Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

抜けめのない娘(こ)が恋をして(Discreta enamorada, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1606-08年

種類:都会的な同時代劇

補足:人気の高い作品。サルスエラの題材にも使われている。父と息子が同じ女性をめぐって争う。男装の女性と女装の男性が登場する。2013年にファクトリア・テアトロ(Factoría Teatro)によって上演されている。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

*以前のブログの一部でタイトルを『恋の機転』と訳してみましたが、データベースではより原語の意味に近い訳にしました。ただ『恋の機転』のほうが劇の内容には合っている気がします。今後、翻訳するとしたらまたタイトルについて検討しようと思います。

 

 マドリードの街角。若く美しい娘フェニーサ寡婦の母親ベリーサに、地面を見ながらおしとやかに歩けと命令され、反発する。

 

  ルシンドという青年は、従者のエルナンドをつれて高級娼婦のヘラルダを口説く。ヘラルダはルシンドに好意があるように見せながらも、ドリステオという男性とともに去ってしまう。ルシンドは嫉妬する。

 

 フェニーサはルシンドにひそかに恋をしている。しかしルシンドはフェニーサのことを知らない。フェニーサはわざとハンカチを落としてルシンドに拾わせる。フェニーサはマントを取ってルシンドに顔を見せ、自分が彼の近所に住んでいることを伝えて去る。

 

 エルナンドはルシンドに、「ヘラルダは気まぐれで恥知らずな女です。あなたを利用することしか考えていません。彼女のことは忘れて、あの美しくて気立てのよさそうな娘さんと恋をしなさい」と忠告する。しかしルシンドは、“ヘラルダに釣られた愚かで忠実な魚”のままでいると宣言する。

 

  ベリーサはフェニーサをおしとやかな女性に育て、早く結婚させようと考えている。いっぽう彼女自身はルシンドの父親寡夫ベルナルドが気に入っており、彼と再婚したいとひそかに望んでいる。

 

 ベルナルドの訪問を受けたベリーサは、求婚されるかと期待する。しかしベルナルドが求婚したのはフェニーサのほうであった。

 

 フェニーサは驚くが、ベルナルドと婚約することによってルシンドと親しくなれるという利点があることに気づき、婚約を承諾する。フェニーサはベルナルドに「実はあなたの息子のルシンドが私に求愛しているので、それをやめさせてください」と嘘を言う。

 

 ヘラルダの家の前に来たルシンドは、ドリステオと親しく話しているヘラルダを見て再び嫉妬する。そこへベルナルドがやってきて、「私の結婚相手を口説くのはやめろ」とルシンドに告げる。父がヘラルダと結婚するつもりなのだと勘違いしたルシンドは「あれは商売女ですよ」と警告する。ベルナルドはかんかんに怒って去る。ルシンドは「年寄りと結婚する気か」とヘラルダを非難する。

 

 ベルナルドと再び話をしたルシンドは、父の結婚相手がフェニーサであることを知る。ルシンドは「フェニーサを口説いた覚えなどないのに、濡れ衣を着せられた」と嘆く。しかし察しの良いエルナンドは「これはきっと、あなたに求愛してほしいというフェニーサさんの意思表示ですよ」と助言する。

 

 ルシンドはエルナンドを女装させて“エステファニア”と呼び、ヘラルダの前で自分の恋人のふりをさせる。ヘラルダは悔しくなり、エルナンドに殴りかかる。ルシンドはヘラルダが嫉妬している姿を見て満足し、急に彼女への興味をなくしてしまう。

 

 ルシンドはフェニーサの家へ行く。フェニーサはルシンドに「今後、あなたのお父さんを利用してあなたにメッセージを送ります」と告げる。ルシンドはフェニーサに新たな恋をする。

 

 ヘラルダはドリステオに、ルシンドが“エステファニア”という女性と一緒にいたことを話す。偶然にもドリステオの妹の名がエステファニアであったことから誤解が生まれる。

 

