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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

カステルビン家とモンテス家(Castelvines y Monteses)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1606-12年

種類:小説に基づく劇

補足:シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』と同じく、バンデッロの小説に基づいて書かれている。イタリアのヴェローナが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ヴェローナの街角に、ロセロ・モンテスが現れる。彼は親友のアンセルモ、従者のマリーンとともに、アントニオ・カステルビンの邸宅を見に行く。

 

 カステルビン家では祝宴が行われており、ロセロたちはその華やかさに魅了される。美しい女性たちを見たいという欲求に駆られたロセロとアンセルモは、仮面をつけて祝宴に潜入しようと計画する。

 

 マリーンは、カステルビン家とモンテス家が互いに激しく憎みあっていることを彼らに教える。ロセロはモンテス家の当主の一人息子であり、カステルビン家に潜入するのは危険な行為である。しかし、若くて向こう見ずなロセロはマリーンの忠告を無視して計画を実行する。

 

 祝宴には、アントニオとその娘フリア、アントニオの弟テオバルド、テオバルドの息子オタービオと娘のドロテーアがいる。オタービオは従妹のフリアに恋をしているが、フリアは彼に関心を示さない。フリアの気持ちをよそに、アントニオとテオバルドは、いずれ二人を結婚させようと話し合っている。

 

 仮面をつけた青年たちが祝宴に加わる。ロセロ、アンセルモ、マリーンもその中に紛れ込む。ロセロは美しい女性たちの姿に見とれ、仮面がはずれたのに気づかず素顔を人前にさらしてしまう。

 

 憎いモンテス家の若者がいるのに気づいたアントニオは激怒し、ロセロを殺そうとする。しかしテオバルドは彼を制止し、過去の感情を持ち出してヴェローナの街を乱すのはやめるようにと諭す。

 

 フリアとロセロは、互いに一目で恋に落ちてしまう。同様に、ドロテーアとアンセルモも恋に落ちる。ロセロとアンセルモはさっそく女性たちを熱心に口説く。オタービオは彼らの行動を注視する。

 

 フリアはオタービオの視線に気づき、彼の関心をひきながら気づかれぬようロセロに手を差し出す。彼女はオタービオをうまくあしらいながら、その晩に庭園に来てほしいという意図をロセロに伝え、彼に指輪を渡す。

 

 祝宴が終わり、男性たちは去る。フリアは侍女のセリアに、自分が恋した見知らぬ青年のことを打ち明ける。セリアは、それがモンテス家のロセロであることをフリアに教える。

 

 敵対する家の息子に恋をしてしまったことを知ったフリアは後悔し、ロセロのことを忘れようと決心する。しかしセリアから「私も実は彼の従者のマリーンに恋をしてしまったのです」と打ち明けられたフリアは、ロセロが他の女性を口説いていないかどうかを調べるよう彼女に命じる。

 

 ロセロの父親ファブリシオ・モンテスは、ロセロがカード賭博や女遊びにうつつを抜かすようになったことを嘆き、彼の行動がカステルビン家を刺激するのではないかと心配する。ファブリシオはロセロに悪習をやめさせるためにも、彼を早く結婚させようと考える。

 

 帰宅したロセロは、自分の恋した女性がモンテス家の最大の敵であるアントニオ・カステルビンの娘であったことを知る。しかし彼はフリアの求めに応じてその晩庭園へ行くことを決意する。

 

 窓から庭園を眺めていたフリアは、自分がフリアと逢引の約束を交わしたと勘違いしたオタービオがそこで待っているのに気づく。彼女はうまくオタービオをその場から去らせる。その直後、ロセロがフリアのいる窓までよじ登ってくる。危険だから早く逃げるようにと告げるフリアに、ロセロは結婚を申し込む。

 

 フリアはロセロの求婚を受け入れ、二人は翌日教会でひそかに結婚することを約束する。二人は、自分たちの結婚によって両家の仲違いに終止符が打たれることを期待する。

 

 ロセロとフリアが教会の司祭アウレリオ(舞台には登場しない)のもとでひそかに結婚式を挙げて数日が経過する。ロセロは毎晩、フリアのもとへ通っている。

 

 ドロテーアが教会の中でモンテス家の女性たちに侮辱的な扱いを受け、それまで穏健な態度であったテオバルドが激怒する。教会の前でカステルビン家とモンテス家の男性たちは互いに剣を抜いて睨み合う。

 

 ロセロは両家を和解させようとするが、血気にはやったオタービオはそれを拒否する。ロセロはやむをえず剣を抜いてオタービオと戦い、彼を殺す。テオバルドは息子の死を嘆き、モンテス家の人々はロセロをつれてその場から逃走する。

