Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

不運なエステファニア(Desdichada Estefanía, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1604年

種類:歴史劇

補足:12世紀、カスティーリャ=レオン国王アルフォンソ7世の庶子エステファニアが夫に不義の疑いをかけられ、無実にもかかわらず殺されたという記録にもとづく。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 「皇帝」の称号をもつカスティーリャ=レオン国王アルフォンソ7世は、ブルゴスでフランス国王ルイ7世と会う。アルフォンソの寵臣フェルナンド・ルイス・デ・カストロと、ルイの寵臣フォルトゥニオ・ヒメネスも同席する。

 

 ルイは、表向きはサンティアゴ・デ・コンポステーラへ巡礼に行くという理由でカスティーリャを訪れているが、その真の目的は、ルイと政略結婚をしたアルフォンソの娘コンスタンサが庶子だという噂の真偽を確かめることであった。

 

 会合の場で、フォルトゥニオがコンスタンサの出自についてアルフォンソに質問する。カストロは彼の無礼な態度を非難する。

 

 アルフォンソはルイに、コンスタンサが間違いなく正妻ベレンゲラ・デ・バルセロナとの間にできた娘であることを告げる。アルフォンソはさらに、カスティーリャの貴族ドニャ・サンチャ(*史実ではウラカ・フェルナンデス・デ・カストロ)との間にできた庶子エステファニアがいることも告白する。エステファニアは類まれな美貌の持ち主であり、修道院で生活している。

 

 カストロは、公の場で国王を侮辱したフォルトゥニオに決闘を申し込む。両者はモロッコのフェズで落ち合うことを約束する。

 

 カストロ修道院へ行き、愛するエステファニアに会う。エステファニアはカストロの無事の帰還を願って別れる。

 

 カストロが去った後、アルフォンソ、ルイ、フォルトゥニオがエステファニアを訪問する。ルイはエステファニアに魅了されるが、自身は既婚者であるため、寵臣フォルトゥニオの妻にしたいと望む。エステファニアは国王に逆らえず、カストロとフォルトゥニオの対立に決着がつくまで結婚を延期してほしいと申し出る。

 

 カストロの従者ムダーラは、エステファニアの侍女イサベルに恋をしている。しかしイサベルはフォルトゥニオに片思いをしていて、ムダーラの求愛には応えない。

 

 モロッコのフェズでは、モーロ人の王ミラマモリンを失脚させようとする計画が持ち上がっていた。占星術師のアルブマサルは、奴隷のアブデルモンに「モロッコのみならずスペイン全土の王にしてやろう」ともちかける。

 

 カストロとムダーラはモロッコに到着する。カストロはフォルトゥニオと決闘する場所を提供してくれるようミラマモリンに依頼する。ミラマモリンはそれを承諾する。

 

 カストロとムダーラは、太鼓を打ち鳴らして通りを歩き、フォルトゥニオと決闘することを人々に知らせる。すると、その音を聞いたアルブマサルの一味が、反乱の合図と間違えていっせいに蜂起する。反乱に巻き込まれたカストロとムダーラは、ミラマモリンの側について戦う。

 

 フォルトゥニオはカストロと決闘するためにフェズへ向かうが、反乱のために上陸できず、カスティーリャへ戻る。国王アルフォンソはフォルトゥニオとエステファニアとの結婚に許可を下す。エステファニアは嘆く。

 

 カストロとムダーラは、混乱したモロッコを脱出してカスティーリャへ戻る。エステファニアとフォルトゥニオとの結婚式が行われていると聞いたカストロは、教会へ侵入し、エステファニアは自分の妻だと参列者の前で宣言する。二人が結婚の約束を交わしていたことを知らされたアルフォンソは、カストロエステファニアの結婚を許可する。

 

 イサベルは、カストロエステファニアが結婚すれば、恋するフォルトゥニオに会うことが困難になると考えて悩む。イサベルは一計を案じ、フォルトゥニオに「エステファニア様はカストロとの結婚を後悔していて、あなたに会いたがっています」と嘘を言う。フォルトゥニオはエステファニアとの不義密通をたくらむ。

 

 結婚式の途中でエステファニアは気を失い、カストロに抱きかかえられて彼の家へ入る。直後にカストロの家が半壊し、従者数名が死ぬ。カストロは不吉な予感を抱く。

 

 カストロエステファニアの結婚後まもなく、アルブマサル率いるモーロ人の軍勢がスペインへ侵入する。カストロは戦闘に加わり、モーロ人を退却させる。彼が留守にしている間、イサベルはエステファニアの服を着て主人になりすまし、フォルトゥニオと夜の密会を重ねていた。カストロの従者たちがそれを目撃し、エステファニアの不義密通を疑う。

 

 戦地から戻ったカストロに、従者たちはエステファニアの不義密通を知らせる。カストロの心に妻への疑念が生じる。カストロは、自分を迎える妻を冷淡にあしらい、留守の間に生まれた赤ん坊にも無関心な態度を示す。

 

 カストロは、その晩外出すると妻に嘘を言って、ひそかに庭で待ち伏せをする。エステファニアの服を着たイサベルが、庭でフォルトゥニオと密会をする。それを目撃したカストロは、妻の不義密通を確信する。

 

 カストロは、家へ入ろうとするイサベルの後を追いかける。イサベルは驚いて逃げ、エステファニアのベッドの下へ隠れる。嫉妬にかられて妻の寝室に入ったカストロは、赤ん坊を抱いて眠っているエステファニアを剣で刺し殺す。

 

 エステファニアが絶命した後、イサベルがベッドの下から姿を現し、真実をカストロに告白する。無実の妻を殺してしまったことを知ったカストロは絶望し、イサベルを殺す。

 

 カストロはアルフォンソのもとへ行き、自分の処罰を願い出る。アルフォンソが法廷に裁決を委ねて幕となる。