Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

この世はお金がすべて(Dineros son calidad)

ロペへの帰属:議論の余地あり

執筆年代:1620?-1623?年

種類:架空の宮廷劇

補足:ナポリが舞台となる。亡霊が登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 フリア・ラウレンシアナポリに到着する。彼女はナポリ国王の妹である。

 

 ナポリ市民たちはフリアを歓迎するために街を美しく飾る。貧しい貴族フェデリーコは、自宅のみすぼらしさを隠そうと考え、息子のオタービオルフィーノルシアーノとともにぼろ布で家の壁を覆う。

 

 フリアはフェデリーコの家の奇妙な外見に興味を示し、彼の身の上を尋ねる。フェデリーコはフリアに説明する。「私はかつては伯爵であり、裕福な人間でした。しかしあなたの兄ルドビコ様が、前国王のエンリケ様から権力を奪ってから運命が変わってしまったのです。私はエンリケ様に自分の財産のほとんどをお貸ししていたのですが、エンリケ様が亡くなり、返してもらうあてもなくなりました。その上、ルドビコ様は私の土地を荒らし、別荘も奪ってしまったのです」

 

 フリアはフェデリーコに助言する。「それなら、またお金をためることね。そうすればあなたの評判も高まるし、社会的地位も取り戻せるでしょう。この世はお金がすべてなのだから」

 

 フェデリーコと息子たちはフリアの言葉に憤慨するが、この世で評価されるためには金を手に入れるしかないという現実を思い知る。ルフィーノは軍人になり、ルシアーノは勉学に励む。オタービオは、一獲千金を求めて旅に出る。カロンという村人が、好奇心からオタービオの旅に同行する。息子たちと別れたフェデリーコは悲しむが、彼に娘のように育てられた農家の娘ルシーラが家にとどまることを約束する。

 

 国王ルドビコが不慮の事故で死ぬ。その知らせが前国王エンリケの娘カミーラに伝えられる。カミーラは父に代わってナポリ王国を取り戻そうと決心する。

 

 フリアと彼女の側近セサルはカミーラを危険視し、「カミーラを捕えた者には報奨金を出す」と布告する。

 

 空腹に苦しみながら旅をしていたオタービオとマカロンは、護衛をつれてナポリへ向かうカミーラと偶然に出会う。フリアが自分を狙っていることをオタービオから聞かされたカミーラは、オタービオとマカロンを自分の休憩所へ招き入れる。しかしそこへ兵士となったルフィーノがやってきて、報奨金を目当てにカミーラを連れ去る。

 

  ルフィーノはカミーラに、父親の失った財産を取り戻すために報奨金が必要なのだと説明する。王宮に到着したルフィーノはセサルにカミーラを引き渡すが、手柄を横取りしようと考えたセサルは、ルフィーノを捕えるよう部下に命じる。

 

 フリアの前に引き出されたカミーラは「私を捕えたのはセサルではなくルフィーノです」と告げる。フリアはルフィーノに褒美を与え、カミーラを塔に幽閉する。

 

 ルフィーノは父のフェデリーコに「これで、失った財産や地位を取り戻せるだろう」と報告する。

 

 フリアとセサルは、カミーラを支持する貴族たちがナポリに潜んでいるのではないかと警戒する。フリアは従兄にあたるフランス国王に手紙を書き、「信用できる部下を一人送ってほしい」と依頼する。

 

 ルフィーノはフリアに「父の失った地位を取り戻させてほしい」と懇願する。しかしフリアはフェデリーコが前国王と親しかったことを思い出して警戒し、ルフィーノとフェデリーコをナポリから追放すると告げる。

 

 落胆したルフィーノとフェデリーコは、幽閉されているカミーラに会う。フェデリーコの不幸な運命を聞かされたカミーラは「もし私が王位につくことがあれば、あなたに王国の半分を与えましょう」と彼に約束する。

 

 ルシアーノはパリで勉学に励み、成功していた。フランス国王の信頼を得た彼は、国王から「信頼できる人物として、ナポリ王国に行きフリアに仕えてほしい」と頼まれる。この仕事をやり遂げれば父を助けることができると考えたルシアーノは、フランス人の騎士ウルバンをつれてナポリへ向かう。

 

 カミーラがルフィーノに拉致された後、オタービオとマカロンはあてもなく旅を続けていた。羊飼いに教えられた廃墟の中で夜を過ごそうと考えた二人は、前国王エンリケの墓碑を見つける。エンリケのせいで父が不幸になったと思っているオタービオがエンリケの彫像を剣で傷つけると、エンリケの亡霊が現れる。フェデリーコの不幸をオタービオから聞かされた亡霊は彼に告げる。「フェデリーコの財産は戻るだろう。朝になったらこの彫像の立つ場所を掘ってみろ。そしておまえはカミーラを助けに行かなくてはならない。これらすべてのことが成し遂げられて初めて私は煉獄から出ることができる」

 

 ルシアーノはナポリに到着し、フランス国王に遣わされたことをフリアに告げる。しかしルシアーノがフェデリーコの息子であることを知ったフリアはまたもや態度を変え、彼がやるはずだった仕事をウルバンに与えてしまう。

 

 オタービオとマカロンは、カミーラのために援軍を集める。オタービオは外国の王子のふりをして、「ローマへ行くのでナポリを通過させてほしい」とフリアに伝える。フリアとセサルがナポリの城門を開けると、オタービオと兵士たちは市内へ侵入し、幽閉されていたカミーラを救出する。カミーラはフリアを捕え、王国の奪還に成功する。

 

 カミーラはオタービオと結婚し、王国の半分を彼に与える。フェデリーコは名誉を回復し、ルフィーノはシチリア、ルシアーノはカラブリア公国を手に入れる。マカロンは6000ドゥカードを与えられ、ルシーラと結婚して幕となる。