Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

フランスにおけるカール5世(Carlos V en Francia)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1604年

種類:歴史劇

補足:神聖ローマ皇帝カール5世(スペイン国王カルロス1世)、フランス国王フランソワ1世、教皇パウルス3世が登場する。1538年にフランスとの間で結ばれた「ニースの和約」が描かれている。男装の女性が登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 カール5世フランソワ1世は、イタリアの領土をめぐるスペインとフランスの戦争を終わらせるため、教皇パウルス3世の仲介を得てフランスのニースで和約を結ぶ。

 

 ニース市内でフランス兵たちとカード遊びをしていたスペイン兵パチェーコは、フランス兵たちがカール5世を侮辱するのを聞いて腹を立て、彼らと争う。乱闘の中でフランス国王の衛兵二人が死に、パチェーコはその責任を追及される。

 

 パチェーコは、フランソワ1世の前に引き出される。しかし事情を聞いたフランソワは、パチェーコのカール5世への忠誠心を讃え、彼に指輪を与える。

 

  パチェーコが起こした騒ぎを知らされたカール5世は、初めはフランスとの和約が無効になることを恐れ、パチェーコを絞首刑にしようとする。しかし、デル・バスト侯爵のとりなしがあり、またフランソワがパチェーコに指輪まで与えたことを聞かされ、カール5世は、パチェーコをゆるして自分の従者にする。

 

 フランス貴族の娘レオノールは、皇帝カール5世に熱狂的な恋心を抱いている。カール5世の軍隊がバルコニーの下を通り過ぎていくのを見ていた彼女は、なんとかして皇帝と個人的な知り合いになろうと思い、軍隊の中にいたひとりの青年に声をかける。青年の名前はフェルナンディーリョといい、フランドルからニースにやってきたばかりのスペイン人騎士ドン・フアン・デ・メンドーサの従者だった。フアンは、スペインの高名な詩人で軍人のガルシラーソ・デ・ラ・ベガから、これまでのスペインとフランスの戦いの話を聞いていた。

 

 フェルナンディーリョの正体は、ドロテーアという名の女性である。彼女はフアンに恋するあまり、男装して彼の後を追いかけている。フアンはそのことに気づいているが、ドロテーアの恋に応じようとはしない。

 

 レオノールはフェルナンディーリョ(ドロテーア)に、皇帝を「ものにする」ために力を貸してほしいと依頼する。

 

 通りを歩いていたフェルナンディーリョ(ドロテーア)とレオノールは、偶然パチェーコに出会う。パチェーコは、レオノールを皇帝に会わせることを約束する。

 

 皇帝は戦争の終結を望んでいるものの、彼の提示した条約の内容にフランソワが反対したことに不満を示す。彼は教皇に、フランソワに会わず、フランスの地も踏まずにスペインに帰ることを告げる。

 

 フランソワは、皇帝をもてなす機会を奪われ残念に思う。しかし皇帝の乗った船が天候不順のためマルセイユ沖の島に立ち寄ったことを知った彼は、小舟に乗って皇帝に会いに行く。皇帝はフランソワの示した態度に感謝する。

 

 皇帝はトレドに到着し、歓迎される。パチェーコはスペインまでつれてきたレオノールを皇帝に紹介する。しかし皇帝は立腹し、レオノールをすぐにフランスへ送り返せとパチェーコに命じる。

 

 皇帝に拒絶されたレオノールはショックのあまり正気を失い、自分が皇帝の妃で離婚されようとしているのだという妄想を抱く。パチェーコは彼女に正気を取り戻させようとして自分の恋心を告白するが、かえってレオノールの激しい拒絶にあう。

 

 レオノールは皇帝にむかって「あなたはトルコのスルタンのように、ヨーロッパじゅうを征服した王になるつもりなのだ」と言い、彼をののしる。皇帝はレオノールの錯乱状態を見て哀れに思い、パチェーコに金を与えて彼女の世話をするようにと命じる。

 

 フアンはレオノールの美しさに興味を抱き、彼女が正気を失っているのを利用して、自分が皇帝だと思いこませて彼女を口説く。レオノールは彼を皇帝だと信じこみ、彼と抱き合う。それを見たフェルナンディーリョ(ドロテーア)は激しく嫉妬し、レオノールとけんかを始める。

 

 パチェーコはフェルナンディーリョ(ドロテーア)の行動を叱る。フェルナンディーリョ(ドロテーア)は、自分が女性であること、フアンに恋をしていることをパチェーコに打ち明け、彼の手助けを求める。

 

 皇帝の生地フランドルのゲントで反乱が起こる。皇帝はフランスを通って鎮圧に向かう。フアン、フェルナンディーリョ(ドロテーア)、パチェーコ、レオノールも軍に加わる。

 

 皇帝はパリに到着する。皇帝はレオノールの行動を面白がり、取り巻きの中に加えている。パチェーコは出世する。

 

 レオノールが同席している中で、フランソワと彼の妃は皇帝を歓迎する。フランソワは、法律にのっとって、皇帝がパリにいる間はフランス国王の権限を委託すると告げる。皇帝は承諾する。

 

 ドイツ人傭兵のビサンソンが、皇帝のもとにやってくる。ビサンソンは、イタリアでスペイン軍と戦ったことを自慢し、フランス国王として自分に報酬を与えてほしいと傲慢な態度で皇帝に要求する。パチェーコはビサンソンの不遜な態度に立腹し、彼に傷を負わせて追いはらう。皇帝はパチェーコを処刑すると宣言するが、ひそかに彼に感謝の言葉を言って逃がそうとする。結局、ビサンソンは逃亡したためパチェーコの罪は許される。

 

 フェルナンディーリョ(ドロテーア)が現れ、皇帝の前で自分が女性であることを明かす。彼女はフアンへの恋に悩んでいることを告白し、自分の名誉のため、皇帝に正しい裁きをしてほしいと願う。皇帝は、彼女とフアンを結婚させると約束する。

 

 レオノールの親戚の男たちが現れ、彼女が家名を汚したとなじる。男たちは彼女を縛って家へ連れ帰ろうとするが、パチェーコはレオノールをかばって、彼らから逃がしてやる。

 

 皇帝はゲントへ向けて出発する。「フランス」「スペイン」を象徴する女性たちが現れ、平和の抱擁を交わす。皇帝は、自分が戻るまでのレオノールの世話をフランソワたちに委ねる。フランソワの息子と皇帝の姪が結婚し、ミラノが割譲されることが取り決められる。

 

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ティツィアーノ

神聖ローマ皇帝カール5世》

1532-33年

プラド美術館

Ciudad de la pintura - La mayor pinacoteca virtual

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ティツィアーノ

《フランソワ1世の肖像》

1538年 ルーヴル美術館

Ciudad de la pintura - La mayor pinacoteca virtual

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ティツィアーノ

教皇パウルス3世の肖像》

1543年

ナポリ、カポディモンテ美術館

Ciudad de la pintura - La mayor pinacoteca virtual