Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

スペインの礼節(Cortesía de España, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1608-12年

種類:小説にもとづいた劇

補足:イタリアの作家ジョヴァンニ・バッティスタ・ジラルディ(チンツィオ)の小説集『百物語(エカトンミーティ)』から物語の題材を得ている(同じ作品からシェークスピアは『オセロー』の物語の題材を得ている)。2014年に「国立古典演劇青年劇団(ラ・ホベン・コンパニーア・ナシオナル・デ・テアトロ・クラシコ)」がこの劇を上演している。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 イタリアのジェノヴァに住む騎士マルセーロは、郊外にある彼の所有地を視察しに出かける。しかし彼は妻のルクレシアが恋しくなって、従者のクラウディオに彼女を迎えに行かせる。

 

 クラウディオから話を聞いたルクレシアは、彼とともに夫の元へ向かう。しかし道の途中でクラウディオは彼女に「マルセーロ様は、あなたが不義密通を犯しているから殺すようにと私に命じました。彼は別の女性に恋をしていて、あなたを厄介払いするつもりなのです。あなたを助けますから、私の妻としてフランスへ一緒に逃げてください」と告げる。

 

 ルクレシアはクラウディオの言葉を疑う。クラウディオは苛立ち、ルクレシアに襲いかかる。そこへスペインの高名な貴族ドン・フアン・デ・シルバと従者ソリーリャが通りかかり、ルクレシアの悲鳴を聞いて彼女を助ける。

 

 ルクレシアはフアンに「私は夫に裏切られ、殺されそうになったのかもしれない」と話す。フアンは彼女を、トレドにいる彼の妹レオナルダのもとへつれていこうと申し出る。ルクレシアはそれを受け入れる。

 

 逃げ出したクラウディオはマルセーロのもとへ戻り、「ジェノヴァを出発してまもなく、二人のフランス人に襲われて負傷しました。ルクレシア様は、自分の意思で彼らについていってしまいました」と報告する。マルセーロは嘆き、クラウディオとともにルクレシアを探しにフランスへ旅立つ。

 

  ルクレシアを保護してトレドへ向かううちに、フアンは彼女に恋心を抱いてしまう。しかし彼は “スペインの礼節” にのっとり、紳士的にふるまうつもりであることをソリーリャに打ち明ける。

 

 フアン、ルクレシア、ソリーリャは、トレド近郊の街オルガスに泊まる。フアンの紳士的な行動を見ているうちに、ルクレシアも彼に好意を抱くようになり、名誉心と恋心の間で葛藤する。フアンのルクレシアへの恋心も高まっていくが、彼は懸命に感情を抑え、宿屋にひとつしか空いていない部屋をルクレシアに譲って外へ出る。

 

 フアンの妹レオナルダは、ドン・ホルヘという騎士から求婚されているが、まったく相手にしていない。ホルヘはレオナルダの従者アントニオや侍女のフリアからもばかにされてしまう。

 

 ソリーリャは、夜更けにオルガスの宿屋の女将オラーリャに会いに行く。いっぽうフアンもルクレシアへの恋心を抑えきれなくなり、宿へ向かう。ソリーリャと鉢合わせをしたフアンは、ソリーリャがルクレシアをねらって来たのだと勘違いし、彼と言い争う。騒ぎを聞きつけたルクレシアが半裸の姿で現れ、仰天したフアンはソリーリャとの言い争いをやめる。

 

 マルセーロとクラウディオはパリでルクレシアを探すが、彼女は見つからない。マルセーロは、自分が死んだという知らせを知人たちのもとへ送らせる。

 

 フアン、ルクレシア、ソリーリャは、レオナルダの家へ到着する。レオナルダはルクレシアを歓迎し、フアンとともにルクレシアを盛大にもてなす。その後、マルセーロが死んだという知らせが人づてにルクレシアの耳に入る。

 

 フアンはレオナルダに、「自分はルクレシアに恋い焦がれているのだが、彼女がほんとうに不義密通をしたのか、それとも無実なのかわからない。だから彼女との結婚はあきらめる。ジェノヴァ出身の、妻を亡くした騎士と彼女とを再婚させようと思う」と話す。

 

 フアンがルクレシアの結婚相手にふさわしいと考え、つれてきたのはマルセーロだった。マルセーロは別名を名乗ってクラウディオとともにスペインへ渡り、ルクレシアがもう死んだものと考えるに至って、再婚する決心をしたのだった。

 

 顔を合わせたルクレシアとマルセーロは、死んだものと思っていた夫(妻)を見て驚く。二人だけになったとき、彼らは自分をあざむいたことで相手を非難し合う。かっとなったマルセーロが短刀を取り出すが、フアンが現れて彼らの争いをやめさせる。

 

 ソリーリャは、クラウディオを見て、以前ルクレシアと一緒にいた男だと気づく。ソリーリャはマルセーロに「助けた女性を自分のものにしようとするなんて、名誉ある男のすることではない」と告げる。それを聞いたマルセーロは、フアンがルクレシアと関係を持ったのだと勘違いをする。

 

 フアンは、ルクレシアとマルセーロとの結婚がうまくいきそうにないとみて、自分がルクレシアと結婚し、マルセーロとレオナルダが結婚することを提案する。マルセーロはそれを承諾するが、ルクレシアはそれに反対し、クラウディオが彼らをあざむいたことを皆の前であきらかにする。クラウディオは罪を認め、その場から逃げ去る。マルセーロの誤解は解け、彼とルクレシアは仲直りをする。ホルヘはあらためてレオナルダに求婚し、レオナルダがそれを受け入れて幕となる。

 


"La cortesía de España" CNTC (2014)