Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

死者をめぐる裁判(Difunta pleiteada, la)

ロペへの帰属:ほぼ確実

執筆年代:1593-1603年

種類:都会的な同時代劇

補足:1663年に出版された複数の劇作家による戯曲選集にロハス・ソリーリャの作品として掲載されているが、ロペの『諸国巡礼』に掲載された作品名一覧に同名の戯曲があり、ロペの作品にソリーリャが手を加えたものとする説が有力である。シチリア島が舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ナポリ出身の貧しい騎士マンフレードは、シチリアの聖堂で見かけたイサベラという美しい女性に魅かれる。イサベラはフェリーノという裕福な貴族の娘である。イサベラに悪い噂がたたないように、カリストという従者がいつも目を光らせている。

 

 マンフレードの従者ベラルドは、主人の恋を実らせようと考え「我々はモーロ人に変装し、フェリーノの奴隷のセリンを助けるためにトルコからやってきたことにしましょう」と提案する。

 

 イサベラもまたマンフレードに魅かれており、侍女のフルヘンシアにその気もちを打ち明ける。しかし彼女には父親が決めた婚約者レアンドロがいる。イサベラはマンフレードへの感情がそれ以上発展しないよう、彼を避けようと考える。

 

 マンフレードは、裕福なモーロ人に変装してフェリーノの家へ行き、カリストの前で「自分はセリンの兄弟で名門の出身だ」と告げる。カリストはマンフレードから恩恵を得られるかもしれないと考え、セリンを急に大切に扱うようになる。セリンはマンフレードに感謝する。

 

 レアンドロに恋をしているオラシアは、レアンドロの従者トゥリオから彼とイサベラとの結婚話が進んでいることを聞かされ、激しく嫉妬する。

 

 セリンはマンフレードをイサベラに会わせ、カリストには「こうしろとのフェリーノ様のご命令です」と嘘をつく。マンフレードはイサベラの前で変装を解き、彼女に会うためにモーロ人のふりをしたことを告白する。イサベラは困惑しながらも彼の求愛を受け入れる。

 

 オラシアによってイサベラとレアンドロの結婚式が妨害され、イサベラとマンフレードはひそかに喜ぶ。ベラルドがカリストをだましてイサベラから注意をそらし、イサベラはマンフレードを家に迎える。

 

 オラシアは自分を侮辱したとレアンドロを非難する。しかしレアンドロは「きみには指一本触れていないのだから、それは筋違いだ」と反論する。フェリーノがオラシアに4000ドゥカードを払い、以前からオラシアに恋していたトゥリオと結婚させることで騒ぎはおさまる。

 

 マンフレードはイサベラに「一緒にナポリへ逃げよう」と提案する。しかしイサベラは家名に傷がつくことを怖れてそれを拒否する。

 

 フェリーノはレアンドロをつれて家に戻り、すぐにイサベラと結婚させようと考える。彼らに見つかったマンフレードは、イサベラに恋し、モーロ人に変装していたことを告白する。怒ったレアンドロはマンフレードとセリンを殺そうとするが、スキャンダルを怖れたフェリーノは彼を制止する。

 

 フェリーノの家で、レアンドロとイサベラの結婚式が行われる。しかしイサベラは突然失神し、医者が呼ばれる。フルヘンシアとセリンは、マンフレードを家に入れたことで処罰されることを怖れ、逃亡する。

 

 イサベラが死んだという知らせがマンフレードのもとに届く。マンフレードは自分のせいで彼女が死んだのだと考えて悔やむ。マンフレードはベラルドに、聖堂に安置されているイサベラの遺体に接吻しに行くと告げる。

 

 夜中に聖堂に忍び込んだマンフレードは、イサベラがまだ生きているのに気づき、彼女を救い出す。マンフレードはイサベラをつれてナポリへ逃亡する。

 

 イサベラを失って悲しんでいるレアンドロを見たオラシアは、彼への腹いせに自分の幸せを見せつけようとする。トゥリオは彼女と結婚したことを後悔する。

 

 レアンドロの父カミーロは、息子の悲しみを見かねて、シチリアをしばらく離れることを彼に勧める。レアンドロナポリへ行く。

 

 カミーロのもとへ「ナポリでイサベラがマンフレードと結婚している」というレアンドロからの手紙が届く。カミーロは、息子とイサベラとの結婚は有効であるとしてナポリの大公にマンフレードとイサベラの結婚の無効を訴える。

 

 裁判の結果、イサベラは死んでいなかったのであるから最初の結婚が有効であるとして、マンフレードとイサベラの結婚は無効となる。マンフレードは不義密通に関しては無罪とされ、大公が彼に別の女性を紹介し幕となる。