 ベルナルドはルシンドをベリーサとフェニーサに紹介する。ベルナルドはルシンドをフェニーサから遠ざけたいと考え、ルシンドをポルトガルへ行かせる計画を立てていた。ルシンドはひそかに手紙をフェニーサに渡し、助けを求める。フェニーサは小声で母のベリーサに「ルシンドはお母様に恋をしています」と嘘を言う。喜んだベリーサはルシンドの出発を中止させる。ルシンドはフェニーサに「きみを抱きたい」とひそかに伝え、フェニーサは失神を装ってルシンドの腕に抱かれる。

 

 フェニーサはベルナルドと二人きりになると、「ルシンドが私の家の窓に手紙を置いていきました」と告げる。ベルナルドはルシンドのところへ行き、「またフェニーサを口説いたな」と非難する。ルシンドは、フェニーサが窓へ来てもらいたがっているのだと察知する。

 

  ドリステオとその友人が現れ、「妹のエステファニアに手を出したな」とルシンドを責める。ルシンドは誤解であると説明し、「フェニーサという女性と結婚するつもりだ」と告げる。しかしその言葉がベルナルドに伝わってしまい、怒ったベルナルドは再びルシンドを遠ざける決意を固める。

 

 フェニーサはルシンドに指示を出す。エルナンドがルシンドに変装してベリーサに求婚し、ルシンドはベルナルドに「ベリーサと結婚したい」と嘘を言う。ベルナルドは息子と義母との結婚を喜び、ルシンドをポルトガルへ送るのを中止する。ルシンドはフェニーサをつれて逃げようと計画する。

 

 フェニーサの計画は順調に進んでいるかに見えたが、ベルナルドが「ルシンドはエステファニアという女性を口説いていたらしい」と口にしたことから、フェニーサはルシンドの誠実さに疑いを抱く。

 

 ヘラルダとドリステオは、ルシンドが本当に結婚しようとしている相手を確かめようと考え、一計を案じる。ドリステオはわざとナイフを持ってヘラルダを追いかけ、ヘラルダはフェニーサの家へ逃げ込む。フェニーサがヘラルダをかくまってやると、ヘラルダは「私はエステファニアといいます。夫がいながらルシンドという青年に恋してしまったのですが、そのルシンドは私を裏切り、フェニーサという女性と結婚しようとしています」と告げる。

 

 ヘラルダが去った後、ルシンドがフェニーサを迎えにやってくるが、フェニーサは冷たく「エステファニアと一緒に行ったらいい」と言う。ルシンドは腹を立てて去る。エルナンドはフェニーサに「エステファニアというのは、女装した私が名乗った名前です」と説明する。誤解が溶けたフェニーサは再びルシンドと逃げる計画を立て、ベリーサに「ルシンドが今夜、お母様の部屋へ行くそうです」と嘘を言う。フェニーサはベルナルドにも「今夜、私の部屋に来てください」と伝える。ルシンドはフェニーサのメッセージを読み取り、再び彼女を迎えに行く。

 

 いっぽう、フェニーサに恋してしまったドリステオは、夜中に彼女の家の窓に近づく。するとベルナルド、ルシンド、エルナンドが彼女の家に入っていくのが目に入る。ヘラルダもまた、男装してフェニーサの家に近づく。ドリステオが「今、この家の中は男だらけだ」と説明すると、ヘラルダは誰がいるのかを確かめようとして「火事だ」と大声で叫ぶ。

 

 驚いたベルナルド、ベリーサ、ルシンド、フェニーサ、エルナンドが家から飛び出してくる。光の下で、ベルナルドはフェニーサだと思っていた相手がベリーサであったことを知って驚き、ベリーサはルシンドだと思っていた相手がベルナルドであったことに驚く。二人は子どもたちに騙されたことを悟るが、運命を受け入れることに決める。ヘラルダはフェニーサを祝福してドリステオとともに去っていく。フェニーサとルシンド、ベリーサとベルナルドが結ばれて幕となる。

 


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