Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

貴族間の競り合い(Competencia en los nobles, la)

ロペへの帰属:議論の余地あり

執筆年代:1593-1603年

種類:都会的な同時代劇

補足:カトリック両王の時代のトレドが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  貧しい騎士ドン・フアンドニャ・フアナに恋をしている。しかしフアナにはドン・ペドロという裕福な婚約者がいる。

 

 ある日、フアナの家を訪れたフアンは、侍女のレオノールからフアナの体調が悪いと聞かされる。フアンはなけなしの財産をレオノールに渡し、それでフアナのために薬を買ってほしいと頼んで去る。

 

 フアナは、貧しいフアンが自分のために財産を手放したことを知って心を痛める。そこへ、フアンの従者エルナンドと、ペドロの従者グスマンが、それぞれフアナへの見舞いの品を届けに来る。グスマンの持ってきた品物のほうがあきらかに豪華であったが、フアナはそれをペドロの強引な好意の押し付けと感じる。

 

 フアンとペドロは、フアナをめぐって決闘しようとする。フアナはそれをやめさせようと、フアンの父親ドン・ディエゴとペドロの父親ドン・ルイスに決闘のことを知らせる。

 

 ディエゴとルイスは、息子たちの身を案じつつも彼らの意思を尊重し「どちらが殺されても相手を許す」と言って決闘を許可する。

 

 決闘の結果、フアンが勝ち、ペドロが負傷する。フアンは警吏に追われるが、ルイスが約束通りフアンを許すつもりでいることを知り、彼のためにペドロを助けようと決闘現場へ戻ってくる。

 

 国王フェルナンドが通りかかり、事情を知ると「ペドロの傷が治るまでフアンは彼に付き添うように」と命令する。フアンは喜んでそれを受け入れる。

 

 フアンを愛するようになったフアナは、ペドロとの婚約を破棄する方法を考える。フアナは従者のベルトランに命じてペドロからもらった贈り物を返却し、自分がフアンを愛していることを伝えるが、ペドロはフアナのことをあきらめない。

 

 傷が治ったペドロはフアンとともに、どちらがフアナから最終的に夫として選ばれるかを正々堂々と勝負する約束をする。フアンのほうが金銭面で不利であるのを見たペドロは、自分の財産を自由に使うことをフアンに許可する。エルナンドは、ペドロのおかげで食事に困らなくなったことを喜ぶ。

 

 トレドの祝祭日が迫り、闘牛と馬上槍試合が開催されることが決まる。フアンとペドロは、ともに競技に参加することにする。

 

 国王フェルナンドが現れ、ペドロの体調とその後の恋の進展について尋ねる。フアンとペドロが正々堂々と恋の勝負をしていることを知って国王は感心する。フアンは、国王とともに競技に参加する栄誉ある役割をペドロに譲る。

 

 ドニャ・マリア・デ・ルーナという女性が、フアナの家を訪れる。彼女は「ペドロに誘惑されて捨てられた。私の名誉を回復するのを助けてほしい」と告げる。そこへフアンとペドロがやってきたので、フアナはマリアを隠す。

 

 フアンとペドロは、自分たちが試合に参加することを告げ、それぞれ自分の恋人になってほしいとフアナに申し出る。フアナはペドロに、「あなたはあなたの妻にふさわしい人を得られるでしょう」と意味ありげに言う。

 

 祝祭の日、フアナは自分の代わりにマリアを薄暗い木陰に立たせ、フアンには自分が自宅の庭園にいることを伝えておく。

 

 エルナンドとグスマンは、恋の勝負に勝つための卑劣な方法をそれぞれ自分の主人に提案する。しかしフアンとペドロはきっぱりとそれを退ける。

 

 ペドロは父親の助言を得て、闘牛で華々しい活躍をする。フアンは自分の敗北を確信し、フアナが待っている場所へ行って「これからはあなたの従者として仕えたい」と申し出る。そのとき暴走した牛が現れ、フアンはフアナの命を救う。フアンとフアナは互いの愛情を確かめ合い、その場で結婚の約束をする。

 

 マリアがフアナに、闘牛でのペドロの活躍を知らせる。フアナは「私は、最も勇敢に牛と戦った人を夫にします」と彼女に伝える。マリアはそれはペドロのことだと思い、落胆して去る。

 

 フアンとペドロは、それぞれの父親を交え、互いに自分こそがフアナに夫として選ばれたのだと主張する。そこへ、早合点をしたベルトランとグスマンが現れ、フアナの夫はペドロだと伝える。フアンは悲しみながらもフアナをあきらめ、ペドロに友人として仕えると申し出る。

 

 フアナは、自分のあいまいな言葉のせいで誤解を招いたことを知り、真実を告げる決心をする。関係者たちがフアナの家に集められる。フアナはフアンを夫として選んだことを宣言する。ペドロはマリアに対して負っている責任を認め、彼女の名誉を回復する(すなわち彼女と結婚する)ことを了承する。エルナンドとレオノールも結ばれて幕となる。