Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

軽蔑への感謝(Desprecio agradecido, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1633年

種類:都会的な同時代劇

補足:ロペ最晩年の戯曲のひとつ。ロペの庇護者セッサ公爵への言及がある。マドリードが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 マドリードへやってきたセビーリャ出身の騎士ドン・ベルナルドは、ある夜従者のサンチョとともに警吏から逃げ、近くにあった大きな家の敷地内に逃げ込む。そこはリサルダフロレーラという姉妹の住む家だった。

 

  リサルダは従兄のオクタビオから求婚されている。しかしリサルダはその日の午後、プラド通りでセビーリャ出身の女性を熱心に口説いていた別の男性に魅力を感じていた。

 

 ベルナルドとサンチョは、リサルダの家の従者たちに見つかってしまう。ベルナルドは「ある人物を誤って殺してしまい、警吏から逃げていた」と説明し、リサルダとフロレーラに謝罪する。姉妹はベルナルドとサンチョを一晩だけ家にかくまうことにする。

 

 リサルダは、その日の午後に出会った男性とベルナルドが同じ人物であることに気づき動揺する。ベルナルドもリサルダの美しさに魅かれる。サンチョはリサルダの侍女イネスに魅かれる。

 

 同じころ、オクタビオは友人のルシンドから「ドロテアという女性の家で彼女を口説いていた時、嫉妬にかられた男性が乗り込んできた。彼女の前で勇ましいところを見せようと思って剣を抜いたが、反対にやられてけがをした。男性は逃亡した」と聞かされる。

 

 ルシンドに傷を負わせたのはベルナルドであった。彼はドロテアに夢中だったが、その思いは消え、今はリサルダに恋していた。

 

 翌朝、リサルダの部屋でオクタビオの手紙を見つけたベルナルドは嫉妬を覚える。彼はリサルダに自分の気もちを打ち明けるが、リサルダは父の命令でオクタビオと結婚しなければならないことを告げ、家を出ていくようベルナルドに告げる。

 

 フロレーラもベルナルドに魅力を感じており、リサルダに「あなたはオクタビオとの結婚が決まっているのだから、私の恋が実るよう協力してほしい」と依頼する。リサルダはしぶしぶ承知する。

 

 その夜、オクタビオとルシンドはドロテアの家へ行く途中、リサルダの家から二人の男性が出てくるのを目撃する。それはベルナルドとサンチョであった。

 

 オクタビオはショックを受け、翌日リサルダの家へ行き、彼女の父親ドン・アレハンドロにリサルダとの結婚の破棄を告げようとする。そこへベルナルドが現れ、セビーリャに住むオクタビオの兄からの紹介状を差し出す。そこには「ベルナルドは、ある仕事のために宮廷に行かなくてはならないので、おまえの家に滞在させてやってほしい」と書かれていた。ベルナルドの自己紹介を聞いたオクタビオは、彼とリサルダとの関係を怪しみ嫉妬する。

 

 フロレーラは、リサルダが自分への協力に乗り気でないのを見て文句を言う。リサルダは「自分はベルナルドと結婚できないが、彼をフロレーラとも結婚させたくない」とひそかに考える。

 

 アレハンドロが、ベルナルドとオクタビオをつれてリサルダとフロレーラの前に現れる。オクタビオは、ベルナルドが姉妹のうちどちらに気があるのかを見定めようとする。アレハンドロはベルナルドを気に入り、フロレーラと婚約させようと考える。

 

 ベルナルドとリサルダは、オクタビオやフロレーラの目を盗んで互いの恋心を打ち明ける。二人が抱き合っている間、サンチョとイネスは二人の姿をカーテンで隠し、周りの者に見えないようにする。

 

 オクタビオとリサルダ、ベルナルドとフロレーラの結婚話が進む。しかしオクタビオは、リサルダが本当に愛しているのはベルナルドではないかという猜疑心から逃れられず、嫉妬に苦しむ。オクタビオはリサルダに不満をぶつけ、リサルダもオクタビオの態度を非難する。

 

 ベルナルドはフロレーラとの結婚から逃れようと考え、「私は殺人を犯し、逃亡している身なので、彼女と結婚する資格はありません」と告白する。しかし、彼が殺したと思っていたルシンドが無事であることが判明する。ベルナルドはなおもあきらめず、「急にドイツへの遠征に参加しなくてはならなくなった」と嘘の手紙を残して行方をくらます。

 

 リサルダは、ベルナルドとの別れを嘆きながらオクタビオとの結婚式にのぞむ。スペインを離れようと考えたベルナルドであるが、リサルダへの未練に勝てず、マドリードへ戻ってくる。

 

 リサルダとオクタビオの結婚式が行われる。しかしオクタビオは突然、「私を侮辱したリサルダとは結婚しない」と参加者の前で公表し、結婚を破棄する。

 

 公の場で恥をかかされたにもかかわらず、リサルダはそのことにむしろ感謝する。サンチョが現れ、ベルナルドが戻ってきたことをリサルダに告げる。ベルナルドとリサルダ、オクタビオとフロレーラ、サンチョとイネスが結ばれて幕となる。