Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

模範的な妻と忍耐の証明(Ejemplo de casadas y prueba de la paciencia, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599-1608年

種類:架空の宮廷劇

補足:ボッカッチョ『デカメロン』第十夜第十話のプロットに基づいているとみられる。バルセロナが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 バルセロナの君主であるエンリコ伯爵は、家臣たちから「そろそろ結婚するように」とさかんに勧められるが、妻にふさわしい女性を選べる自信がない。

 

 伯爵は君主としての義務を果たすため法廷に赴き、家臣たちの訴えを聞く。最初の女性は、夫を亡くしたその日のうちに従者と再婚しようとして、夫殺しの疑いをかけられていた。彼女は証拠不十分で放免される。次に、女性の身体を奪うために口先だけの結婚の約束をした男性と、結婚の履行を要求する女性が現れる。伯爵は「嫌がる男と無理やり結婚しても、幸せな結婚生活は送れない」と告げて女性に金を与え、別の男性を探すよう忠告する。八回の結婚をした男性は妻殺しの疑いをかけられるが、根拠がなく無罪放免となる。

 

 狩りに出かけた伯爵は、村の若者たちに出会う。若者たちは伯爵が自分たちの君主であるとは気づかず、「エンリコ伯爵はどんな人か」と尋ねる。伯爵は「正義感のあるいい人物だが、家臣たちは彼が結婚しないことを非難している」と答える。

 

 村の娘ラウレンシアは、「神に運命をゆだね、良い評判や美徳や勇気をそなえた誠実な女性をお探しなさい。必ずしも高貴な身分である必要はないでしょう」と伯爵に助言する。思慮深いラウレンシアに強く魅かれた伯爵は自分の正体を明かし、彼女を妻に迎える。ラウレンシアの友人であったフェニーサは、彼女の侍女として宮廷へついていく。

 

 2年後、村の若者ダンテオベラルドは、ラウレンシアの様子を見に行く。ラウレンシアと伯爵の間にはすでに息子がいた。

 

 ラウレンシアの優れた美徳は賞賛の的になっていたが、女性というものが信用できない伯爵は彼女に試練を与えて試してみようと考える。家臣のティバルトは、いやいやながらそれに従う。

 

 ティバルトはラウレンシアに「伯爵があなたのような卑しい女性と結婚したので、世間はそのことを非難しています。伯爵は、すでに世継ぎは得たのだから娘は殺すようにと命じられました」と告げる。ラウレンシアは夫に服従し、娘を彼の手に渡す。

 

 伯爵は、村人たちが妻と一緒にいるのを見て怒り、彼らを追い出す。ラウレンシアは伯爵に「私がもともと村に生まれた娘です。あなたがそれを変えることはできません」と諭す。伯爵はラウレンシアにさらなる試練を課すため、息子も殺すと彼女に告げる。ラウレンシアは黙って息子を彼に引き渡す。

 

 伯爵は続いてラウレンシアに、宮廷から去って実家へ戻るよう命じる。ラウレンシアは、「故郷から持ってきた服だけは大切にとっておいたので、持って行かせてほしい」と頼み、夫の命令に従う。ラウレンシアが去ると、伯爵は泣く。

 

 故郷へ戻ったラウレンシアは、傷心のあまり独りで山に引きこもってしまう。

 

 伯爵は十字軍遠征に出発する。家臣たちは後継ぎがいないことを嘆くが、伯爵は「ラウレンシアが産んだ子どもたちは生きている」と告げる。

 

 ビアルヌ(フランス)の王子ゴドフレードは妻を亡くし、後継者がいないことに悩む。彼はラウレンシアの肖像画を見て恋に落ち、彼女を妻にしようと望む。

 

 ラウレンシアのもとに、ゴドフレード王子の使者と伯爵の使者がやってくる。ゴドフレードからの使者は、ラウレンシアに王子の求婚を告げる。伯爵からの使者は、「伯爵がフランスの王女と結婚するので、婚礼の準備をしてほしい」と告げる。ラウレンシアは、まだ夫である伯爵に対して義務があると判断し、王宮へ行く決心をする。彼女の選択に皆は驚く。

 

 伯爵とフランスの王女との結婚式が行われるが、花嫁の正体はラウレンシアと伯爵との娘であり、立会人の正体は息子であった。伯爵がラウレンシアを試そうとしてこれらのことを行ったことを打ち明け、再び彼女を妻として迎えて幕となる。