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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

たえまなき略奪(De cosario a cosario)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1617-1619年

種類:都会的な同時代劇

補足:マドリードが舞台となる。原題の意味は「海賊船から海賊船へ」。二人の女性が一人の男性を取り合う様子を海賊にたとえている。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ドン・フェルナンドリサルダは恋人同士であるが、リサルダは気が強くて嫉妬深く、二人の間では口論が絶えない。

 

 フェルナンドの幼馴染のドン・フアンがインディアス(南米の植民地)からマドリードに戻ってくる。彼は無事に帰れたことを感謝するため、「アトーチャの聖母像マドリードで崇敬を集めている聖母像)」を拝みに行くと告げる。うぶなフアンを見て、フェルナンドは「宮廷には誠実な愛情を持つ女性はめったにいないから気をつけろ」と忠告する。

 

 マドリードに住むセリアは「男を手玉に取る女」と噂されている。テオドーロルシンドは彼女に夢中である。

 

 フアンはフェルナンドとともに街へ出る。セリアは通りかかったフアンにひとめぼれをして、彼の気をひこうとする。しかしフェルナンドの忠告を聞いたばかりのフアンは用心して彼女を無視する。セリアはフアンの従者メンドに「今夜、私の家に彼をつれてきてほしい。成功したらあなたを私の侍女のイネスの恋人にしてあげる」ともちかける。

 

 フアンとフェルナンドがセリアと一緒にいるところを見たリサルダは、フェルナンドに嫉妬するいっぽうで、フアンのことが気になり始める。

 

 メンドから話を聞いたフアンは、その夜、セリアの家を訪れる。二人は互いの心を探り合いながら、恋に落ちていく。

 

 リサルダはフェルナンドに「あなたは友だちのフアンとばかり一緒にいる。私も仲間に加えてほしい」と要求する。フェルナンドは「フアンはセリアに恋をしているから、それはできない」と断る。リサルダは「ほんとうは、あなたのほうがセリアに恋をしているのではないか」と詰問する。

 

 フアンはリサルダの誤解を解こうと、自分とセリアとのやりとりについて話す。すでにフアンに興味を持ち始めているリサルダは「宮廷で恋をしたいと思うのなら、私のような女性を相手にすべきだ」と告げる。リサルダの態度を見て、フアンはますます宮廷の女性が信用できなくなる。

 

 セリアはフアンに嫉妬心を起こさせるために、わざとテオドーロから手紙を受け取ったふりをする。しかしフアンもまた、傷ついて去るふりをする。メンドはセリアに、フアンには婚約者がいると嘘をつく。

 

 いら立ったセリアはイネスを使いにやり、フアンに「あなたの婚約者のことを聞いて麻痺をおこしたから瀉血(治療のために血を抜くこと)しなければならない。傷のついた腕を隠す帯がほしい」と依頼する。フアンはセリアに帯を贈るが、メンドを使いにやって「あなたの知らせにびっくりして、私も体調が悪くなった」と伝え、セリアからも帯を贈らせる。

 

 リサルダはフアンに「あなたがフェルナンドの友人なら、女性の好みも同じでしょう」と言って求愛する。フアンは「フェルナンドも自分も、誠実な女性が好みだ」と言って彼女の求愛をかわす。そこへ偶然フェルナンドが現れ、二人の仲を疑う。

 

 フアンは自分の家庭教師のトレバシオに婚約者の父親を演じてもらい、セリアの前でひと芝居をうつ。フアンがほんとうに結婚するつもりだと思ったセリアは嫉妬に身を焦がす。

 

 フアンはだまし合いを繰り返しているうちに、自分のセリアへの気もちがわからなくなってきたと嘆く。メンドは、それが恋の泥沼にはまったということだと主人を諭す。

 

 負けず嫌いのセリアは、フアンとフェルナンドの前で「別の男性と結婚する」と宣言する。フェルナンドはセリアとフアンがほんとうは愛し合っていると見抜き、二人をとりもって結婚させようとする。セリアは同意するが、フアンは「婚約者の父親に2000ドゥカード借りている。婚約を破棄するなら今は手持ちの金がないのでセリアに貸してほしい」と新たな嘘をつく。セリアは承知したふりをして、彼に仕返しをしようとたくらむ。

 

 フェルナンドは、リサルダがフアンに手紙を書いているところを見つける。彼は彼女がフアンに恋していることを知る。しかしフアンは、自分が恋しているのはセリアだと断言し、リサルダをきっぱりと拒否する。リサルダはフアンをあきらめ、フェルナンドと仲直りをする。

 

 セリアは、テオドーロを自分の偽の婚約者に仕立て上げ、金を受け取りに来たフアンに見せつける。彼女はフアンに、婚約は破棄しなくてよいので自分と婚約者との結婚に立ち会ってほしいと告げる。

 

 フェルナンドはリサルダに頼み、フアンの偽の婚約者を演じさせる。フアンとリサルダが偽の結婚式を挙げようとするのを見て、セリアはとうとう我慢できなくなり、自分のついた嘘とフアンへの恋心を白状する。

 

 フアンとセリア、フェルナンドとリサルダ、メンドとイネス、ファビオエリサ(フェルナンドの従者とリサルダの侍女)が結ばれて幕となる。