Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ドン・ロペ・デ・カルドーナ(Don Lope de Cardona)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1608-1612年

種類:歴史劇

補足:中世のアラゴンシチリアが舞台となる。男装の女性が登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  アラゴン王子ドン・ペドロとの馬上槍試合で命を落とした息子の仇を取るため、シチリアロヘリオは艦隊を送ってアラゴンに戦いを挑む。

 

 アラゴンの軍人ドン・ロペ・デ・カルドーナシチリアの艦隊と勇敢に戦い、見事に勝利する。ロペは意気揚々とバレンシアへ戻ってくるが、誰も彼を迎えに出てこないのを見て不審に思う。

 

 ロペの妻カサンドラが彼を迎え、事情を説明する。「王子ペドロが、あなたの不在中に私の身体を奪おうとしたのです。あなたの父ドン・ベルナルドが私を守ろうとして王子に怪我を負わせたので、王子はベルナルドを投獄し、あなたを歓迎することも禁じました」

 

 アラゴンドン・アルフォンソは王子の意思に従ったものの、罪悪感を覚えていた。ロペは父の投獄の理由を知らないふりをして王宮に参上し、「罪を犯した父には死をもって償わせてください」と告げる。王はロペの態度を評価し、ベルナルドの死刑を免じるかわりに彼とロペの国外追放を命じる。ロペはそれを受け入れる。カサンドラも彼についていくことを誓う。

 

 カサンドラに執着しているドン・ペドロは、ロペの追放に反対する。いっぽう、ロペの兵士たちは王子の仕打ちに怒りを覚えて王宮を攻めようとする。ロペは兵士たちをなだめて、自身の王家への忠誠を宣言する。

 

 ロペたちは粗末な帆船に乗って出発しようとする。そのときペドロがやってきて、ロペを捕えようとする。ベルナルドはペドロの兵を引き付けておき、その間にロペとカサンドラを逃がす。

 

 ペドロはベルナルドを再び投獄し、ロペが彼に復讐しようとしたときは人質としてベルナルドを使おうと考える。

 

 ロペとカサンドラが乗った船が難破し、二人はシチリアへたどり着く。シチリア王ロヘリオは、自分の艦隊を破った憎い敵であるロペを捕える。ロヘリオはロペに、アラゴンを攻める艦隊の指揮をしなければカサンドラを殺すと脅す。ロペはやむなくそれに従う。

 

 ロペは、父のベルナルドを救うため、アルフォンソと話し合いをさせてほしいとロヘリオに頼む。ロヘリオはそれを承知するが、ロペが戻って来なければカサンドラを殺すと告げる。ロヘリオの娘クレナルダは、自分がペドロを愛していることをカサンドラに告白する。

 

 カサンドラはクレナルダと共謀して、クレナルダとペドロとの結婚によって両国の争いを終わらせようと計画する。カサンドラはペドロに手紙を書いて誘い出し、クレナルダに会わせようと考える。

 

 ロペはアルフォンソに、アラゴン側の誰かと1対1で決闘をしたいと申し出る。ロペが負ければシチリア軍は撤退する。ロペが勝てば、アラゴン側はベルナルドを解放するだけでよい。アルフォンソとペドロはその条件をのむ。ペドロはロペに報復するチャンスとみて、自分が彼と決闘をしたいと申し出るが、アルフォンソはそれを止める。

 

 ペドロは狡猾にも、ベルナルドをだまして決闘に出場させる。ベルナルドとロペは、互いに自分の決闘相手が肉親であることを知らない。

 

 しかし決闘が始まると、兜で顔が隠されているにもかかわらず、二人は相手の正体が肉親であると悟る。ロペはひそかに「ロヘリオを頼って、アラゴンから逃げましょう」と父に告げるが、ベルナルドは祖国と主人を捨てることを拒否する。ロペは一計を案じ、大声で「アラゴンの王子である私の主人と戦うことはできない」と叫んで決闘を放棄する。何も知らない観客は、ロペの相手がペドロだったのだと思いこみ、ロペの忠誠心を賞賛する。

 

 シチリアの軍はバレンシアから撤退する。ペドロが悔しがっているところへ、カサンドラからの手紙が届く。ペドロは喜び、手紙に書かれていた逢引の場所へ行く。

 

 逢引の場所では、カサンドラとの打ち合わせ通りクレナルダがペドロを待っていた。しかし、ペドロが到着すると同時にロヘリオがやってきてペドロを捕えてしまう。ロヘリオは、クレナルダがペドロをおびき出してくれたものと思って彼女に感謝する。

 

 ロペは、ペドロが落としていった手紙を読み、カサンドラがペドロに手紙を書いたことを知る。ロペはカサンドラが不義密通をしようとしたのではないかと疑う。

 

 カサンドラは、ロペの誤解がとけるまで姿を隠すことに決める。彼女はシチリア人の監視を逃れてバレンシア市内に身を隠す。カサンドラの指示を受けた従者のフェリックスはロペのもとへ行き、「カサンドラ様の書いた手紙はクレナルダ様とペドロを会わせるためのものでした。しかし、その手紙を読んだロヘリオ様は怒り、カサンドラ様を殺してしまったのです」と告げる。ロペは絶望して自殺を図り、海に飛び込む。しかし彼は助けられ、アルフォンソのもとへつれていかれる。アルフォンソは、カサンドラがロヘリオに殺されたという話をロペから聞くと、ロペを許し、ペドロをシチリアから救出するため、ロペを軍の司令官に任命する。

 

 シチリアにいるクレナルダは、投獄されているペドロに自分の恋心を告白する。ペドロは彼女を受け入れる。そこへロペの率いるアラゴンカスティーリャポルトガルの海軍が攻めてきたという知らせが入る。

 

 カサンドラポルトガルの騎士に変装してロペに同行する。いっぽう、クレナルダも男装してロペの軍に潜入する。

 

 アルフォンソとロペの軍はシチリアの王宮を包囲する。ロヘリオは「攻めてきたらペドロを殺す」と抵抗する。そのとき男装したカサンドラがクレナルダを捕えるふりをして「抵抗するならあなたの娘を殺す」とロヘリオに告げる。クレナルダは「私とペドロとの結婚を許して、両国の対立を終わらせてください」とロヘリオに懇願する。

 

 クレナルダの懇願を聞いて、ロヘリオとアルフォンソは和解する。カサンドラは変装を解く。ロペは妻が生きていたことを知って歓喜する。ロペが観客に挨拶をして幕となる。