Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

大総帥(グラン・カピタン)の勘定書(Cuentas del Gran Capitán, las)

ロペへの帰属:ほぼ確実

執筆年代:1614-19年

種類:歴史劇

補足:大総帥(グラン・カピタン)と呼ばれたゴンサロ・フェルナンデス・デ・コルドバに関する有名な逸話を扱ったもの。スペイン語で「大総帥の勘定書」といえば「法外な勘定書、でたらめな収支決算」を意味する。大総帥の子孫にあたるセッサ公爵に献呈されている。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 カスティーリャ女王イサベル1世の死後、その夫アラゴン国王フェルナンド2世は、女王との契約にそむきジェルメーヌ・ド・フォワスペイン語ではヘルマーナ)と再婚する。フェルナンドに反発するカスティーリャの貴族たちは、フェルナンドにカスティーリャ国王の座を放棄させ、王女フアナと結婚したハプスブルク家のフィリップ大公を国王にしようと考える。

 

 ナポリ副王としてカステル・ヌオーヴォに滞在しているゴンサロ・フェルナンデス・デ・コルドバ(大総帥)は、スペインから来た使者ガルシア・デ・パレーデスの報告を受ける。「フィリップ大公とフアナ王女は、国王陛下の意思に逆らってカスティーリャの王座を獲得すべく、フランドルを発ちました。また、イタリアでは国王陛下の人格に対する誹謗中傷が広められています」。

 

 ガルシアは、フェルナンドへの誹謗を広めた張本人がナポリの貴族エスピネロではないかと疑う。ゴンサロはエスピネロを呼び出して尋問するが、エスピネロはしらを切る。

 

 ゴンサロの甥フアン・デ・コルドバは、フリアポンペヤという二人の女性から好かれている。それまでポンペヤの恋人だったナポリの貴族ファブリシオ・ウルシーノは、フアンに嫉妬する。両者はついに決闘をすることになる。

 

 ファブリシオはフアンに「立会人をつれて川岸へ来るように」と手紙を出す。しかし気位の高いフアンは独りでその場所へ向かう。ガルシアから事情を聞かされたゴンサロは急いでフアンの後を追う。

 

 決闘場所にはフアンを心配したフリアとポンペヤもやってくる。それを見たゴンサロは、フアンが決闘を止めてもらうために彼女たちを呼んだのだと考え、失望する。甥のフアンが臆病者なら家名を汚すことになると感じたゴンサロは、ひそかにフアンを亡きものにしようと企む。

 

 ゴンサロはフアンが泳げないことを利用し、川の対岸へ向かう小舟の底に穴をあけておき、舟を沈める。フアンは溺れ、水中に消える。ゴンサロは泳いで対岸へ渡り、ファブリシオにフアンの死を告げる。ファブリシオに付き添っていたのはエスピネロだった。ゴンサロは、もしエスピネロを殺せば彼が流した誹謗中傷が真実だと思われてしまうだろうと考え、彼らと戦わずに去る。

 

 その後、フアンが岸にたどり着き、ファブリシオの前に姿を現す。フアンはファブリシオに決闘を挑み、彼を殺す。エスピネロはその場から逃げる。

 

 スペインにいる国王フェルナンドは、「ゴンサロがフィリップ大公の父親と共謀してナポリを独占しようとしている」という噂を耳にする。国王はゴンサロの忠誠心に疑いを抱くが、軍人のヌーニョ・デ・オカンポはそれがゴンサロを妬む者たちの嘘であることを伝える。彼に説得されたフェルナンドは、ゴンサロをサンティアゴ騎士団の終身団長に任命する。

 

 フィリップ大公とフアナがバリャドリードに到着し、支持者たちに歓迎されているという知らせが入る。

 

 ナポリでは、決闘の翌日にゴンサロの前にフアンが姿を現す。彼が死んだものと思っていたゴンサロは驚く。フアンから事情を聞き、彼が臆病者でなかったことを知ったゴンサロは喜んで彼を迎える。二人は近いうちに危険の多いナポリを去り、スペインへ帰ろうと話す。フアンから事情を聞いたポンペヤは、男装して彼についていくつもりだと告げる。

 

 国王フェルナンドがナポリに到着する。ゴンサロは盛大に国王を歓迎する。エスピネロは再びゴンサロを陥れようと企む。フアンへの恋に破れたフリアもそれに協力する。

 

 エスピネロは「ゴンサロの裏切りを国王に手紙で知らせようとしていたファブリシオがフアンに殺された」と国王に告げる。フリアはファブリシオに死なれた妻を演じる。彼らの言葉を信じた国王はフアンを捕える。

 

 エスピネロらはさらに、ゴンサロの忠誠心を確かめるために彼の勘定書を調べさせるよう国王にすすめる。国王はその言葉に従う。

 

 ゴンサロは包み隠すことなく勘定書を提出する。軍事費や教会の維持費に膨大な金が使われていたことが判明するが、ゴンサロはそれらはすべて必要経費だと断言する。国王はゴンサロがナポリに善政を行っていたと判断し、満足する。

 

 ゴンサロは国王に、フアンの無実を訴える。国王はゴンサロの言葉を信じ、フアンを解放する。

 

 フィリップ大公が急死し、フェルナンドはカスティーリャの王権を維持する。国王はスペインへ戻る途中、フランス国王ルイ12世に招かれ、食事をともにする。食卓に国王フェルナンド、王妃ジェルメーヌ、ルイ12世らと並んでゴンサロも席につく。フアンとポンペヤの婚礼が行われて幕となる。

 

 

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フェデリーコ・デ・マドラーソ

《チェリニョーラの戦場をゆく大総帥》

1835年 プラド美術館

Museo Nacional del Prado

 

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