Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ルカス先生(Dómine Lucas)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1591-95年

種類:都会的な同時代劇

補足:初期の作品。友人のフアン・デ・ピーニャに献呈されている。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  アルバ・デ・トーレスの祭りの帰りに、ロサルドファブリシオという二人の若者は、老い郷士フルヘンシオと彼の姪レオナルダを家まで送る。フルヘンシオには、ルクレシアという娘がいる。ロサルドはレオナルダに求婚しており、ファブリシオはルクレシアに恋している。

 

 フルヘンシオは、若者たちが闘牛に参加しなかったのは勇気に欠けた行為だと語る。それを聞いた通りすがりの若者フロリアーノは、闘牛に参加して負った傷痕を彼らに見せる。レオナルダとルクレシアはフロリアーノに魅せられ、ロサルドとファブリシオは彼に嫉妬する。

 

 フロリアーノはサラマンカ大学の神学生であった。ルクレシアに惹かれた彼は、同行していた友人のアルベルトに「きみはサラマンカに戻って、ぼくがしばらく大学を休むと伝えておいてくれ」と頼む。アルベルトと別れた後、フロリアーノは宿屋でぐうたらな修道士デシオから服を盗み、托鉢修道士に変装してルクレシアに接近しようと計画する。

 

 レオナルダはルクレシアに、フロリアーノに恋していることを打ち明ける。ルクレシアは、「父はあなたを裕福なロサルドと結婚させるつもりよ」と警告する。

 

 そこへ、托鉢修道士に変装したフロリアーノが現れ、ルカスと名乗って喜捨を求める。フロリアーノはルクレシアと二人きりになると、正体を隠したまま「フロリアーノという男性があなたに恋しています」と伝える。ルクレシアは喜ぶ。

 

 ルクレシアは父のフルヘンシオに、「この方は病気だからしばらくここに泊めてあげてください。回復する間、私は読み書きをこの方に教えてもらいます」と告げる。

 

 ロサルドがレオナルダに結婚を申し込みに来る。しかしレオナルダは結婚を拒絶する。ロサルドは立腹する。フルヘンシオは彼をなだめるため、「代わりに娘のルクレシアはどうか」ともちかける。ロサルドはルクレシアの持参金に目がくらみ、ファブリシオとの友情を捨ててルクレシアと結婚しようとする。

 

 ルクレシアは、なんとか時間稼ぎをしようと企む。彼女はロサルドに「レオナルダは、本心ではあなたが好きなのです。もう少し彼女を説得してみてください。それでもだめなら私があなたと結婚しましょう」と告げる。

 

 ルクレシアはルカス(本当はフロリアーノ)に事情を話し、自分はフロリアーノを愛しているのだと告げる。ルカスはわざと「ロサルドはお金持ちだし、地元の人です。フロリアーノは貧乏なよそ者です。ロサルドを好きになった方がいいでしょう」と忠告する。ルクレシアはその言葉に反発し、再びフロリアーノへの愛を誓う。彼女の言葉に感激したフロリアーノは正体を明かし、ルクレシアと互いの気持ちを確かめ合う。

 

 フロリアーノとルクレシアは計画を立てる。まずルクレシアがレオナルダをだますことにする。ルクレシアはレオナルダに「実はフロリアーノがあなたと結婚したがっているのだけれど、父は私を彼と結婚させたいと思っている。だから父はあなたをだまして『(ロサルドとは)結婚したくない』という言葉をわざとフロリアーノに聞かせてあきらめさせるつもりらしい」と告げる。

 

 その後、ロサルドとフルヘンシオがレオナルダのもとへ来て、再びロサルドとの結婚をすすめる。レオナルダはフロリアーノがどこかに隠れているものと思って「結婚します」と答える。ひそかにルクレシアの持参金を当てにしていたロサルドは、内心がっかりする。

 

 ルクレシアは、読み書きを習うふりをしてフロリアーノに経過報告をする。フロリアーノは、ファブリシオも彼女に恋していることを聞かされて嫉妬する。

 

 フルヘンシオは、さっそくレオナルダに結婚証書へサインさせようとする。しかしレオナルダはロサルドとの結婚を拒み、フロリアーノと結婚すると主張する。フルヘンシオは再び、ルクレシアにロサルドと結婚するよう命じる。ルクレシアはそれを拒否し、怒ったフルヘンシオは彼女を殴ろうとする。

