Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

与えられるべき王冠(Corona merecida, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1603年

種類:歴史劇

補足:カスティーリャ国王ペドロ1世(残酷王)の執拗な求愛から逃れるために、自ら煮えたぎった油を浴びて火傷を負ったとされるセビーリャの女性ドニャ・マリア・コロネルの伝説にもとづいている。マリアが設立したサンタ・イネス修道院には、現在も彼女のものとされる遺体が残る。ロペの戯曲では、舞台はブルゴスに、王はアルフォンソ8世に、ヒロインの名はドニャ・ソルに変更されている。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 カスティーリャ国王アルフォンソは、結婚式を挙げるためにブルゴスに赴く。結婚相手のレオノールはイギリス人で、美しいという評判であるが、国王はまだ彼女に会っていない。国王は結婚式の前にレオノールの美貌を確かめたいと考え、村人に変装して近隣の村に泊まり、ひそかにレオノールを見る機会をうかがう。

 

 しかし、村の聖堂でひとりの美しい女性を見た国王は、たちまちレオノールのことを忘れてその女性に欲望を抱く。国王は彼女を自分のものにしようと、同行していたヌーニョ伯爵に彼女との仲介役を命じる。

 

 ヌーニョはその女性に国王の希望を伝えるが、女性はそれを拒絶する。実はその女性はヌーニョの妹のドニャ・ソルであった。ヌーニョは妹が宮廷で誘惑されることを恐れ、ひそかに彼女を別の農村に住まわせていたのであるが、ソルはその日、王妃レオノールの姿を一目見たいという好奇心にかられてブルゴスへ向かっていたのである。

 

 ソルが自分の妹であることを知ったヌーニョは、なんとか国王にソルをあきらめさせようとするものの、国王は応じない。ヌーニョはやむなく、かねてからソルに求愛していた貴族ドン・アルバロとソルを急遽、結婚させることにする。翌日、国王の結婚式が終わるとすぐに、ソルとアルバロの結婚式が行われる。

 

 ソルをあきらめきれない国王は、自分の結婚式が終わると、王妃を置いて村へ出かける。ソルとアルバロの結婚を祝う宴が開かれているのを見た国王は、ヌーニョに先手を打たれたことを知る。

 

 王妃レオノールは、国王の冷たい仕打ちを嘆く。王妃の友人エルビラは、国王の取り巻きの一人であるドン・ペドロから、王が別の女性を口説いていたことを聞き出す。王妃はそれを聞いて怒る。

 

 国王はソルの結婚を祝福する手紙をヌーニョへ送るとともに、アルバロに宮廷での仕事を与え、アルバロとソルを宮廷へ来させるようヌーニョに命じる。アルバロは喜ぶが、ヌーニョとソルは不安を覚える。宮廷へやってきたソルを見て、王妃は激しく嫉妬する。

 

 国王はソルへの求愛を続けるが、ソルは応じない。ドン・ペドロは国王に「アルバロを窮地に陥らせ、陛下のみが彼を助けられるような状況にすればよいのです」と助言する。国王とその取り巻きは、アルバロを陥れる計略を考える。

 

 国王の従者がモーロ人の使者に変装し、「アルバロがモーロ人と手を結んで国王を暗殺しようと企んでいる」と公の場で証言する。アルバロは投獄される。ヌーニョと王妃は、これは国王の陰謀だと推察する。

 

 国王のもくろみ通り、ソルがアルバロの助命嘆願にやってくる。ソルは夫を助けるかわりに国王の要求に従うことを了承する。その日の晩、国王はソルの家を訪問する。

 

 ソルはわざと自分の体を手斧で傷つけてから国王を迎え、「実は私は一年前から疫病にかかっているのです」と言いながら血まみれの包帯をつけた胸や腕を国王に見せる。国王はそれを見てソルへの欲望を失い、その場から去る。

 

 ソルをあきらめた国王は、アルバロを解放する。しかし国王とソルが関係をもったと考えた王妃は、ソルに嫌がらせをする。見かねたヌーニョはソルに、王妃に真実を話すようにと促す。

 

 ソルから真実を聞かされた王妃は、彼女の行動に心を打たれ、彼女にみずからの王冠をかぶせて賞賛する。王妃はソルをコロネル家の初代の貴族に任命する。国王もそれを了承する。アルバロとソルが抱擁する場面で幕となる。

 

 

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