Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

夫婦の不和(Discordia en los casados, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1611年

種類:架空の宮廷劇

補足:ドイツのクレーヴェが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ドイツのクレーヴェ公国。公爵夫人エレーナは夫を亡くし、フリースラントの王アルバーノとの再婚を控えている。

 

 エレーナの親類にあたる軍人のオトンは、父親のいないエレーナをずっと庇護してきた。彼はエレーナと外国人のアルバーノとの結婚を快く思っていない。オトンは、エレーナを熱愛している自分の息子ピナベロがエレーナと結婚し、クレーヴェ公国の君主になることを望んでいる。オトンとピナベロは、エレーナとアルバーノとの結婚を妨害しようとたくらむ。

 

 クレーヴェ公国にやってきたアルバーノは、人々に歓迎される。軍隊は祝砲を撃つが、ピナベロはそれを利用してアルバーノを暗殺しようと計画する。ピナベロの従者がアルバーノを狙撃しようとするが、弾丸は彼ではなく、宮殿の前に掲げられていた彼の肖像画に命中する。

 

 エレーナに愛情を示していたアルバーノであるが、何者かに殺されそうになったことを察知し、不安を覚える。しかし結婚式は予定通り行われ、公爵夫妻は忠実な騎士たちに褒美を与える。

 

 オトンは、褒美を与えられなかったことに不満を示す。アルバーノは彼を満足させるため、海軍の提督に任命する。

 

 三年が経過する。エレーナとアルバーノの間には王子が生まれていた。アルバーノは自分の不在を償うため、王子を故国フリースラントに住まわせていた。

 

 ピナベロはアルバーノと敵対し、クレーヴェ公国から追い出されていた。彼は父親のオトンとともに、エレーナとアルバーノの仲を裂こうと考える。

 

 オトンはアルバーノに、エレーナが不誠実で意思が弱い女性であると告げる。ピナベロはエレーナに「アルバーノ様はエレーナ様の暗殺を企んでいて、王子に危険が及ぶのを避けるためにフリースラントに送ったのです」と嘘の密告をする。

 

 エレーナとアルバーノの心に不安が生じる。その夜、アルバーノはオトンの助言に従ってひそかにエレーナを監視し、彼女がピナベロと話しているのを発見する。アルバーノの従者アウレリオが「冷静になってください」となだめるが、嫉妬にかられたアルバーノはピナベロとエレーナのほうへ突進する。オトンの従者たちが「アルバーノがエレーナ様を殺そうとしている」と騒ぎ立て、窮地に陥ったアルバーノはペロルという村人に助けられてフリースラントへ逃亡する。

 

 フリースラントとクレーヴェの間に戦争が起きる。互いの愛情をまだ信じているエレーナとアルバーノは、信頼できる従者をつれて兵士に変装し、会合する。しかし二人は互いの正体をあかさずに交渉したため、完全に腹を割って話し合うことができない。エレーナは、国民を無駄に殺すのを避けるために一騎打ちをしようと提案する。

 

 アルバーノはエレーナとの一騎打ちに負ける。彼は屈辱感に耐えられず、エレーナと決別してフリースラントへ戻る。王子ロサベルトは、母に会えないことを寂しがる。

 

 アルバーノのもとに、エレーナとピナベロに関する噂が届く。嫉妬にかられたアルバーノは、エレーナの首に賞金をかける。エレーナはそれを知って悲しむが、オトンとピナベロはそれを利用して、エレーナには知らせずにアルバーノとロサベルトの首に賞金をかける。

 

 賞金目当てにアルバーノを暗殺しようと考えた二人の男がフリースラントへ向かう。偶然それを知ったペロルが、再びアルバーノを助ける。アルバーノはペロルに感謝し、暗殺者たちを処刑する。

 

 アルバーノはエレーナの真意を確かめるため、暗殺者たちの死体を自分と息子の死体と見せかけ、ロサベルトとペロルとともに騎士に変装してクレーヴェの王宮へ死体を届けに行く。死体を見たエレーナは絶望し、夫と息子の首に賞金をかけたオトンとピナベロを非難する。

 

 エレーナは自殺しようとするが、オトンはそれを止め、新しい夫を迎えるべきだと進言する。妻の自分に対する愛情とオトンの悪だくみを知ったアルバーノは正体をあらわし、オトンとピナベロを処刑する。アルバーノとエレーナが和解し、ペロルがアルバーノ、エレーナ、ロサベルトからそれぞれ褒美をもらって幕となる。