Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

聖母の司祭(Capellán de la Virgen, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1613-16年

種類:宗教劇

補足:7世紀に生きたトレドの大司教聖イルデフォンソの生涯を描く。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  セビーリャの神学校で、イルデフォンソラミーロという学生が語り合っている。ラミーロはゴート族の王レシスンドの甥であり、イルデフォンソはトレド大司教エウヘニオの甥である。

 

 ラミーロは、異端のアリウス派との戦いのため、レシスンドが彼を軍人にしようとしていることを嘆く。イルデフォンソは、「異端者との戦いも、修道生活と同じように神に仕える仕事だ」とラミーロをなぐさめる。

 

 レシスンドは、洞窟の前で、姪のロシンダファビラ公爵と話をしている。その洞窟の中にある秘密を探し出そうとした王たちはみなスペインを失ったという言い伝えがあると知り、レシスンドは洞窟に入ることをあきらめる。ファビラ公爵とロシンダは洞窟に興味を示す。

 

 イルデフォンソは、神学校で仲間のブラウリオやラミーロと議論をする。イルデフォンソが聖母への深い崇敬の念を表明すると、彼は法悦状態に陥る。

 

 イルデフォンソの従者メンドが、エウヘニオからの手紙を届けに来る。手紙は、イルデフォンソにトレドへ戻るよう促すものだった。イルデフォンソは仲間たちに別れを告げ、トレドへ出発する。ラミーロの従者ヌーニョはイルデフォンソに心酔し、ラミーロに願い出てイルデフォンソについていく。いっぽう、メンドのほうは敬虔な母親アナに育てられたにもかかわらず、世俗の楽しみを捨てきれずにいる。

 

 ファビラ公爵は、魔術師のセルバンドを呼び、洞窟に入らずに中の秘密を探るよう命じる。洞窟の中の一本の樹からしるしがあらわれ、スペインが10世紀の間失われること、その後、オーストリアの家系の王によって支配されることが暗示される。

 

 イルデフォンソはトレドに到着し、父のエステバンや母のルシアと再会する。エウヘニオはイルデフォンソを助祭に任命する。

 

  レシスンドは、ラミーロを王位継承者にする。しかしレシスンドは、バンバという農夫も王になろうとしているとラミーロに警告する(*「バンバ(Bamba)」のあらすじを参照)。ラミーロはロシンダにひとめ惚れをするが、ロシンダはファビラ公爵に恋している。

 

 イルデフォンソが、聖母の栄光を賛美する文章を書いていると、メンドの母親アナがやってくる。アナは異端者たちがトレドを攻撃していることを伝える。

 

 ラミーロが現れ、イルデフォンソとの再会を喜ぶ。しかしラミーロはすでに世俗の世界になじんでおり、イルデフォンソの書いた本を嘲笑する。イルデフォンソは悲しむ。

 

 忠実なヌーニョとメンドは、主人の思想を市民に浸透させようと考え、聖母を賛美する言葉が書かれた紙を市内に貼って回り、異端者を懲らしめて回る。

 

 ラミーロは、ロシンダを口説くための「取り持ち婆(セレスティーナ)」を探しに行く。しかし彼が出会ったのはアナだった。アナはラミーロの計画を知って驚き、彼を諭す。アナと別れたラミーロを見つけたヌーニョとメンドは、彼を異端者と勘違いし、棒で殴って気絶させる。ラミーロはこの出来事をきっかけに改心し、信仰心を取り戻す。

 

 エウヘニオはイルデフォンソをトレドの大司教に任命しようとするが、イルデフォンソは自分がそれに値しないと思い、静かな生活を求めてベネディクト会の修道院に入る。メンドも彼についていく。

 

 数年が経過する。エウヘニオが死に、イルデフォンソはようやくトレドの大司教になることを承知する。レシスンド、ラミーロ、ファビラ公爵は彼の聖性を賛美する。

 

 トレドの守護聖人である聖レオカディアの祝日に、祭りが行われる。イルデフォンソがレオカディアの墓の前で祈ると奇跡が起き、レオカディアが墓の中から立ち上がる。レオカディアは聖母を擁護してくれたことをイルデフォンソに感謝し、奇跡のしるしとして彼女のヴェールの切れ端を彼に与える。人々はイルデフォンソの起こした奇跡に驚嘆し、レオカディアのヴェールとそれを切り取ったナイフを聖遺物として大聖堂に奉納する。

 

 ある冬の日、大聖堂へ朝課の祈りを捧げに来たアナは、天使に遭遇する。天使は、聖母マリアを地上へつれてきたのだと告げる。

 

 イルデフォンソが朝課の祈りを捧げているところへ、聖母マリアが出現し、聖母のために彼が行ったことへの感謝としてカズラ(祭服)を渡す。天使たちが彼らを取り囲み、この奇跡を讃える。

 

 

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バルトロメ・エステバン・ムリーリョ

《聖イルデフォンソへの聖母の出現》1655年頃

プラド美術館

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