Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

“残酷王”ペドロ1世を描いたもの

 カスティーリャ王ペドロ1世(1334-69年、在位1350-69年)は、多くの王族や貴族を処刑したことから“残酷王”という異名をもっています。しかしそれは正義のために厳格さをもって臨んだ結果だとして、支持者側からは“正義王”という名もつけられました。

 

 青池保子作の漫画『アルカサル‐王城‐』は、ペドロ1世の生涯をとり上げたものです。

 

 

アルカサル-王城- (1) (Princess comics)

アルカサル-王城- (1) (Princess comics)

 

 

 ロペもまた、ペドロ1世を『国王ドン・ペドロの審問』『炭焼き娘』『確かなものより疑わしきものを』『銀むすめ(la niña de plata)』などのコメディアで取り上げています(一部、ロペへの帰属に疑問が持たれているものもありますが)。

 個々の作品によってペドロの性格は異なっています。厳しいけれども正当な判決を下す偉大な審判者として描かれることもあれば、相手が自分の暗殺しようとしている異母妹だとも知らずに、美しい炭焼き娘に恋をしてしまう少々軽薄な君主として描かれることもあります。彼は異母弟のエンリケ・デ・トラスタマラに殺されるのですが、『確かなものより疑わしきものを』では、若き日のペドロとエンリケが恋のライバルとして描かれています。

 これらのコメディアでは、史実を描くことよりも、歴史上有名な人物を劇に登場させることで観客の興味をひくことが目的であったようです。現在もセビーリャに残るアルカサルには、ペドロ1世の時代に造られたムデハル建築の美しい宮殿が含まれていますが、セビーリャを舞台としたコメディアにペドロ1世がよく登場するのも、その地域出身の観客に親しみを感じさせるための工夫なのでしょう。

 

 

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