Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

王を作るのは神(Dios hace reyes)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1617-21年

種類:架空の宮廷劇

補足:神聖ローマ帝国(現在のドイツ)が舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ドイツのコンラドは、ポーランド大公オトンレオポルド伯爵の連合軍に勝利し、神聖ローマ皇帝となる。

 

 レオポルドはオトンに、再び手を結んでコンラドと戦うことを提案する。オトンはいったんはレオポルドに同意するが、その後考えを変える。彼はレオポルドを裏切り、彼の妻エステーを手に入れようとたくらむ。

 

 オトンはコンラドに忠誠を誓い「レオポルドは私が捕えましょう」と申し出る。コンラドはそれを受け入れるが、味方を裏切ろうとするオトンは信用できない人間だと考え、ひそかに使者を送ってレオポルドにオトンの裏切りを知らせる。驚いたレオポルドはエステーラをつれて逃亡する。

 

 コンラドのもとに「妃のクラウディアが死産した」という知らせが入る。すでに3人の子どもをなくしているコンラドは、このままでは跡継ぎができないかもしれないと不安になる。

 

 レオポルドはコンラドに礼を言いに行こうとするが、エステーラが急に産気づき、山中の村人の家に泊まる。エステーラは男の子を出産する。

 

 たまたま山へ狩りに来ていたコンラドは、エステーラの出産を村人から聞き、赤ん坊を見たいと希望する。赤ん坊を抱いた瞬間、コンラドの耳に「その子がおまえの跡を継ぐだろう」という不思議な声が響いてくる。皇帝の座を奪われることを怖れたコンラドは、ひそかにその赤ん坊を始末するよう部下に命じる。

 

 その後、レオポルドはコンラドの臣下となるが、偶然コンラドが自分の息子を拉致させたことを知る。彼はコンラドが自分に復讐したのだと思って嘆く。

 

  20年が経過する。ある日、エンリケという若者は山の中で毛皮を着た老人に出会う。それはレオポルドであった。エンリケは自分の身の上を話す。「私はある貴族に育てられ、その人の娘ドリスタと兄妹のように暮らしてきました。私のほんとうの親は誰なのかわかりません」

 

 レオポルドは「たった今、洞窟で私の妻が亡くなった。これから彼女を埋葬するところだ」と告げて去る。エンリケは洞窟の中で「伯爵とエステーラの物語」と題した本を胸に抱いて死んでいるエステーラを見つける。

 

 エステーラが抱いていた本を読んだエンリケは、彼らの息子が殺されず、木の根元に放置されたらしいということを知る。エンリケは自分のほんとうの親を確かめるために宮廷へ行くとドリスタに告げて家を出る。

 

 コンラドにはテオシンダという娘のほかに子どもはできなかった。オトンは再びコンラドに敵対する。オトンは、彼の息子をテオシンダと結婚させ、皇帝の後継者の資格を与えなければ再び戦争を起こすとコンラドに迫る。

 

 コンラドの側近ロランド伯爵は、オトンと戦い、テオシンダを別の男性と結婚させることを勧める。コンラドはそれを受け入れる。

 

 エンリケは、ロランドの従者ルフィーノと親しくなり、王宮に入ることを許される。いっぽう、エンリケを慕って追いかけてきたドリスタも男装して王宮に潜入する。

 

 コンラドは、王宮にいる男性の中からテオシンダの夫を選ぼうとする。しかし彼の手から月桂冠が床に落ち、エンリケがそれを拾い上げる。コンラドがエンリケの身分を尋ねると、エンリケは正直に「私は自分の出自を知りません」と答える。コンラドはテオシンダの夫選びを中止し、「法律にのっとり、三日以内に出自を明らかにしなければこの国から出ていくように」とエンリケに命じる。エンリケは「王を作るのは神、法を作るのは人間です」とコンラドに告げる。コンラドは怖れを感じる。

 

 コンラドは再びオトンの軍と戦う。エンリケは勇敢に戦う。ドリスタも男装してエンリケとともに戦闘に参加していたが、ルフィーノはドリスタがほんとうは女性であることに気づく。

 

  レオポルドが宮廷にやってくる。彼はエンリケに「私がおまえの父親のふりをしよう。そうすればおまえは宮廷にとどまり、皇帝から戦場での功績に対する褒美をもらうことができるだろう」と告げる。

 

 レオポルドはコンラドの前で、自分はエンリケ父親だと名乗る。コンラドはエンリケに褒美として1万ドゥカードを与えようとする。しかし別の人物に渡すべき書類が誤ってエンリケのもとに渡り、エンリケは幸運にもスウェーデン伯爵の身分を手に入れる。

 

 その後も次々と手違いが起こり、コンラドは誤ってエンリケをテオシンダの夫に指名してしまう。事態を怖れたコンラドはエンリケをひそかに殺そうと考え、妃クラウディアに手紙を届けるようエンリケに命じる。

 

 エンリケは手紙を届けに行く途中、リサルドという学生と知り合う。リサルドは手紙に「エンリケを殺せ」と書かれているのを見て驚き、エンリケに同情して「エンリケとテオシンダを結婚させるように」という内容に書きかえておく。

 

 手紙を受け取ったクラウディアは、すぐにエンリケをテオシンダと結婚させる。そのことを知ったコンラドは運命に逆らうことをあきらめ、エンリケを自分の跡継ぎとして認める。ドリスタはロランド伯爵と結婚する。エンリケとレオポルドが親子であることが判明して幕となる。