 

 ルカス(本当はフロリアーノ)が現れ、「無理やり結婚させようとするのは神の意思に反する」と告げてフルヘンシオを制止しようとする。ルクレシアとレオナルダはともに「自分がフロリアーノと結婚するのだ」と言い張って喧嘩を始める。

 

 ファブリシオは、ロサルドが彼との友情を捨ててルクレシアに求婚したことを責め、彼に決闘を挑む。ロサルドはそれに応じる。しかしルカス(フロリアーノ)とフルヘンシオが駆けつけて二人を制止する。

 

 ルクレシアは、かつてファブリシオに言い寄られたことがあり、いくらか良い返事をしたこともあると白状する。フロリアーノは激しく嫉妬する。フルヘンシオはルクレシアとレオナルダをアルバ・デ・トーレスから立ち退かせ、田舎で生活させると宣言する。

 

 ファブリシオは数人の友人から、「ルクレシアと結婚したいのなら、偽の証人を仕立て上げればいい。ルカスが適任だ」と忠告される。

 

 フロリアーノは、神学生の服に着替えて田舎にいるルクレシアを訪問する。ルクレシアはファブリシオの手紙に返事をしたのは一年も前のことで、今は彼を愛していると話し、二人は和解する。しかしそこへフルヘンシオが現れ、ファブリシオと結婚させるためにルクレシアにアルバ・デ・トーレスへ戻るようにと告げる。

 

 ルクレシアはアルバ・デ・トーレスへ戻ったものの、ファブリシオとの結婚を拒否し続ける。ルカス(フロリアーノ)はフルヘンシオに「娘さんに『結婚を拒否するなら、おまえがルカスと寝ていたと町中に言いふらすぞ』と迫りなさい。そうすれば、恥をかくことを怖れて娘さんは従うでしょう」とそそのかす。フルヘンシオはその計画を実行する。

 

 ルカスに偽の証人になってくれるよう買収しに来たファブリシオは、フルヘンシオがルクレシアに話している言葉を聞いて、ルクレシアがルカスと寝たのだと思いこみ、彼女と結婚する気をなくす。彼は、ルクレシアと結婚するつもりで用意した書類をその場に置いて去る。ルカス(フロリアーノ)はその書類を見つけて、利用しようと考える。

 

 フロリアーノは友人のアルベルトを使って、レオナルダをだます。フロリアーノに変装したアルベルトがレオナルダに求婚し、彼女は喜んでそれを承諾する。

 

 ファブリシオが、「ルクレシアがルカスと寝た」と言いふらしたため、ロサルドもフルヘンシオのところへやってきて「不道徳な娘と自分を結婚させようとした」と責める。ルカス(フロリアーノ)はフルヘンシオに、「ファブリシオを誹謗の罪で裁判所に告訴しなさい」と助言する。

 

 その頃、フロリアーノに修道服を盗まれたデシオが、宿屋の主人と言い争っていた。二人は、窃盗事件として裁判所へ訴え出ることにする。

 

 アルバ・デ・トーレスの法廷で、公開裁判が行われる。ファブリシオは、フルヘンシオが「ルクレシアとルカスが寝た」と言ったのを聞いたと弁明する。ルカス(フロリアーノ)は、それは自分の作り話であり、彼女と他の男が結婚するのを阻止するためだったと告白する。そしてルカスは、自分と彼女がすでに結婚していると告げ、彼女との恋文や結婚証書(ファブリシオが置いていった書類に細工をしたもの)を証拠として提出する。

 

 ルクレシアは、自分がルカスの妻であること、結婚証書には自分が署名したことを告白する。フルヘンシオは、自分の娘が貧しい男と結婚したことを嘆く。

 

 そこへ、デシオと宿屋の主人が現れる。彼らはルカス(フロリアーノ)を見て驚き、「マドリードの騎士で、サラマンカ大学の神学生であるあなたが、なぜそんな粗末な服を着ているのか」と叫ぶ。

 

 アルベルトが現れて真実を明かす。フロリアーノは変装を解く。レオナルダはフロリアーノにだまされたことを知るが、アルベルトの求愛を受け入れ、フロリアーノを許す。フルヘンシオがフロリアーノとルクレシアの結婚を許可して幕となる。