 

 ヴェローナの領主は、オタービオを殺した罪でロセロを裁く。「挑発したのはオタービオの方であり、ロセロはむしろ和解を望んでいた」という人々の証言によって、ロセロは死刑を免れ、ヴェローナからの追放を言い渡される。

 

 カステルビン家の人々は怒り、ロセロの命を狙うが、ヴェローナの領主はロセロの身を守るため、彼に護衛をつけることにする。

 

 ロセロとマリーンはヴェローナを去る前に、フリアとセリアに別れを告げる。ロセロはフリアに「いつか一緒にここから逃げよう」と話す。

 

 ロセロと別れて悲しんでいるフリアを見たアントニオは、オタービオの死を悲しんでいるのだと考え、娘の悲しみを癒すために彼女をパリス伯爵と結婚させようと考える。

 

 パリス伯爵は、ロセロを護衛してフェラーラへ向かっている途中だった。アントニオからの手紙を受け取ったパリスは、「ロセロの護衛をとりやめて、娘のフリアと結婚してほしい」という申し出を受け、ロセロに事情を説明してヴェローナへ戻る。ロセロはフリアが心変わりをしたのだと思い、落胆する。

 

 アントニオは、パリスとの結婚を受け入れるようフリアを説得する。フリアは断り切れず、ついにそれを承知する。

 

 絶望したフリアは、司祭のアウレリオに「死にたい」という内容の手紙を送る。手紙を読んだアウレリオはフリアに薬を送る。フリアがそれを飲むと、全身に激痛が走る。死を予感したフリアはセリアに「ロセロに私の死を伝えて」と告げる。

 

 フェラーラに着いたロセロは、フリアのことを思い切るために別の女性を口説き、連れの男性たちと喧嘩をする。むなしい心で宿に戻ったロセロのもとにアンセルモが現れ、ヴェローナからの知らせを伝える。

 

 「フリアはパリスと婚約した。しかし結婚式の前日、彼女は死んでしまった。葬儀は明日行われる予定だ」と聞き、ロセロは絶望する。しかしアンセルモは、「実は彼女が飲んだのは毒薬ではなく、二日間だけ仮死状態にする薬だ。彼女がカステルビン家の地下墓所に安置されている間に救い出して、二人で逃亡しろ」と彼に告げる。ロセロは急いでヴェローナへ向かう。

 

 カステルビン家では、アントニオとパリスがフリアの死を嘆き悲しんでいた。甥と娘を相次いで失ったアントニオは、高齢であるにもかかわらず、後継ぎを得るために姪のドロテーアと結婚すると告げる。

 

 フリアは暗い地下墓所の中で目を覚まし、あたりの様子を見て怯える。そこへロセロとマリーンが現れる。マリーンは震えながら、気味の悪い場所へ連れてきた主人のロセロに文句を言う。彼らが持っていた明かりの灯が消え、周囲は闇に閉ざされる。

 

 マリーンはフリアを探すため、手探りで死体を調べ始める。フリアは怪しい人物だと思ってマリーンを殴りつける。ようやくロセロはフリアを探し出し、二人は再会を喜び合う。二人は、互いの家の諍いがおさまるまで、農村にあるカステルビン家の別荘に隠れ住むことにする。

 

 ロセロ、フリア、アンセルモ、マリーンは、農民に変装してカステルビン家の別荘を訪れる。別荘を管理している農夫のベラルドは彼らを雇うことを快く承知する。ベラルドは彼らに、アントニオとドロテーアが婚約したことを知らせる。アンセルモはひそかに悲しむ。

 

 アントニオが別荘に到着する。フリアは、死者の霊が彼に呼びかけているふりをして、隠れた場所からアントニオに、自分を無理やり結婚させようとしたことに対する非難の言葉を投げつける。ショックを受けたアントニオに、フリアは「ロセロと仲良くして、平和に過ごしてください。さもなければ死ぬまであなたは苦しむことになるでしょう」と告げる。

 

 テオバルド、ドロテーア、パリスが到着する。続いて兵士たちが現れ、縛り上げられたロセロとアンセルモとマリーンを連れてくる。アントニオは、死んだフリアの声が聞こえたことを皆に告げ、ロセロを罰することはしないと宣言する。

 

 アントニオは、ロセロとドロテーアを結婚させると告げる。しかしそのときフリアが姿を現し、真実を皆に告白する。ロセロとフリア、アンセルモとドロテーア、マリーンとセリアが結ばれて幕となる。

 

 

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