も、身体の関係を持つことを拒否する。マルセーラはオトンに会い、そのことを告げて嘆く。オトンはテオドーロに会い「マルセーラはもう妊娠したか」とさりげなく尋ねる。テオドーロはそれを聞いて、マルセーラがオトンの子どもを身ごもったのだと思いこみ、自身の名誉が傷つけられたことに対する復讐を決意する。

 

 テオドーロはマルセーラをつれて領地のエステリアへ行く前に、オクタビアに別れを告げる。テオドーロが去ると、フェデリーコが現れてオクタビアに求愛する。しかしオクタビアは「皇帝があなたを結婚させようとしているのを知っている。二度も男に裏切られるのはまっぴら」と告げて彼を拒否する。

 

 エステリアの村人たちは、領主のテオドーロ夫妻を歓迎する。しかしテオドーロはひそかに「マルセーラを海へ投げ込め」とファビオに命じる。ファビオはひそかにマルセーラの命を助け、共に山中に隠れる。

 

 テオドーロの元に「トルコ軍がファティマを救出する目的で攻めてきたため、軍を指揮するように」というオトンからの命令が届く。

 

 オクタビアは、フェデリーコの求愛に根負けして彼を受け入れようとする。しかしテオドーロが宮廷に現れ、マルセーラが死んだとオトンに知らせる。オトンは悲しみ、テオドーロが彼女の死に関わっているのではないかと怪しんで彼を宮廷から追放する。テオドーロはオクタビアに自分のしたことを告白し、ともにエステリアへ行って結婚しようと誘う。オクタビアは了承する。

 

 スルタンのセリンに率いられたトルコ軍は、エステリア近郊の山中を進む。セリンはひとりの羊飼いの女性に出会う。その正体はマルセーラであった。マルセーラはセリンに、オトン自らが指揮する軍隊が彼らを待ち受けていると告げ、撤退することを勧める。

 

 ファビオは、戦争が始まればマルセーラの身が危険にさらされると考え、変装して宮廷へ戻ることを彼女に提案する。そのとき、テオドーロを追跡してきたオトンの従者が現れ、テオドーロとオクタビアがその日のうちに結婚するらしいと彼らに教える。マルセーラは彼らの結婚式を見届けようと決意する。

 

 エステリアの村人たちは、マルセーラの死後すぐにオクタビアと再婚しようとしているテオドーロを薄情な人物だと噂する。マルセーラとファビオは隠れてテオドーロとオクタビアの結婚式を見守る。しかし結婚式の途中でオトンの従者が現れ、オトンがトルコ軍に勝利したことを告げる。さらにフェデリーコや兵士たちをつれたオトン自身が登場し、テオドーロがオクタビアと結婚するためにマルセーラを殺したと非難する。

 

 テオドーロはマルセーラを殺したことを認めるが、オトンも愛人のマルセーラを自分と結婚させたと言って反論する。オトンは彼に真実を告白する。フェデリーコとマルセーラは、ほんとうはテオドーロの姉リセーナとオトンとの間にできた子どもであった。フェデリーコはその場で皇帝の後継者に任命され、オクタビアに求婚する。オトンはマルセーラを殺した罪でテオドーロを死刑にしようとするが、そのときマルセーラが皆の前に姿を現す。ファビオは、自分が彼女を助けたことを告白する。オトンとマルセーラはテオドーロと和解し、フェデリーコはオクタビアと結婚する。ファビオは褒美として元帥の位を与えられて幕となる。