Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

寝た子を起こす(Despertar a quien duerme, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1610-15年

種類:架空の宮廷劇

補足:原題の直訳は「眠っている者を目覚めさせる」であり、意味は日本語の「寝た子を起こす」とほぼ同じである。男装の女性が登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 バルセロナ伯オトンが不当な裁判によって失脚したのち、彼の弟アンセルモが兄の地位と領土を手に入れた。しかし正当な爵位継承権を持っているのはオトンの息子ルヘーロである。アンセルモはルヘーロを宮廷から追いやり、農村で生活させている。

 

 アンセルモは、成長したルヘーロが爵位継承権を要求するのではないかという不安にさいなまれるようになる。彼は軍人のファビオに命じて、農村にいるルヘーロの様子を見に行かせる。

 

 ルヘーロは村人のペローテたちと、野原で歌や合奏を楽しんでいた。ファビオは自分の正体を隠し、ルヘーロに話しかける。ルヘーロは「田舎での暮らしに満足している。バルセロナ伯の地位や領土を取り戻そうという気はない」とファビオに告げる。

 

 ファビオはアンセルモにルヘーロの状況を報告して安心させようとするが、アンセルモの不安は消えない。彼はファビオに「ルヘーロにほんとうに反逆の気もちがないかどうか、確かめてこい」と告げ、再び農村へ行くことを命じる。

 

 アンセルモの娘エステーは、ルヘーロの存在を知って興味を抱く。エステーラはファビオに「ルヘーロに私の存在を教えてあげてください」と依頼する。

 

 アンセルモのよけいな行動は、まさに「寝た子を起こす」結果を招く。再びルヘーロに会ったファビオは、ルヘーロの優れた資質を見て彼に魅了されてしまう。ファビオは自分の訪問の目的を彼に教え、彼にバルセロナ伯爵位を要求するよう勧める。ファビオから従妹エステーラの存在を教えられたルヘーロは、彼女に興味を抱く。

 

 ルヘーロはファビオの言葉に心を動かされつつも、田舎の静かな生活を選ぶと答える。ファビオはアンセルモのもとへ戻り、ルヘーロの言葉を伝える。しかしアンセルモはそれを信用せず、ルヘーロを捕えるよう命令する。

 

 ペローテが村の司法官に選出され、村人たちが祝宴を開いているところへ兵をつれた行政官が現れ、ルヘーロを拘束する。

 

  ルヘーロを投獄したアンセルモは、彼のたぐいまれな資質に気づき、自分の地位が脅かされることを怖れる。アンセルモはルヘーロを暗殺し、娘のエステーラをアラゴンの王子と結婚させようと考える。ルヘーロに恋をしたエステーラは、彼を助ける決心をする。

 

 ペローテに率いられた村人たちがバルセロナへやってきて、ひそかにルヘーロを助けようとする。しかし計画は失敗し、ペローテは投獄される。

 

 アンセルモは、ルヘーロに毒を飲ませるようファビオに命じる。ファビオはルヘーロを助けようと考え、毒薬を睡眠薬に替えておく。

 

 エステーラはファビオと協力してルヘーロを逃がし、ペローテにルヘーロの服を着て死んだふりをするよう依頼する。牢獄を訪れたアンセルモは、ルヘーロが死んだと思って満足する。

 

 ルヘーロは、自分を逃がしてくれた謎の女性にお礼を言う。エステーラはルヘーロに自分の身分を明かし、恋心を告白する。二人は結婚の約束を交わして別れる。

 

 翌日、ルヘーロが脱出したことを知ったアンセルモは怒り、ルヘーロの捜索を命じる。エステーラはルヘーロへの手紙をペローテに渡して、彼を逃がす。

 

 ルヘーロはウルヘル公爵に、バルセロナ伯領の奪還への協力を依頼する。しかし公爵は、彼の妹とルヘーロとの政略結婚を見返りとして要求する。ルヘーロがそれを断ると公爵は協力を拒否して去ってしまう。

 

 がっかりしているルヘーロのところへ、マジョルカ島へ向かう途中で難破し、バルセロナへたどり着いたシチリア王国の女王ディオニシアが現れる。ルヘーロは再び協力を依頼する。ディオニシアはルヘーロにひとめぼれをして、彼との結婚を条件に協力を約束する。また拒否されては困ると思ったルヘーロは、ディオニシアの条件を受ける。その後、ペローテが彼にエステーラの手紙を届ける。ルヘーロは返事を書く。

 

 ルヘーロがディオニシアと同盟を結んでバルセロナ伯領を奪還しようとしているという知らせがアンセルモの元へ届く。二人が婚約していると聞いたエステーラは、ルヘーロに裏切られたと思って怒る。

 

 エステーラのもとに、ルヘーロからの手紙が届く。「きみへの愛は変わらない。ディオニシアとの結婚式には、別人を送り込んで彼女をあざむくつもりだ」という内容を見てエステーラは安心する。

 

 シチリア王国の軍隊が到着するが、ディオニシアはバルセロナ市内へ入ろうとしない。ディオニシアは、先にルヘーロを自分の前に差し出すことを要求する。エステーラは男装してルヘーロになりすまし、ペローテとともにディオニシアの前に出る。だまされたディオニシアは男装のエステーラと結婚式を挙げ、その後バルセロナに攻め入るよう軍隊に命令を下す。

 

 ウルヘル公爵も味方に加わり、軍勢はバルセロナを包囲する。アンセルモは、領民たちもルヘーロを支持しているのを見て敗北を予感し、戦わずして降伏する。

 

 ディオニシアは喜ぶが、結婚した相手がルヘーロではなかったのを知って激怒し、ルヘーロを殺そうとする。ルヘーロはエステーラと愛し合っていたこと、バルセロナ伯領を奪還するためにやむをえずディオニシアをだましていたことを告白する。ディオニシアはルヘーロを許し、ウルヘル公爵と結婚する。ペローテがバルセロナ市の司法官に任命されて幕となる。

 


LOPE DE VEGA EL DESPERTAR A QUIEN DUERME